複合・新機能材料
更なる軽量化を可能とする熱可塑性樹脂部材の均一微細発泡化を実現する高性能発泡剤
大阪府
株式会社ヘキサケミカル
2020年4月21日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 熱可塑性樹脂部材の均一微細発泡による高強度・軽量化を可能とする高性能発泡剤の開発 |
---|---|
基盤技術分野 | 複合・新機能材料 |
対象となる産業分野 | 医療・健康・介護、環境・エネルギー、航空・宇宙、自動車、農業、産業機械、建築物・構造物 |
産業分野でのニーズ対応 | 高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(耐久性向上)、高性能化(小型化・軽量化) |
キーワード | 均一微細発泡、軽量化、化学発泡剤、コアバック成形、微分散 |
事業化状況 | 実用化に成功し事業化に向けて取り組み中 |
事業実施年度 | 平成26年度~平成28年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
航空宇宙分野および自動車分野で求められている軽量・高強度・高耐久性を実現できる構造部素材の創成を目指す。熱可塑性樹脂の化学発泡成形では、発泡セルサイズが大きく不均一であり強度に課題があった。化学発泡剤の微分散技術により高性能な発泡剤造粒品を作り、これを発泡技術に応用する。従来で達し得なかった化学発泡剤による均一微細発泡を実現し、軽量かつ高強度・高耐久性の材料を創成する
開発した技術のポイント
発泡剤および発泡造核剤の微分散技術、発泡成形材料の配合技術、および成形技術の複合最適解を求め、化学発泡剤による均一微細発泡を実現し、軽量かつ高強度・高耐久性の材料の創成を目指す
(新技術)
発泡剤および発泡造核剤の微分散技術、発泡成形材料の配合技術、成形技術の複合最適解による化学発泡剤による均一微細発泡の実現
(新技術の特徴)
・発泡剤と発泡造核剤の微分散技術、発泡温度制御技術の高度化
・発泡剤および発泡造核剤濃度、その他添加剤の選定による配合最適化
具体的な成果
・発泡剤および発泡造核剤の微分散技術の高度化により、発泡剤分散粒子径:5μM以下、発泡造核剤分散粒子径:1μM以下を満たす発泡剤および発泡造核剤造粒品の製造が可能となった
・発泡剤および発泡造核剤の微細化技術の高度化により、発泡剤粒子径:2μM以下、発泡造核剤粒子径:0.5μM以下を満たす発泡剤および発泡造核剤の製造が可能となった
・150~250℃において発泡剤の分解を制御することが可能となった
・ベース樹脂にポリプロピレンを用いた均一微細発泡成形を検討し、発泡セルサイズ:10μM台前半まで発泡微細化した発泡成形体の製造が可能となった
・発泡体での落錘衝撃強さ:4J以上の発泡成形体の製造が可能になる
・サンシャインウェザーメーター1,000時間相当経過後の引張強度保持率:90%以上を達成する発泡成形体の製造が可能となった
知財出願や広報活動等の状況
・当事業で開発した発泡剤マスターバッチの紹介記事が化学工業日報一面に掲載され、多数のお問い合わせをいただいています。
研究開発成果の利用シーン
・軽量かつ高強度・高耐久性の材料の製造が可能となるため、自動車部材に使用することで低燃費化を実現可能。
・化学発泡剤を使用しているためMuCell法微細発泡技術と比べ、設備導入コスト面でメリットがある。
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
ベース樹脂にポリプロピレン樹脂を用いた均一微細射出発泡技術の開発に成功した。事業化に向けては高倍率発泡での微細発泡技術、および種々のベース樹脂における微細発泡技術の確立が求められ、現在追加の研究開発を進めている段階です。
提携可能な製品・サービス内容
素材・部品製造、共同研究・共同開発
製品・サービスのPRポイント
・化学発泡剤による均一微細発泡を実現
‐コア部およびスキン層近傍部における発泡セルサイズの均一化
‐発泡セルサイズ:10μM台前半までの微細化
・発泡成形体の落錘衝撃強度:4J以上を実現
・発泡成形体のサンシャインウェザーメーター1,000時間相当経過後の引張強度保持率:90%以上を実現
・発泡成形体の近赤外領域における日射反射率:80%以上を実現
今後の実用化・事業化の見通し
当事業においてポリプロピレン樹脂の微細射出発泡技術の開発に成功し、多数の企業からお問い合わせをいただいています。しかしながら、ポリプロピレン以外の樹脂や成形方法を対象に要望されているものも多く、現在、追加の研究開発を進めている段階です。
実用化・事業化にあたっての課題
・発泡成形に対する顧客ニーズの把握
・ポリプロピレン樹脂以外のベース樹脂での微細発泡技術の確立
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 株式会社ヘキサケミカル |
---|---|
事業管理機関 | 公立大学法人大阪(大阪府立大学) |
研究等実施機関 | 公立大学法人大阪(大阪府立大学) 冨士色素株式会社 地方独立行政法人大阪産業技術研究所 |
アドバイザー | ユニチカ株式会社 永和化成工業株式会社 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 株式会社ヘキサケミカル(法人番号:7122001006511 ) |
---|---|
事業内容 | 色素、合成樹脂及びその応用製品の製造販売 |
社員数 | 144 名 |
生産拠点 | 〒578-0956 大阪府東大阪市横枕西10番30号 【大阪工場】〒567-0866 大阪府茨木市高浜町3-12 【茨木工場】〒350-0833 埼玉県川越市芳野台1-103-6 川越事務所 |
本社所在地 | 〒578-0956 大阪府東大阪市横枕西10番30号 |
ホームページ | http://www.hexa-chem.co.jp/ |
連絡先窓口 | 関東技術部 有川茂樹 |
メールアドレス | s-arikawa@hexa-chem.co.jp |
電話番号 | 049-211-2266 |
研究開発された技術を探す