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バイオ

わずか1mLの全血からiPS細胞の自動樹立を実現

大阪府

株式会社サンプラテック

2026年2月9日更新

プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 MyiPSの実現を可能にする簡易閉鎖型培養システムの研究開発
基盤技術分野 バイオ
対象となる産業分野 医療・健康・介護、食品
産業分野でのニーズ対応 高機能化(新たな機能の付与・追加)、高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(小型化・軽量化)、高性能化(信頼性・安全性向上)、高性能化(精度向上)、高効率化(同じ生産量に対するリソースの削減)、高効率化(工程短縮)、高効率化(人件費削減)、高効率化(生産性増加)、低コスト化
キーワード iPS細胞、閉鎖型、灌流、細胞培養、PBMC
事業化状況 実用化間近
事業実施年度 令和4年度~令和6年度

プロジェクトの詳細

事業概要

本研究開発は、MyiPSの実現を可能にする簡易閉鎖型培養システムの開発を目的としている。採血からiPS細胞の作成、拡大培養、分化誘導までを閉鎖系のまま一気通貫にコンタミレスで実施し、同時に閉鎖系によって安全キャビネットなどのグレードA環境を不要とし、さらに自動化により培養を安定化させ労務費削減も可能にする。研究実施機関は一般財団法人大阪科学技術センターが事業管理機関となり、株式会社サンプラテックと公益財団法人京都大学iPS細胞研究財団が研究実施機関として参画している。従来技術では約4,000万円かかる治療費を目標の100万円にコストダウンするため、簡易でありながら完全閉鎖が確保されコンタミせずに培養が可能で、専門知識・専門技術が不要な自動化システムの開発を行った。

開発した技術のポイント

・単核球単離機能用採血管の開発
-バルブやポンプを用いた流体制御により、完全閉鎖にて単核球を分離する方法を考案
-全血1mLから高効率で単核球を取り出すことに成功

・iPS細胞樹立条件の検討
- 完全閉鎖でiPS細胞を樹立できるオリジナル培養容器を開発。 通常の培養容器の同等の細胞接着性を実現
- ベクター感染条件などを調整し、樹立効率20%以上を達成
- 上記プロトコルが実現できる超小型の自動灌流培養装置を開発

・ハンディ型無菌接続機の開発
- 専用開発したコネクタを合わせた状態で封止アルミを加熱し、抜き取ることでコネクタの端部同士を熱溶着し、一体化することで、異素材、異径チューブでも簡単かつ安価に無菌的に配管を接合できる技術を開発

具体的な成果

・単核球単離: 全血1mLから高効率に単核球を閉鎖的に取り出すことに成功し、この単核球からiPS細胞樹立を確認
・iPS細胞樹立: 樹立効率20%以上を達成し、目標値10%を大幅に超える結果を得た
・無菌接続機: チューブ同士を無菌的に接合・解離可能な試作品を完成
・製造コスト試算: 現状で消耗品・部品費5万円程度、試薬代35万円程度、合計40万円程度での製造が可能という試算を得た
・特許出願: 基本特許3件を出願済み

知財出願や広報活動等の状況

知財については、基本特許を3件出願済みである。また、単核球分離方法についてはPCT出願の優先権主張を行っている。
広報活動では、毎年10月にパシフィコ横浜にて開催されている再生医療JAPANで、開発成果を展示し、毎回、事業化に期待する声で、要素技術を切り売りする形での引合いを多くいただくことができている。また、毎年3月に開催されている日本再生医療学会においても、同様の展示に加え、京都大学iPS細胞研究財団との共同成果を発表するなどの活動を行った。

研究開発成果の利用シーン

本研究開発成果は主に以下のシーンでの利用が想定される。

・MyiPS事業者等の細胞培養受託事業における自家iPS細胞の低コスト製造
・再生医療実施病院での患者自身の血液からの治療用細胞作成
・製薬企業での創薬活用における効率的なiPS細胞製造
・再生医療未実施病院での新規再生医療導入支援
・理化学研究分野での細胞培養装置としての水平展開

従来は患者ごとの専用クリーンルームが必要で約4,000万円の費用がかかっていたが、本システムにより100万円程度での治療が可能となることで、先端医療を金銭的理由で諦めざるを得ない患者や家族の救済、保険制度への負担軽減が期待される。

