複合・新機能材料
電磁遮蔽機能向上のための織染加工技術高度化を実現海外市場での活用に期待
東京都
株式会社Trees Network
2020年4月13日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 高い電磁遮蔽性能と透明度を有する繊維製造のための織染加工技術の高度化開発 |
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基盤技術分野 | 複合・新機能材料 |
対象となる産業分野 | 医療・健康・介護、情報通信、スマート家電 |
事業化状況 | 実用化間近 |
事業実施年度 | 平成23年度~平成24年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
本研究開発では、電磁遮蔽繊維のコア材の細線化とその織加工技術を開発し、新しいコーティング材とその染加工技術の開発を進め、かつナノファイバー技術を適用することで、織染加工技術を飛躍的に高度化する。更に、電磁遮蔽繊維を組込んだ建材のための織染加工技術の高度化開発や基本的物性値による電磁遮蔽性能の簡易予測・分析手法の開発、電磁遮蔽建材の遮蔽性能及び透視性に関する分析及び評価手法の開発も合わせて実施する。
開発した技術のポイント
導電系/非導電系素材を使用することでコア材を従来の1/3以下に細くし、開口率を30%向上させた上で、対応周波数も1桁高い帯域までカバーできるよう、導電コーティングの素材及び多層染加工を開発する
(新技術)
極細で高精細な繊維製造及び特殊コーティング技術を確立する
(新技術の特徴)
コア材の細線化、開口率30%向上、対応周波数を1桁向上させる
具体的な成果
・電磁遮蔽機能向上技術の確立
‐電磁遮蔽機能に関する高機能化のための織染加工技術の高度化開発を行った
‐新しい織染加工で製造した電磁遮蔽繊維を組み込んだ建材の高度化開発を行った
・基本的物性値による電磁遮蔽性能の簡易予測・分析手法の開発
‐42種類の素材、53種類のサンプルについて測定を実施し、線材やコーティング材としての金属の基本的物性値を把握した
‐従来のSUS、銅等非磁性金属がメインだった遮蔽素材に対し、新たに磁性素材等の可能性を見出した
研究開発成果の利用シーン
・世界最高クラスの高い電磁遮蔽性能と透明度を有する電磁遮蔽繊維
・100dB以上の高い遮蔽性能(電磁波が100億分の1以下に減衰)を有する電磁シールドルーム
・世界でも先進的な電磁遮蔽性能の精密測定
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
・電波遮蔽性能の測定及び評価方法について、光ファイバ広帯域アンテナシステムを使用した新しい手法を提案し、電気情報通信学会と日本応用物理学会で発表した
・電磁遮蔽性能や透明度を向上させるための金属素材に関する様々なデータを取得しデータベース化した
製品・サービスのPRポイント
・極細金属線で世界最高クラスの電磁遮蔽繊維を実現
‐従来の電磁遮蔽分野では限界であった線径50μmの金属線の織加工技術に対し、約1/3以下である線径16μmの織加工を達成した
・開口率大幅向上と周波数帯域の拡大を達成
‐従来の64.5%に対し、約21%向上させた79%を達成した
‐電波遮蔽性能の測定及び評価方法に関し、光ファイバ広帯域アンテナシステムを使用した新しい手法を提案し、電気情報通信学会や日本応用物理学会にて発表した
今後の実用化・事業化の見通し
・成果の一部を心臓画像クリニック飯田橋にて実用化し、2014年1月に全国テレビ放映され、全国より多数の見学者が訪れており、今後は海外市場も含めた積極的な展開を計画している
・新規市場も開拓し、スマートフォンケースを2014年春に販売開始予定である
・上記販売に向けて、知的財産(工業所有権、意匠権、商標)や契約書などを鋭意準備中である
・その他にも製品投入していく候補市場を用意しており、随時発売を開始する計画である
・市場は日本国内に限らず、広く海外まで見据えており、日本語と英語でホームページを制作中である
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 株式会社TreesNetwork |
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事業管理機関 | 公益財団法人函館地域産業振興財団 |
研究等実施機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 公立大学法人公立はこだて未来大学 道南清水サッシ株式会社 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 株式会社Trees Network |
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事業内容 | 電磁波シールド事業(電波、磁気、放射線の遮蔽)技術マーケティング、技術コンサルティング事業 |
本社所在地 | 東京都大田区田園調布3-12-11 |
ホームページ | http://www.emproof.net(2014年3月公開予定) |
連絡先窓口 | 代表取締役 齊藤健 |
メールアドレス | takeshi@saito.com |
電話番号 | 03-6715-6144 |
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