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表面処理

プラスチック部品の放熱特性を向上する塗装技術が自動車ヘの高意匠性、高耐久性の付与を実現し、差別化に貢献

埼玉県

久保井塗装株式会社(当時:有限会社久保井塗装工業所)

2020年4月7日更新

プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 放熱特性を向上させる周期的凹凸構造を持つ立体塗装技術の開発
基盤技術分野 表面処理
対象となる産業分野 航空・宇宙、自動車、ロボット、産業機械、スマート家電、建築物・構造物、電池、半導体、工作機械、エレクトロニクス、光学機器
産業分野でのニーズ対応 高機能化(新たな機能の付与・追加)
キーワード 放熱塗装、プラスチック用放熱、機能性塗装、低温度帯放熱
事業化状況 実用化に成功し事業化に向けて取り組み中
事業実施年度 平成24年度~平成26年度

プロジェクトの詳細

事業概要

・自動車業界のプラスチック部品、特にヘッドランプのリフレクターやハウジングの放熱改善が求められている
・放熱特性を向上するには、放射やプラスチックの熱伝導特性をアップするよりも周期的な凹凸構造をプラスチック表面に付与することが有効である
・骨材・塗料の吐出量を独立に制御して、プラスチック表面に熱伝達特性を改善する周期的な凹凸構造を形成可能な立体塗装技術を開発し、ヘッドランプの放熱特性を改善する

開発した技術のポイント

自動車ヘッドランプ回りのケースやリフレクターなどのプラスチック部品の放熱特性を塗装技術で高めることにより、ヘッドランプ形状のデザイン自由度の向上、電子部品の温度耐久性の向上など、自動車への高意匠性、高耐久性の付与を実現する
(新技術)
プラスチック部品の放熱特性を立体塗装技術により高める
(新技術の特徴)
ヘッドランプ形状のデザイン自由度の向上による自動車の高意匠性の実現、電子部品の温度耐久性の向上、省エネルギー化等が可能になる

具体的な成果

・立体塗装プロセスの開発
‐3コート立体プロセスを開発した
‐機能性骨材と塗料の最適な組み合せを開発した
・立体塗装用スプレーガンの開発
・最適放熱表面凹凸形状の設計
‐確立した解析技術を用いて放熱効率を上げるための畝形状条件を検討した
‐風洞実験装置により強制対流条件下での表面温度を測定し、畝塗装による放熱効果を評価した

知財出願や広報活動等の状況

特許出願については別途案件の開発時に申請した特許を活用、広報活動としては工業塗装業界紙及び医療機関へのDM、ホームページへの掲載をした。また、経済産業省様の動画でも紹介され、動画サイト(Youtube)に掲載されている

研究開発成果の利用シーン

塗装技術により放熱特性が高められた塗膜により、自動車のヘッドランプ回りやハイブリッド車や電気自動車などの大容量バッテリー、放熱ダクトなど、放熱を必要とするプラスチック部品の熱対策技術

実用化・事業化の状況

事業化状況の詳細

・最終目標値である「ヘッドランプハウジング高温部上昇を5℃以上(実績15℃)低減」を達成し、塗装機器の開発では超高粘度塗料の連続塗装に対応した機器を完成させることができ、付随した特許出願を平成24年度に1件、平成26年度に1件申請
・現在、家電メーカーを中心にお問い合わせを複数もらい、ヒヤリングした要望に対応を検討中

提携可能な製品・サービス内容

加工・組立・処理、素材・部品製造、製品製造、試験・分析・評価、共同研究・共同開発、技術コンサルティング

製品・サービスのPRポイント

・ヘッドランプ回りのプラスチック部品の放熱特性向上が他社製品との差別化を可能にし、売上拡大に貢献
‐立体塗装技術を用い、リフレクター、ハウジング等のプラスチック部品の放熱特性が高まることにより、ヘッドランプ形状のデザイン自由度が向上する
‐これにより、デザイン面、性能面で他社製品との差別化が可能となり、製品の売上拡大に貢献する
・放熱特性向上による高耐久性付与が自動車の品質向上に貢献
‐ヘッドランプ回りの従来プラスチック部品では、プラスチック化により放熱が悪くなった結果、光軸のずれ、配光性能の低下などの問題が出ていた
‐塗装技術により放熱特性が高められた部品を活用することで上記問題が解決され、自動車の高耐久性が付与されることから自動車の品質向上に貢献する

今後の実用化・事業化の見通し

・自動車メーカー、塗料メーカーとの情報交換を密にし、実用化へ向けての研究開発を続けていく予定だが、塗膜としての強度や省スペース化に課題がある
・専用塗装システムの販売、ハイブリッド車や電気自動車のような大容量バッテリーを搭載した自動車のバッテリ周辺や放熱ダクト等、ヘッドランプハウジング以外の製品への展開を考えている
・電機産業から技術に関する問合せを複数いただいており、本研究開発成果の電気機械への活用・応用の可能性を検討している

実用化・事業化にあたっての課題

家電製品は自動車に比べてスペースが少ないので、省スペースでも放熱できるよう改良を加えていき、且つ、塗膜としての強度も確保していきたい

プロジェクトの実施体制

主たる研究等実施機関 久保井塗装株式会社(当時:有限会社久保井塗装工業所) 本社工場
事業管理機関 タマティーエルオー株式会社
研究等実施機関 株式会社明治機械製作所 岡山工場
公立大学法人首都大学東京 諸貫教授
アドバイザー 地方独立行政法人東京都立産業技術研究センター 木下部長

主たる研究等実施機関 企業情報

企業名 久保井塗装株式会社(当時:有限会社久保井塗装工業所)(法人番号:9030002033540)
事業内容 工業塗装
社員数 15 名
生産拠点 久保井塗装株式会社 本社工場
本社所在地 〒350-1311 埼玉県狭山市中新田1083-3
ホームページ https://www.kuboitosou.co.jp
連絡先窓口 代表取締役 窪井要
メールアドレス info@kuboitosou.co.jp
電話番号 04-2958-5763