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複合・新機能材料

消費科学性能に優れた機能性繊維により、高付加価値繊維製品の提供が可能に!

山梨県

高山織物整理株式会社

2020年4月10日更新

プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 CO2クラスタージェットによる連続式表面改質処理装置の開発
基盤技術分野 複合・新機能材料
対象となる産業分野 医療・健康・介護
事業化状況 研究実施中
事業実施年度 平成24年度~平成26年度

プロジェクトの詳細

事業概要

織物産業では快適性や安全性等に対するユーザーからの要求水準の高度化が進展しており、耐久性を持った高度高次加工が求められている。当該研究開発ではこれらのニーズに対応するため、大気圧下の局所の時空間において超臨界CO2クラスターを発生させ連続的に繊維高分子表層部内に機能性物質を注入する装置の開発を行い、耐洗濯性、耐摩擦性などの消費科学性能に優れた抗菌、防ダニ、消臭、芳香性等の機能性加工技術の確立を目指す

開発した技術のポイント

大気圧下の局所の時空間において超臨界CO2クラスターを発生させ、抗菌・防ダニ、消臭・脱臭等の新しい高機能性を付与した布帛を連続的に処理することを可能とする表面改質処理装置を開発する
(新技術)
大気圧で高分子成形物に連続的に超臨界CO2クラスターをジェット噴射することで、高分子成形物に機能付与剤を付着させる
(新技術の特徴)
各種機能付与剤を効率よく高分子成形物に付与できる

具体的な成果

・大面積表面改質処理装置の試作開発
‐付帯装置類、狭ピッチ微細ノズル、マルチノズル機構を開発した
‐実用化に向けた装置システムの研究を行った
・高機能加工の最適処理条件の研究
‐処理条件と処理効果の研究、及び消費科学性能及び機能性の評価研究を通じ、高機能加工の最適処理条件に関する知見を得た

研究開発成果の利用シーン

・抗菌・防ダニ加工、消臭・脱臭加工、アレルギー対応加工等の機能性が長期間持続する各種機能性繊維
・各種繊維への機能付与剤付着サービス

実用化・事業化の状況

事業化状況の詳細

・一連の実験を通し、機能付与剤等(色素を含む)を高分子成形物に注入できること、及びCO2処理が消費科学性能(染色堅ろう度、引張強度)に及ぼす影響が皆無であることが確認された
・実験段階では液体CO2はボンベ(30㎏入)から導入していたが、長時間の連続運転を行うためにはボンベ集合装置またはコールドエバポレーター等を設置する必要があることが分った

製品・サービスのPRポイント

・消費科学性能面で優れた機能性繊維の利用で、繊維製品の用途拡大に寄与
‐繊維構造物への機能付与剤の付着を、超臨界CO2クラスターのジェット噴射により行うことで、機能付与剤を効率よく付与できるようになった
‐機能付着剤付着後の各種機能性繊維において耐洗濯性、耐摩擦性等消費科学性能面の向上が実現した
‐消費科学性能向上の結果、抗菌・防ダニ加工、消臭・脱臭加工、アレルギー対応加工等の機能性を、各種機能性繊維において長期間持続できるようになった
‐本機能性繊維を利用して繊維製品を製造することで、繊維製品の用途拡大や高付加価値化につながる
・廃液処理に要するケミカルコスト・設備コストを削減
‐超臨界CO2クラスターのジェット噴射の利用により、加工廃液を可及的に減少させると共に、廃液及び機能付与剤の回収が可能になった
‐従来廃液の処理に要していたケミカルコストや設備コストを削減できる

今後の実用化・事業化の見通し

・想定市場として、既に製品の開発要請のある消臭機能性を付加した紳士服・婦人服の裏地や、芳香性を付加した婦人アウター地が挙げられるが、当該技術は繊維製品全般に対応できることから、次のターゲットとしてシャツ地、インテリア地、院内着用生地等の分野に参入する計画である
・サポイン事業で開発した連続式表面改質処理装置を基に実用機を開発し、加工した生地の販売および生地の受託加工に徹した事業展開を行うことを目指す
・販売ターゲットは国内及び海外とし、サポイン事業における技術シーズ提供企業である帝人株式会社の関連企業の販路を活用する予定である

プロジェクトの実施体制

主たる研究等実施機関 高山織物整理株式会社
事業管理機関 特定非営利活動法人ものづくり支援機構
研究等実施機関 株式会社昭栄技研
有限会社オサカベ
国立大学法人信州大学
国立大学法人愛媛大学
山梨県産業技術センター

主たる研究等実施機関 企業情報

企業名 高山織物整理株式会社
本社所在地 〒403-0004 山梨県富士吉田市下吉田1219