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複合・新機能材料

長期間、抗菌性・防かび性を持続する抗菌繊維の開発

北海道

寿産業株式会社

2020年3月23日更新

プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 カーシート、カーエアコンフィルター等自動車内装繊維製品の高機能抗菌化技術の開発
基盤技術分野 複合・新機能材料
対象となる産業分野 医療・健康・介護、環境・エネルギー、自動車
産業分野でのニーズ対応 高機能化(新たな機能の付与・追加)、環境配慮
キーワード 抗菌性、防かび性、防臭、環境衛生
事業化状況 実用化に成功し事業化に向けて取り組み中
事業実施年度 平成21年度~平成22年度

プロジェクトの詳細

事業概要

本研究開発では特殊ニッケル合金の抗菌素材を1μ以下まで微細化した抗菌剤をカーシート繊維原材料に練り込み、またカーエアコンフィルターに付着させ10年間以上の高い抗菌性・防かび性、高持続性を発揮する抗菌繊維の開発をする。微細化した表面積の大きい抗菌剤を露出状態で繊維に固着して抗菌性を付与させ、繊維の比表面積増大効果もたらし保温性と吸水性を増加させ、抗菌イオンを活性化する相乗効果を目指す

開発した技術のポイント

抗菌機能・防かび機能を有するカーシート、カーエアコンフィルターを試作
・抗菌剤(特殊ニッケル合金)の粒径を微細化→粒径:4μm以下
・抗菌繊維原糸の開発→太さ:5μm以下
(新技術)
<特殊ニッケル合金の抗菌素材>
・10年以上の高い抗菌性・防カビ性
・繊維の比表面積増大→保温性と吸水性を増加させ、抗菌イオンを活性化
※本製品の抗菌剤は、株式会社神戸製鋼所が開発した抗菌性特殊ニッケル合金めっき技術KINIFINE(ケニファイン)を技術導入したサッポロエレクトロプレイティング工業株式会社により製造したメッキを原料として、寿産業株式会社が特殊加工したものです。KINIFINEは株式会社神戸製鋼所の登録商標です。

具体的な成果

・粒径4μm以下の抗菌素材を開発
‐抗菌素材皮膜厚さ2μm±1μmの均一な薄膜を作成する技術を確立
‐粒径4μm以下の粉砕技術を確立
‐乾燥時における凝集問題、マスターバッチ製造時の水蒸気発生が新たな課題
・繊維と抗菌粉末の結合技術を開発
‐上記課題解決のため、凝集の起こらない粒径25μm以下の抗菌剤を重量比換算1%で繊維原料に添加し抗菌原糸を製作
‐抗菌剤をカーシート繊維原材料に練り込み、またカーエアコンフィルターに付着させ、抗菌繊維を開発
‐微細化した表面積の大きい抗菌剤を露出状態で繊維に固着し、延伸処理した結果、7.5%の比表面積増大効果
・試作品の性能試験の結果、高い抗菌性を証明
‐性能試験を抗菌不織布フィルターにおいて実施
‐結果、水洗試験において抗菌剤の付着力を確認。抗菌性試験において殺菌活性値、静菌活性値が判明した
・延伸前および延伸後の顕微鏡写真およびニッケル面分析~電子顕微鏡のからの算出により延伸後の比表面積は約7.5%増加~
・抗菌フィルターの抗菌試験結果~洗濯試験によって抗菌剤の機能が低下せず、非常に高い抗菌性を証明~

知財出願や広報活動等の状況

・出展:エコプロダクツ2010(H22.12)、nanotech2011(H23.2)
・新聞:産業新聞(H23.4)

研究開発成果の利用シーン

カーシートやカーエアコンフィルター等の繊維原材料に、特殊ニッケル合金を用いた抗菌剤を練りこむ/付着させ、抗菌性・防かび性製品を製作

実用化・事業化の状況

事業化状況の詳細

・実用化に成功、H24年度に事業化見通し
・抗菌フィルター、抗菌繊維全般のサンプルあり

提携可能な製品・サービス内容

設計・製作、素材・部品製造

製品・サービスのPRポイント

・新素材の実現:従来の無機系抗菌剤よりも10倍以上のスピードで抗菌性を発揮。かつ各種かび、藻類に対しても効果を発揮
・新素材の応用:抗菌めっき被膜を剥離し、粉砕して任意の粒度に調整し、製造時に配合することで、抗菌性を付与
・耐久性向上:10年以上の抗菌効果を発揮
・微細化:微細化することにより表面積を増大させ、さらに露出状態で繊維に固着し、抗菌特性を最大限に発揮

今後の実用化・事業化の見通し

事業化に向け、安定品質技術の確立、製造コスト低減を検討
・粉砕処理後の乾燥処理時に生じる凝集問題については、追加研究を行い、問題解決の目途がついた
・現在、試作品製造が終了し、抗菌粉末素材の安定品質技術の確立、ならびに製造コストの低減を実施
・事業化に向け、川下企業であるカーシート、カーフィルターを製造する繊維織物メーカ、不織メーカから得られる需要動向をもとに開発・販売
・抗菌繊維の開発から、波及的な技術開発を行う
・抗菌繊維による、抗菌靴下、抗菌インソール等の開発を行い、波及技術の実用化、事業化を行う

カハ゛ーソックス写真
抗菌インソール
実用化・事業化にあたっての課題

販売代理店、商社等の開拓に重点をおき、事業化を図る

事業化に向けた提携や連携の希望

事業化に向けては、販路開拓支援、商談会、ビジネスマッチング等を活用する。特定の分野、開発年度に係わらず、補助事業社間で、技術融合の可能性があるものについてビジネスマッチングの支援策等を活用する。

プロジェクトの実施体制

主たる研究等実施機関 寿産業株式会社 環境開発室 銭函工場
事業管理機関 寿産業株式会社
研究等実施機関 札幌エレクトロプレイティング工業株式会社
地方独立行政法人北海道立総合研究機構 工業試験場
アドバイザー 株式会社神戸製鋼所,函館地域産業振興財団,地方独立行政法人北海道立総合研究機構食品加工研究センター,橋本一郎商店,畑野産業株式会社,萱野織物株式会社

主たる研究等実施機関 企業情報

企業名 寿産業株式会社(法人番号:4430001006230)
事業内容 圧延誘導機器設計・製作および販売、一般機械設計・製作および販売、廃棄タイヤの再生処理機械の開発ならびに製造・販売、耐摩耗製品国内代理店、耐摩耗製品輸入代理店
社員数 68 名
生産拠点 発寒工場利府工場銭函工場
本社所在地 〒060-0033 北海道札幌市中央区北3条東2-2-30
ホームページ http://www.kotobuki-sangyo.com
連絡先窓口 環境開発室工場長 國奥秀雄
メールアドレス kunioku@kotobuki-sangyo.com
電話番号 0134-62-0123