実用化・事業化の状況

事業化状況の詳細

各ユニットや消耗部品などに対し、すでに顧客から引き合いが来ている状況である。展示会等でそれぞれ好評を得ており、再生医療関連案件の問い合わせ数が増加し、本成果物についても既に引き合いをいただいている。
販売促進戦略は3段階で進める計画である。STEP1では初期導入期としてMyiPS事業者等の細胞培養受託事業者をターゲットとし、STEP2では展開期として再生医療実施病院や製薬事業者をターゲット、STEP3では拡大期として再生医療未実施病院と海外事業者をターゲットとする。
販売品目はメインユニット、消耗品、無菌接続機器の3つで構成される。株式会社サンプラテックは11年前から再生医療研究向けに細胞の非凍結輸送容器やデバイスを開発・導入してきた実績により、再生医療関連研究機関とのパイプがあり、理化学業界で60年以上の実績を持ち全国2,000ほどの販売店に商流を持っている強みを活かして迅速な販売促進を行う。

提携可能な製品・サービス内容

設計・製作、加工・組立・処理、素材・部品製造、製品製造、共同研究・共同開発

製品・サービスのPRポイント

本製品の最大のPRポイントは、従来約4,000万円かかっていたiPS細胞製造コストを約100万円まで削減できる革新性である。
・完全閉鎖系での培養により患者間クロスコンタミネーションリスクを排除し、患者ごとの専用クリーンルームが不要
・省スペース設計(家庭用オーブン程度のサイズ)で大掛かりな設備投資が不要
・専門知識不要の簡易接合機材により、熟練技術者でなくても操作可能
・全工程の自動化により労務拘束時間を大幅削減
・患者本人の細胞から培養するため拒絶反応リスクが小さい
・消耗品キットは安価で、メインユニットは理化学機器として水平展開も可能

これらの特徴により、再生医療の民主化と普及促進に大きく貢献できる。

今後の実用化・事業化の見通し

実用化・事業化の見通しは非常に良好である。協力研究機関としてMyiPS事業そのものを実施する京都大学iPS細胞研究財団、肺上皮細胞のHiLung株式会社など、開発製品の検証を確実かつ即効性をもって実施できる体制で進めており、これら機関での検証をクリアすることで対外的信頼性も高くなる。
販売促進については、株式会社サンプラテックの既存パイプと商流を活用し、展示会やWeb等も駆使して迅速に行う計画である。要素技術を切り売りでも理化学品として対応できる見込みも立っており、MPS(Microphysiological Systems)や培養肉などへの水平展開も検討している。事業化の実現は確実であり、早期に収益に移行させることが可能と考えている。

実用化・事業化にあたっての課題

実用化に向けて以下の課題を想定している。
・速やかな販売体制づくり: 各ユニットや消耗部品に対する顧客からの引き合いに対応する体制の構築
・マーケティング活動の継続: 市場に対する認知度向上と顧客開拓の継続
・水平展開の推進: MPS(Microphysiological Systems)や培養肉分野への技術応用

完全な一気通貫での閉鎖系でのiPS細胞作成、ならびに医療で使えるiPS細胞作成のためには以下が必要である。
・良い細胞を非侵襲で取り出す技術、もしくは悪い細胞を淘汰しながら分化誘導する技術の開発
・臨床に向けた各種規制への対応(GMP、QMSレベルの品質実現)
・再生医療ビジネスに対応できる人材の強化・育成
・ISO13485の取得も視野に入れた医療機器製造に適応した生産体制と安定品質、安定供給の構築

事業化に向けた提携や連携の希望

本技術の補完研究のため、培地中のpH、溶存酸素、グルコース濃度、乳酸濃度などを非接触でモニタリングする技術、細胞をサイズで選別できるフィルトレーション技術を有する企業との連携を希望する。また、国内ではすでに2000以上の理化学商社を通じて、取引できるルートを有しているが、海外においては非常に限定的なのが実情である。そこで海外をメインに本事業での成果物を拡販いただける企業との連携も併せて希望する。

プロジェクトの実施体制

主たる研究等実施機関 株式会社サンプラテック
事業管理機関 一般財団法人大阪科学技術センター 技術振興部
研究等実施機関 株式会社サンプラテック
公益財団法人京都大学iPS細胞研究財団
アドバイザー HiLung 株式会社
株式会社 Laboko
ケーディークロート株式会社
学校法人近畿大学

参考情報

主たる研究等実施機関 企業情報

企業名 株式会社サンプラテック(法人番号:1120001064428)
事業内容 サンプラテック・ブランドを中心とした、プラスチック製理化学機器の製造販売。
社員数 40 名
本社所在地 〒530-0035 大阪府大阪市北区同心2-1-3
ホームページ https://corp.sanplatec.co.jp/
連絡先窓口 株式会社サンプラテック 企画開発本部 森正樹
メールアドレス mori@sanplatec.co.jp
電話番号 06-6353-5326