デザイン開発
模倣が困難な蛍光材料と高精細多積層転写技術を用いた紫外線励起の情報タグ印刷技術により、高級飲食器等の国産セラミック製品のブランド保護とユーザーサービスの向上を実現!
岐阜県
株式会社高根シルク
2023年2月4日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 高精細多積層転写技術を用いた透かし情報タグによる製品のブランド化 |
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基盤技術分野 | デザイン開発 |
事業化状況 | 事業化に成功 |
事業実施年度 | 平成28年度~平成30年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
海外での販路拡大を図るにあたり、模倣品を排除し品質を保証するとともに、商品から各種情報を発信することによりブランド力を強化することが川下企業から強く望まれている。このため、模倣が困難な蛍光材料を用いた高精細多積層転写技術を新たに開発することで、意匠を損なわない透かし情報タグを実現する。これにより、意匠を重視する飲食器等の国産セラミックス製品のブランド保護とユーザーサービスの向上を目指す
開発した技術のポイント
・ブラックライトで励起し、可視光領域で発光する無機蛍光材料を活用することで透かし技術を付与した高精細で多積層な転写技術の開発することに成功した
・この転写技術で情報タグ(QRコードなど)を印刷し、磁器製品に転写することで、必要なときにのみ情報タグからスマートデバイス(スマートフォンやタブレット)を用いることで簡単に情報を入手できるシステムを構築した
・消費者に対して、正規商品であることの証明や製品情報を提供するによる再販や販売促進といった効果が期待できる
具体的な成果
・蛍光材料の開発
‐本事業に用いる蛍光材料を開発した
‐量産化に向けて短時間に蛍光ペーストを調製する方法を提案した
・高精細多積層転写技術の確立
‐無機顔料層、蛍光層、カバー層、コーティング層からなる転写紙を開発した
‐高機能かつ高解像度化に向けてた転写紙製造技術を提案した
・透光性を有する磁器飲食器への対応
‐製品の厚さが1.3mm程度の極薄マグカップの製造方法を開発した
‐本事業に適合した転写紙の焼き付け条件などを見出した
・スマートデバイスを用いた読取方法の確立
‐ブラックライトで発光したQRコードをスマートデバイスで読み取るアプリを開発した
‐秘密情報を組み入れたSQRCに対応した読み取りシステムを構築した
・実機によるシステムのテスト
‐実際の製造工程にて作製したサンプルで読み取り試験を実施した
‐ブラックライトで発光したQRは開発したアプリにてすべて読み取ることができた
研究開発成果の利用シーン
飲食器の意匠に影響を与えない蛍光材料を用いた高精細転写技術(すかし転写技術)とこれに関する読取や認証システムにより、国産飲食器のブランド保護とユーザーサービスの向上
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
陶磁器製品に関する開発した転写紙を応用する技術は確立できた。得られた成果をもとに、展示会への出展や企業訪問によって、積極的にマーケティング調査を実施している
製品・サービスのPRポイント
模倣が困難な蛍光材料と高精細多積層転写技術を用いた紫外線励起の情報タグ印刷技術により、高級飲食器等の国産セラミック製品のブランド保護とユーザーサービスの向上を実現
今後の実用化・事業化の見通し
本事業では、本提案技術に加え以下のような派生技術も開発した。これら派生技術は異なる分野への応用可能と考えており、今後も必要なニーズに応じて開発研究を進めていく予定である
・遊星攪拌脱泡気を利用した短時間のペースト(泥漿・懸濁液)調製技術
・セラミックスの極薄成形体・焼成体作製技術
・3階層まで秘密情報を入れることができるSQRCシステム
実用化・事業化にあたっての課題
本事業で開発したブラックライトを当てるとQRコードが発光し、情報を読み込むことができるシステムは活用方法が限定化されているため、より広く普及するためにはいろいろなアイデアを提案する必要がある
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 株式会社高根シルク |
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事業管理機関 | 公益財団法人岐阜県産業経済振興センター |
研究等実施機関 | 株式会社山加商店 学校法人工学院大学 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 株式会社高根シルク(法人番号:9200001020753) |
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本社所在地 | 岐阜県多治見市高根町4-6 |
連絡先窓口 | 代表取締役社長 大澤大二 |
メールアドレス | tknsilk@quartz.ocn.ne.jp |
電話番号 | 0572-27-3435 |
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