バイオ
動物用リゾープス菌発酵産物(現製品)のヒト用健康補助食品(サプリメント)への転換
千葉県
株式会社牛越生理学研究所
2020年4月13日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 生理活性物質特定と作用メカニズム解析による生産プロセスの最適化と発酵産物高機能化に寄与する技術開発 |
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基盤技術分野 | バイオ |
対象となる産業分野 | 医療・健康・介護 |
産業分野でのニーズ対応 | 高機能化(新たな機能の付与・追加) |
キーワード | リゾープス、健康食品、更年期 |
事業化状況 | 実用化に成功し事業化に向けて取り組み中 |
事業実施年度 | 平成25年度~平成27年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
健康社会(健康立国)に向けて、ヒト健康食品産業では更年期障害に関わる商品開発ニーズがある。動物用リゾープス菌発酵生産物(現製品)のヒト用健康補助食品(サプリメント)へ転換を目指した高品質化を実現するために、オミックス解析により生理活性物質特定や機能解明を行い、それらを指標として生産プロセスを改良し高度化を図る。高機能化と安全性・有効性を担保できる製造技術を確立し、川下企業の用途拡大ニーズに答える
開発した技術のポイント
フィルターろ過装置開発による不溶物・胞子のマイルドな条件での除去、生理活性物質の高活性を保持できる病原微生物不活化法の確立、及び非通気式固体培養法を用いた発酵工程の最適化、生理活性物質等を特定し、ヒトに対する安全性評価方法及びヒト健康食品レベルの品質管理方法の確立を行う
(新技術)
発酵工程の最適化、安全性評価方法及びヒト健康食品レベルの品質管理方法を開発する
(新技術の特徴)
各種機能と効果指標を解明し科学的根拠を付与することができる
具体的な成果
・ろ過前処理装置を組み込んだフィルターろ過システムを開発し、処理工程の改善で生理活性物質含量1.63倍、比活性で1.93倍を達成した
・生理活性成分を1つ同定しその定量法、免疫学的方法及び培養細胞を利用した活性評価系を確立し、品質管理基盤を構築した
・RUの投与によって発現変動する遺伝子及びタンパク質を選択し、そのレポーターアッセイ系の構築により、RUの活性評価系を確立した
・マウスを用いた急性経口投与毒性試験を実施し、新製法RUは十分に安全である結果が得られた(概算LD50>2,000mg/10mL/kg)
・マウスにおける腸内細菌叢の変化を指標として個体に対する活性評価法を整備し、RUが制御するシグナル伝達系の遺伝子発現を定量解析する系、RUの定量的評価系を構築した
・RUのヒトに対する臨床試験を実施した結果、RUの安全性が確認され、更年期症状に対して有意な改善効果を示した
研究開発成果の利用シーン
有効性が確認された、動物用リゾープス菌発酵産物(現製品)が含有されたヒト用健康補助食品
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
ヒトにおける有効性のエビデンスを公表した(診療と新薬 55:59‐64、2018)。基礎的検討の結果は、共同研究者同士で検討中で、論文投稿の予定で進行中。また、今後の事業化で必要となる安定した麹生産を見据えて、培養室を新設し、生産性の向上も必要となるため、生産設備の整備を行っている。
提携可能な製品・サービス内容
製品製造
製品・サービスのPRポイント
新製法によるRU試料を用いたヒト(更年期症状を有する45歳以上60歳未満の女性)に対する4週間の安全性・有効性試験(委託試験)を実施した結果では、右記のような良好な結果を得ている
・安全性評価:試験品摂取と関連がある有害事象は認められず、臨床検査値についても、試験群、プラセボ群ともに特異的な変動は認められなかった
・有効性評価:クッパーマン更年期指数による評価で、トータルスコア、血管運動神経障害症状、ゆううつ、頭痛において有意な改善が認められた
今後の実用化・事業化の見通し
・成果をもとに特許出願を完了し、今後、保健機能食品(特定保健用食品、機能性表示食品等)としての製品化及び事業化を進める基盤が十分に整った
・海外についても、科学的根拠を付与した健康補助食品(サプリメント)や畜産用飼料添加剤としての新型のリゾープス菌由来発酵産物の国外向け製品の供給を検討していく
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 株式会社牛越生理学研究所 |
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事業管理機関 | 公益財団法人千葉県産業振興センター |
研究等実施機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 学校法人麻布獣医学園麻布大学 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 株式会社牛越生理学研究所(法人番号:7040001046643) |
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事業内容 | 配合飼料製造業、動物用医薬品製造業 |
社員数 | 8 名 |
本社所在地 | 〒285-0813 千葉県佐倉市石川熊野堂601-1 |
ホームページ | http://www.ushikoshi.com |
連絡先窓口 | 牛越康一郎 |
メールアドレス | koichiro@ushikoshi.com |
電話番号 | 043-485-2324 |
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