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バイオ

地球に優しい希少糖の実現に向けて、「バイオマス糖化技術」と「光触媒による糖変換技術」により、キノコ廃培地からの希少糖生産法を実用化

長野県

信光工業株式会社

2022年2月17日更新

プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 キノコ廃培地からの高純度希少糖生産法の研究開発
基盤技術分野 バイオ
対象となる産業分野 医療・健康・介護、食品
産業分野でのニーズ対応 高機能化(新たな機能の付与・追加)、低コスト化
キーワード キノコ廃培地、希少糖、光触媒、D-アラビノース、D-エリスロース
事業化状況 実用化に成功し事業化に向けて取り組み中
事業実施年度 平成30年度~令和2年度

プロジェクトの詳細

事業概要

食品産業界から期待されている希少糖を高純度かつ低価格で提供するために、「バイオマス糖化技術」と「光触媒による糖変換技術」により、キノコ廃培地からの希少糖生産法を実用化するものである。具体的にはバイオマス糖化工程の低コスト化及び精製・濃縮工程の最適化を図り、さらに光触媒反応による糖の変換を一貫して行う方法を確立する。併行して、事業化へ向けた希少糖の安全性試験を実施する。

技術概要
開発した技術のポイント

・キノコ廃培地からの希少糖生産法の確立
-キノコ廃培地から希少糖の原料糖(D-グルコース、D-キシロース等)を得る工程について、ベンチスケール設備(前処理設備、糖化設備、精製・濃縮設備、及び糖化効率を評価する分析設備で構成)の構築を行った。
-糖化法として酸分解条件・酵素糖化条件を検討し、当初の見積もりの糖収量(D-キシロース収率10%、Dグルコース酸分解収率30%、D-グルコース酵素糖化収率8%)を得ることができた。
-一定の精製条件を満たせば、試薬グルコースと同等の希少糖生成率で光触媒反応を進行させられることが確認できた。
-キノコ廃培地糖化工程で排出される残渣から燃料ペレットや建材ボードを試作した。
・希少糖の安全性試験
-希少糖の代謝・吸収・排泄に関する分析法を確立した。
-開発候補希少糖の遺伝毒性試験、単回投与毒性試験、反復投与毒性試験を完了した。

研究開発成果
具体的な成果

・キノコ廃培地からの希少糖生産法の確立
-キノコ廃培地糖化法の工程および設備構成を決定した。また、その構成の最適化を完了した。
-キノコ廃培地から希少糖が生産できることを確認した。
-キノコ廃培地糖化工程で排出される残渣から燃料ペレットや建材ボードを試作した。
-上記燃料ペレットの高発熱型では、木質ペレットの2倍(石炭と同等以上の発熱量)が確認された。
・希少糖の安全性試験
-希少糖の代謝・吸収・排泄に関する予備データを取得した。
-開発候補希少糖D-アラビノースについて、遺伝毒性試験、単回投与毒性試験、13週反復投与毒性試験を完了した。
-希少糖の安全性試験に必要な希少糖サンプルの製造、規格分析、安定性試験を全て完了した。

燃焼試験
知財出願や広報活動等の状況

事業成果の一部として、キノコ廃菌床利用ペレットの特許は出願済(特願2021-183127)

研究開発成果の利用シーン

今回の成果により、キノコ廃培地から希少糖D-アラビノース、D-エリスロース、D-トレオースを低コストに高純度で生産することが可能となる。また、キノコ廃培地の糖化工程で排出される残渣からは燃料ペレット(従来の木質ペレットの2倍以上の発熱量)や建材ボード(均一なボード成型を実現)を製造できる。

実用化・事業化の状況

事業化状況の詳細

希少糖製品を食品として事業化するとともに、食品以外の用途での実用化も検討する予定である。また、食品メーカーによる官能評価試験において、D-アラビノースは味質に優れた点があるとの評価を得た。

提携可能な製品・サービス内容

製品製造

製品・サービスのPRポイント

今回の成果によるキノコ廃培地からの希少糖生産工程の確立は、高純度希少糖を複数種類供給できる体制の構築につながるとともに、キノコ生産における課題であった大量排出されるキノコ廃培地の有効利用法を提案するものである。本技術はゼロエミッションの実現を目指すものであり、環境資源循環技術としても貢献できる。

今後の実用化・事業化の見通し

希少糖製品の食品として事業化については、まずは食品分類や食品添加物の許認可制度への対応における課題を解決していく。希少糖の製造自体はある程度の規模で実施できる体制があるので、食品としての事業化に並行して食品以外の用途の探索も行い、 希少糖製品の新規市場開拓も検討していく。また、キノコ廃培地糖化時の残渣を利用した燃料用ペレットや建材ボード等の製造に関しても、大手メーカーを交えた形で事業化へ向けた検討を進めている。

実用化・事業化にあたっての課題

・製造コスト
-希少糖製造コストの低減は、今後も継続して取り組むべき課題である。ただし、希少糖の変換技術の核となる光触媒技術は既に様々な分野で利用され、日々研究開発が進んでいる。光触媒研究機関と協力して、より良い触媒材料の探索や変換反応の改良に取り組むことで、希少糖生成効率が飛躍的に向上する可能性がある。
・食品分類や食品添加物の許認可制度への対応
-希少糖を食品として実用化するにあたり、食品分類や食品添加物の許認可制度を考慮しながら市販に向けてどのように対応していくか、という点について課題が見えてきた。希少糖は、自然界に稀ではあるが天然にも存在する糖であるので、食経験の調査等を進めることによって食経験のある物質として証明ができ、その結果、食品に分類されるとなれば、販売までの道筋は近いものとなる。一方で、食品ではなく食品添加物の分類となると、医薬品に準じた安全性試験の実施および食品安全委員会での許認可を受ける必要性が生じる。この場合の予算や試験実施期間の確保も検討しつつ、希少糖の食品以外の用途についても検討を進める。

プロジェクトの実施体制

サポイン事業者 信光工業株式会社 表面処理事業部、キノコ村事業部、環境事業部、総務部
事業管理機関 公益財団法人長野県テクノ財団 事務局、新事業企画室事務局、新事業企画センター、イノベーション推進部、総務部
研究等実施機関 アクテイブ株式会社 バイオ研究所所長 坂口 謙吾、副所長 菅原 二三男、主任研究員 金井 良博、類家 竜司
学校法人東京理科大学 研究推進機構総合研究院教授 阿部 正彦、理工学部先端化学科大学院生 柳澤 淳
ミヨシ油脂株式会社
株式会社長野サンヨーフーズ
学校法人東京理科大学 理工学部先端化学科教授 酒井 秀樹

サポイン事業者 企業情報

企業名 信光工業株式会社(法人番号:5100001001354)
事業内容 金属製品製造業
社員数 105 名
本社所在地 〒381-0023 長野県長野市風間2034-37
ホームページ http://www.n-sinko.co.jp
連絡先窓口 信光工業株式会社 環境事業部 阿部直樹
メールアドレス naoki.a@n-sinko.co.jp
電話番号 026-221-1280