情報処理
BRDFスペクトルデータの取得によるライブラリー化を進め、病害検出となる特有の特徴を抽出する同定アルゴリズムを確立し、実運用に資するモデル形成を行う。
北海道
株式会社スマートリンク北海道
2023年2月5日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 農作物病害抽出配信サービスシステムの開発及び販売 |
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基盤技術分野 | 情報処理 |
対象となる産業分野 | 航空・宇宙、農業、光学機器 |
産業分野でのニーズ対応 | 高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(信頼性・安全性向上)、高性能化(精度向上)、高効率化(同じ生産量に対するリソースの削減)、高効率化(工程短縮)、高効率化(人件費削減) |
キーワード | リモートセンシング、病害検出、BRDFスペクトルライブラリー |
事業化状況 | 実用化に成功し事業化に向けて取り組み中 |
事業実施年度 | 令和1年度~令和3年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
本事業では、リモートセンシング技術を活用し、作物体の病害検出の自動サービス化を実現する。海外では新パナマ病による罹病被害が深刻で、国内においても作物別の病害診断情報のニーズが高い。衛星画像の利用に加えて、UAV、ハイパースペクトルセンサを用いることで情報精度の向上を図る。また、専門知識が必要な解析も計測から情報開示まで一貫した自動システムの開発を行い、新たなリモートセンシングビジネスを創出する。
開発した技術のポイント
・地上計測とドローンによる高精度BRDF スペクトル測定に基づく新パナマ病早期診断法の開発
-体型分光器やスーパーマルチカラーカメラなどを用いて、バナナの葉や茎のBRDFスペクトルライブラリー(健全なモノと感染したもの)を構築する方法論の確立
-BRDFスペクトルデータライブラリーを計測及びそのライブラリーを利用した機械学習AI技術による「新パナマ病」特有の特徴を抽出と感染の診断技術の開発
-新パナマ病検出に必要な波長帯の特定
-衛星画像とドローン画像を相互利用による被害把握の高精度化
具体的な成果
・地上計測とドローンによる高精度BRDFスペクトル測定に基づく新パナマ病早期診断法の開発
-世界的な感染症拡大(新型コロナウイルス(COVID-19))に伴い、フィリピンへの渡航が制限されることとなったが、Microsoft Hollolens2及びその開発システムを活用し、遠隔での撮影指導、情報の共有、取得データの共有を行いながら、データ取得を実施。
-同定のアルゴリズムはNDSI(Normalized Difference Spectral Index)を用いて作成することができ、バナナの新パナマ病における、初期、中期、末期を特定の波長にて同定することが可能となった。
・クラウド利用による解析結果配信システム構築
-構築したクラウドシステムにより、計測情報から病気の判定が可能になることから、作業員の巡回効率をあがることが期待できる。
-クラウドシステムは、作業内容をユーザー別、農場別に管理し、帳票出力ができるため、バナナ生産の運用面での効果も期待される。
研究開発成果の利用シーン
市場規模の大きなプランテーション作物に対して、高精度のリモートセン高精度のリモートセンシング技術に基づく病害虫診断サービスの実施。
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
営業先の第一候補は、本事業期間中にスマホ一体型分光器を使った計測及び自社でドローンチームを有するスミフルを想定。サービスは、バナナの生育スピード及び葉の成長スピードから判断し「2週に1回の撮影頻度」とし、最低100haの「年間契約」とし、年間26回の撮影とデータ提供を1つのサービス単位とするイメージである。最終的に、安価な感染情報サービスモデルの構築を目指し、商用専用のマルチカメラ(4色)の開発を行い、衛星、ドローン、固定観測を組み合わせた最適なビジネスモデルを確立する。
提携可能な製品・サービス内容
共同研究・共同開発、技術ライセンス、技術コンサルティング
製品・サービスのPRポイント
本システムにより、計測情報から病気の判定が可能になるため、作業員の巡回効率の向上が期待できる。さらに作業内容もユーザー別、農場別に管理可能であり、バナナ生産の運用面での効果も期待される。また、病気の特定はバナナ産業において有用であり、フィリピンのみならず欧州や南米へも 展開できる可能性がある。
今後の実用化・事業化の見通し
営業先の第一候補は、スマホ一体型分光器を使った計測及び自社でドローンチームを有するスミフルを想定。
実用化・事業化にあたっての課題
ドローンコストの低減。現地のプランテーション型の農園は、資金的に余裕があるが、30ha規模の生産者ではドローンを飛ばすコストが負担できない可能性がある。また、さらなるデータの積み重ねも必要である。フィールドデータの取得は新型コロナウイルスの影響でデータ取得が不十分である。そのため、カメラでの計測ができなかった。精度を高めるため、LCTFカメラでの計測を実施し、地上計測だけてなく、LCTFカメラをドローンに搭載した計測も実施し、情報の精度を高め、精度を上げるアルゴリズムの開発も必要となる。また、同定アルゴリズムの精度向上には様々な気象条件や様々な太陽角度にも対応できるスペクトルライブラリーデータが求められる。
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 株式会社スマートリンク北海道 常務取締役 小林 伸行 |
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事業管理機関 | 株式会社スマートリンク北海道 常務取締役 小林 伸行 国立大学法人北海道大学 大学院理学研究院 教授 高橋 幸弘 |
研究等実施機関 | 国立大学法人北海道大学 大学院理学研究院 教授 高橋 幸弘 株式会社ポーラスター・スペース 代表取締役 中村 隆洋 イーサポートリンク株式会社 取締役 専務執行役員 深津 弘行 |
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 株式会社スマートリンク北海道(法人番号:1430001065155) |
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事業内容 | 農業分野におけるコンサルティング業務、気象システム保守業務、GPS補正用基地局保守業務、農産物販売等 |
社員数 | 5 名 |
生産拠点 | 北海道岩見沢市 |
本社所在地 | 〒068-0034 北海道岩見沢市有明町南1番地12 |
ホームページ | https://smartlink-h.co.jp/ |
連絡先窓口 | 常務取締役 小林 伸行 |
メールアドレス | nobuyuki.kobayashi@smartlink-h.co.jp |
電話番号 | 0126-33-4141 |
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