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表面処理

多品種少量生産に適したミニマルファブシステムに適応する、新たな液体原料ガスを用いたプラズマ援用多結晶シリコン成膜装置を実現する。 

東京都

株式会社コーテック

2023年2月5日更新

プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 液体原料ガスを用いたミニマルファブ用プラズマ援用多結晶シリコン気相成長装置の開発
基盤技術分野 表面処理
対象となる産業分野 航空・宇宙、自動車、ロボット、産業機械、情報通信、スマート家電、半導体、工作機械、エレクトロニクス、光学機器、化学品製造
産業分野でのニーズ対応 高効率化(同じ生産量に対するリソースの削減)、高効率化(工程短縮)、高効率化(人件費削減)、低コスト化
キーワード 半導体製造装置、ミニマルファブ、多結晶シリコン、ゲート電極
事業化状況 実用化に成功し事業化に向けて取り組み中
事業実施年度 令和1年度~令和3年度

プロジェクトの詳細

事業概要

低コストな小型装置で構成され、多品種少量生産に適した革新的半導体デバイス製造プロセスとして期待されているミニマルファブシステムに適応する、新規な液体原料ガスを用いたプラズマ援用多結晶シリコン気相成長装置を実現する。本技術により、現在広く用いられている汎用半導体製造ラインで製造される半導体ICをミニマルファブで圧倒的低コストで生産が可能となり、大きな市場形成を実現する。

開発した技術のポイント

・低環境負荷-省エネ-低コスト液体ガス気相成長装置技術の開発
-ガス供給継ぎ手や供給配管寸法の最適化
-液体原料ガス容器と流量制御器との間の導入ライン間の圧力の最適化及び流量制御器の制御性の確保
-Ar /SF6 プラズマクリーニング技術の確立
-マイクロ波電源の自動整合器の確立
-100℃として、それに適したガス導入構造を決定する。導入ライン圧力、温度とガス流量制
・高効率多結晶シリコン薄膜形成技術の開発
-ミラー磁場プラズマを励起する磁石構造
-ウェーハ近傍のみを加熱する加熱手段の選定や設計
-高速成膜実現のための原料ガスなどのパラメータ最適化
-ラジカル発生用プラズマチャンバ構造の最適化

具体的な成果

・低環境負荷・省エネ・低コスト液体ガス気相成長装置技術の開発
-小型液体ガス供給容器開発
液体材料ガスであるトリシランを充填する加熱温度セ氏100度 以下の小型容器を実現
-高温加熱ガス供給システム開発
トリシラン流量制御範囲が100%-9.0%である、セ氏100度加熱対応ガス流量制御システムを実現
-チャンバ内堆積物クリーニングシステム開発
堆積物除去効率99%以上のAr /SF6 プラズマクリーニング技術を確立した。
-プラズマ励起用マイクロ波整合技術の開発
マイクロ波電力投入から3秒でプラズマ着火、5秒で反射電力を10%以下に抑制可能なシステムを実現
・高効率多結晶シリコン薄膜形成技術の開発
-高効率小型ラジカル発生システム開発
ミニマル筐体に搭載可能なラジカル発生用ミラー磁場プラズマ源を実現
-高温加熱制御ステージの開発
最大100Wでセ氏600度までの加熱可能なホットウォール型ステージを実現
-高速成膜プロセスの開発
成膜温度セ氏600度、トリシラン流量0.8sccmにおいて、成膜レート128nm/minを実現
-高品質多結晶シリコン形成プロセスの開発
トリシランを用いた成膜において、プラズマ援用効果により、成膜温度550℃ において結晶化率87.5%が得られた。さらに、トリシラン成膜の多結晶シリコンをゲート電極として採用し、メガファブで作製する場合と同等の耐圧を有するMOSキャパシタを製作することができた。

知財出願や広報活動等の状況

「半導体装置の製造方法および半導体製造装置」 特願2022-099303

研究開発成果の利用シーン

現在、ミニマルファブシステムの導入を複数の企業が検討中であるが、これら企業がミニマルファブシステムを導入するには、メガファブで既に確立された半導体LSIで用いられるシリコンCMOS回路と同じ構造・材料のシリコンCMOS回路を製造可能にすることが極めて重要である。しかしながら、CMOS回路の要となるゲート電極形成において、メガファブでは広く普及している多結晶シリコン薄膜の形成技術が、ミニマル装置では実現していない。多結晶シリコン形成装置がミニマル化できれば、加速度的にミニマルファブシステムを導入する企業が増えると予測される。本事業においてそれを実現する。

実用化・事業化の状況

事業化状況の詳細

キャパシタ素子が実現できたことからも、多品種少量生産に対応する新しい生産システムとして期待されているミニマルファブシステムにおける多結晶シリコン成膜のスタンダードな成膜技術になる可能性が高い。

提携可能な製品・サービス内容

製品製造

製品・サービスのPRポイント

ミニマルファブシステムに本装置が導入された場合、下記の4点の効果が期待できる
・車載用高性能半導体ICの開発・製造ラインの実現に寄与できる
・保守が終了している小口径ウェーハ用の半導体製造装置の置き換えの実現に寄与できる
・大学や公的研究開発機関においてもメガファブ用装置と比べ安価であり導入が容易であり、日本の半導体ICの研究開発促進にも大きく寄与する。
・ミニマルファブシステムでは半導体ウェーハのみをクリーン化するため、クリーンルームが不要である。そのため、省エネの半導体生産ラインの実現や低炭素社会の実現に大きく寄与できる。

今後の実用化・事業化の見通し

ミニマルファブ推進機構と連携し、他のミニマルファブ装置と合わせたプロセス開発を実施することで、事業化が可能になると考えている。

プロジェクトの実施体制

主たる研究等実施機関 株式会社コーテック
事業管理機関 公益財団法人みやぎ産業振興機構
研究等実施機関 国立大学法人東北大学未来科学技術共同研究センター 教授 後藤哲也
誠南工業株式会社 技術部、製造部
アドバイザー 国立研究開発法人産業技術総合研究所
九州産学官連携センター 客員研究員
MMIセミコンダクター株式会社 半導体開発センター MEMS開発部

主たる研究等実施機関 企業情報

企業名 株式会社コーテック(法人番号:6012701003464)
事業内容 半導体製造装置ならびに真空装置の新規設計、製作及び中古装置の販売、リファビッシュを行っております。
社員数 25 名
生産拠点 つくばテクノロジーセンター(茨城県)
本社所在地 〒102-0072 東京都千代田区飯田橋3-4-4 第5田中ビル8階
ホームページ https://www.ko-tec.co.jp/
連絡先窓口 株式会社コーテック 営業部 部長 小林誠治
メールアドレス s_koba@ko-tec.co.jp
電話番号 022-381-4621