複合・新機能材料
高容量・長寿命のリチウムイオン電池用シリコン負極材料
石川県
テックワン株式会社
2023年2月4日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 独自紡糸法による高容量・長寿命の電気自動車向けリチウムイオン電池用シリコン負極材料の研究開発 |
---|---|
基盤技術分野 | 複合・新機能材料 |
対象となる産業分野 | 自動車、電池 |
産業分野でのニーズ対応 | 高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(小型化・軽量化) |
キーワード | EV、LIB、Si |
事業化状況 | 事業化に成功 |
事業実施年度 | 平成30年度~令和2年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
テックワン(株)が繊維業界で培った紡糸技術、熱処理工程や粉砕工程を含む特許取得済の新規製法を用いて、従来より小さな1μm以下のSiO集合体を作製し、これを用いた革新的シリコン系負極材料を提案している。
本研究では、このSiO集合体を使い、川下企業の要望を満たす電池容量やサイクル特性を持った材料設計と、製造コストの低減を目的とした。
開発した技術のポイント
SiO単体ではなく、黒鉛との複合体構造を採用することで、放電容量とサイクル特性の目標を達成した。また工程のうち、原価の高い部分を可視化し、3年かけて合理化することで原価を大幅に低減し、リチウムイオン電池の負極材料として最適なシリコン系負極材を開発することができた。
具体的な成果
1.放電容量とサイクル特性の向上
目標:容量:600mAh/g以上、サイクル特性:80%以上
実施結果:容量:1007mAh/g、サイクル特性:98.6%
2.製造原価の低減
目標:製造コストを50%以下に低減
実施結果:製造コストを48.4%に低減した
知財出願や広報活動等の状況
これまでに登録した国内外の特許権を活用するとともに継続して国内外への特許出願を行う。並行して他社登録特許に抵触していないか(パテントクリアランス)も継続して確認する。
研究開発成果の利用シーン
国内・海外(特に中国・韓国)の電池メーカーに対して、高性能なリチウムイオン電池の負極材料として提供する。
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
国内ユーザーに関しては学会発表や展示会を通じてサンプル提供を行う。海外ユーザーに関しては既に現地メーカーと取引を行っている商社を通じて商品紹介・サンプル提供を行う。必要に応じて現地メーカーとの面談に同席し技術サポートを行う。
提携可能な製品・サービス内容
製品製造、技術ライセンス
製品・サービスのPRポイント
従来のシリコン系負極材と比較してSiOの粒径が小さいので充放電に伴う体積変化が小さくサイクル特性が良い、即ち電池寿命が長い。汎用設備を組み合わせた新規プロセスのため価格競争力が高い。
今後の実用化・事業化の見通し
本事業は競合との優位性から、コスト面も含めて市場導入の可能性が高い。海外川下企業には商社との協業により販路開拓の加速と共に商社が培ったブランド・信用力を活用する。国内川下企業は海外に比べて採用のハードルが高く採用までの期間も長い。黒鉛系負極剤メーカーと協業する。黒鉛系負極剤メーカーは国内川下企業に黒鉛負極を販売しているため、混合品として提案してもらうことで採用までの期間を短縮する。
実用化・事業化にあたっての課題
研究開発後の課題として、初期効率の向上が挙げられる。引き続き基礎検討から行う予定。
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | テックワン株式会社 |
---|---|
事業管理機関 | 公益財団法人石川県産業創出支援機構 |
研究等実施機関 | 国立大学法人北陸先端科学技術大学院大学 国立研究開発法人産業技術総合研究所 国立大学法人信州大学 石川県工業試験場 |
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | テックワン株式会社(法人番号:7220001012817) |
---|---|
事業内容 | 繊維業 |
社員数 | 160 名 |
本社所在地 | 〒929-0124 石川県能美市浜町ヌ161-4 |
ホームページ | http://www.tecone.co.jp/ |
連絡先窓口 | 研究センター長 北野 高広 |
メールアドレス | t-kitano@tecone.co.jp |
電話番号 | 090-4329-5099 |
研究開発された技術を探す