文字サイズ
標準
色の変更

研究開発された技術紹介

  1. トップ
  2. 研究開発技術検索
  3. 新たにアルゴリズムを開発し、外部環境の影響を受けやすいセキュリティカメラの画質の最適化を実現する

情報処理

新たにアルゴリズムを開発し、外部環境の影響を受けやすいセキュリティカメラの画質の最適化を実現する

滋賀県

株式会社ジーニック

2020年3月22日更新

プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 外部環境に影響を受けない高画質カメラシステム用組込みモジュールの研究開発
基盤技術分野 情報処理
対象となる産業分野 環境・エネルギー、エレクトロニクス
産業分野でのニーズ対応 高機能化(新たな機能の付与・追加)
キーワード 画像処理、FPGA、リアルタイム処理、セキュリティ、監視
事業化状況 実用化に成功し事業化に向けて取り組み中
事業実施年度 平成22年度~平成23年度

プロジェクトの詳細

事業概要

カメラを使用したセキュリティシステムにおいて、現状では逆光や低照明などの光による影響や、雨、霧、雪、煙、粉塵、砂塵等の粒子拡散による影響が大きく、安全面において問題がある。こうした外部環境による影響を画像処理によって改善することにより、セキュリティシステムの簡素化・小型化を図り、且つ安全性の向上を実現することを目的とした動画像における画質改善プロセッサ技術を確立する。

開発した技術のポイント

外部環境の影響を受けにくい高性能カメラシステムを開発
・顔認識率は低照度(0.1Lux)、逆光時ともに80%以上
・濃霧時の人物特徴認識は10m以上、色合いの劣化を低減
・60フレーム/秒で動画像処理
・フルHD(1,920×1,080)化
・演算処理部使用メモリ容量は3Mbits未満
(新技術)
<外部環境の影響を受けない画質改善プロセッサ>
(課題解決)
・安価なカメラを使用した簡素な構成
・高速画質改善により外部環境の影響を受けない高画質処理
(課題解決による効果)
・特殊カメラ、照明装置、照明用電力等が不要

サンプル処理画像(逆光)_左-原画_右
-処理後
サンプル処理画像(霧)_左-原画_右-処理後
サンプル処理画像(低照度)_左-原画_右-処理後
具体的な成果

・アルゴリズムの改良・新規開発に成功
・アルゴリズムの細部見直しで「明暗境界に起因する疑似輪郭の除去」、「明暗の不自然な強調の改善」に成功
・コア部メモリアーキテクチャ見直しで、メモリ使用量は15%に削減成功、検出率は処理前に比べ、2倍強に向上~に成功
・画像拡大時のノイズ耐性を高め、ガウス性ノイズ除去に成功
・スケーリング処理回路に暗電流ノイズ抑制機能を追加、RGBダイレクトスケーリング実装で日中順光時や霧画像での彩度低下を改善
・動画時のシーン遷移を踏まえ、適応演算処理を最適化
・フレームメモリレスでの高解像化処理の実装に成功、ぼやけやジャギー等に関し、既存アルゴリズムに対する優位性を獲得
・過不足ないプロセッサと取り回しのよい各種インターフェースを搭載したハードウェアに効率のよいソフトウェアを組み合わせ、使い勝手のよい試作機を開発

知財出願や広報活動等の状況

・出展:国際画像機器展(H23.12)

研究開発成果の利用シーン

開発した技術成果を大規模監視システムに組み込むことにより、カメラ周囲の環境条件に左右されることなく、安定した監視業務が可能となる。また、画像認識のAI処理の前段に組み込むことで認識精度やロバスト性の向上を図ることが出来る。

実用化・事業化の状況

事業化状況の詳細

研究課題のアルゴリズムの開発に関しては、ほぼ実用化段階にまで到達し、プロトタイプ的なものに関してはユニットとして具現化。ただし、まだ非常にハイコストであり、当初目標である小型低コストな製品開発にまでは至っておらず、研究開発を継続中。

提携可能な製品・サービス内容

共同研究・共同開発、技術ライセンス

製品・サービスのPRポイント

・多様な環境に対応可能な画質改善→低照度、逆光及び霧等の不鮮明画像の視認性向上
・リアルタイム処理→100uS以下の低レンテンシーを実現(フレームメモリレス)
・自動処理→環境条件に合わせたマニュアル設定不要

今後の実用化・事業化の見通し

積極的なプロモーション活動による拡販を経て海外展開も視野に
・監視カメラメーカー、自動車電装品メーカー、画像処理検査装置メーカー等へのサンプル画像の処理や評価機の貸出を実施中
・新たに一部機能制限を施した無償評価版Ipを作成し、自社サイトから簡単にダウンロード提供を実施
・数年後を目処に海外での販売活動も検討中

実用化・事業化にあたっての課題

・ローコスト化

事業化に向けた提携や連携の希望

・AIの前処理としての可能性を見極めるため、AI開発に携わる企業との連携を模索中

プロジェクトの実施体制

主たる研究等実施機関 株式会社ジーニック
事業管理機関 学校法人立命館
研究等実施機関 TakumiVision株式会社
学校法人立命館

主たる研究等実施機関 企業情報

企業名 株式会社ジーニック(法人番号:7160001000910)
事業内容 画像処理IPの開発・販売、オリジナルICの開発・製造・販売、その他設計受託
社員数 24 名
本社所在地 〒520-0801 滋賀県大津市におの浜四丁目7番5号
ホームページ http://www.zenic.co.jp/
連絡先窓口 営業部 浦川 勇
メールアドレス sales@zenic.co.jp
電話番号 077-526-2101