バイオ
海藻の未利用部位を有効活用した飼料でウニを養殖。海の砂漠化と呼ばれる磯焼けを解消し、ブルーカーボンを推進する。
岩手県
株式会社ひろの屋
2023年2月16日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | ウニの実入改善を実現する海藻等未利用バイオマス再資源化と利用技術の確立 |
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基盤技術分野 | バイオ |
対象となる産業分野 | 環境・エネルギー、食品、水産 |
産業分野でのニーズ対応 | 高機能化(新たな機能の付与・追加)、環境配慮、低コスト化 |
キーワード | 養殖、ウニ、海藻、磯焼け、ブルーカーボン |
事業化状況 | 実用化に成功し事業化に向けて取り組み中 |
事業実施年度 | 令和1年度~令和3年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
海藻の未利用部位の再資源化手法を確立する。AI(機械学習)を用い、再資源化された海藻残渣の高度な品質管理・保証プロセスを確立し、短期間でウニの生殖巣を肥大化可能な飼料原料を開発・実証する。さらに、ウニの内臓等の加工残渣から、ウニの実入を促進させる物質を探索し、有効利用法を確立する。また、再資源化された海藻・ウニ残渣を利用し、ライセンス展開可能なウニ養殖技術を高度化する。
開発した技術のポイント
・未利用の海藻バイオマスの再資源化手法を確立
-コンブのボイル端材やガニアシを用いて乾燥-粉末化条件をの最適化
・短期間でウニの実入改善効果を有する配合飼料を開発
-機械学習モデルを用いてガニアシ粉末への付着生物の混入割合を判定
-機械学習モデルを用いてウニの品質に与える影響が大きいタンパク質の妥当性検証を実施
・ウニ養殖技術の高度化と、試験販売
-養殖用いけす内部の構造を最適化
具体的な成果
・未利用の海藻バイオマスの再資源化手法を確立
-コンブのボイル端材やガニアシを用いて乾燥-粉末化条件を検討し、安価な再資源化手法を確立した。
・短期間でウニの実入改善効果を有する配合飼料を開発
-ウニの生殖巣を構成するタンパク質Major York Proteinの発現促進効果を持つ飼料原料を特定した。
-ウニ用のエクストルーデッドペレット(EP)飼料の量産化に成功した。
・ウニ養殖技術の高度化と、試験販売
-ウニ用のカゴ-生簀を設計し、3件の特許を出願、うち2件が登録。
-北海道~東北の複数の海域で、大規模な養殖実証試験を行った。
-生産したウニは試験販売し、消費者から色-味とも高い評価を得た。
知財出願や広報活動等の状況
[知財出願について]
ウニ養殖用の生簀の構造に関して、2件の特許が成立した(特許第7029133号、特許第702388号)。
ウニ養殖用の配合飼料は、株式会社ひろの屋・北海道大学らの共同出願を行った。北海道大学から独占ライセンスを受け、2022年10月より販売を開始した。
配合飼料「はぐくむたね」と、養殖されたウニ「はぐくむうに」は、それぞれ商標登録済み(商標登録6569232号、商標登録第6587059号)
[広報活動について]
本研究成果をベースとした「再生型養殖」の取り組みが「Industry Co-Creation (ICC) サミット KYOTO 2022」を受賞した。
研究開発成果の利用シーン
養殖ウニの顧客となる小売店・飲食店からは、ウニの安定供給に対するニーズが極めて高い。
ガニアシ再資源化によるウニ用配合飼料と、生簀等の養殖技術は、全国でウニ養殖に取り組みたいと考える漁業者・水産会社等が想定される。
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
北海道や岩手県の漁業者と共同で、ウニの大規模養殖に取り組むと共に、ウニ養殖拠点を増やすために全国に情報発信を行っている。
提携可能な製品・サービス内容
製品製造、共同研究・共同開発、技術ライセンス、技術コンサルティング
製品・サービスのPRポイント
短期間(2~3ヶ月)で品質の高いウニが生産できる配合飼料と、簡易にウニが飼育できる養殖技術(養殖用生簀等)を開発した。
今後の実用化・事業化の見通し
令和4年には、岩手県と北海道でウニ養殖の実用化を達成した。今後は、生産数量の拡大を目指し、養殖技術の改良を進めている。
実用化・事業化にあたっての課題
養殖生産量を拡大するため、全国・世界に向けて新たな養殖拠点を構築する。
事業化に向けた提携や連携の希望
本事業で確立された養殖技術を基に、ウニ養殖・藻場再生に取り組む生産者・企業との連携を希望する。
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 株式会社ひろの屋 |
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事業管理機関 | 株式会社ひろの屋 国立大学法人北海道大学 |
研究等実施機関 | 株式会社北三陸ファクトリー 株式会社愛南リベラシオ 国立大学法人北海道大学 大学院水産科学院 公益財団法人函館地域産業振興財団 工業技術センター 公益財団法人岩手生物工学研究センター |
アドバイザー | 日清丸紅飼料株式会社 ニチモワ株式会社 |
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 株式会社ひろの屋(法人番号:3400001008263) |
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事業内容 | 水産物の加工・販売 |
社員数 | 2 名 |
生産拠点 | 岩手県九戸郡洋野町種市第22地割131−18 |
本社所在地 | 〒028-7914 岩手県九戸郡洋野町種市第22地割131−18 |
ホームページ | https://hirono-ya.com/ |
連絡先窓口 | 株式会社ひろの屋 取締役 下苧坪 佳世子 |
メールアドレス | kayoko.shitautsubo@hirono-ya.com |
電話番号 | 0194-65-2408 |
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