立体造形
高耐熱性セラミックス坩堝及びマイクロ引き下げ装置により、難加工性イリジウム合金線材の低コスト生産技術が実現!
福島県
株式会社スター精機
2022年1月28日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 難加工性機能性合金の形状制御結晶育成技術の開発 |
---|---|
基盤技術分野 | 立体造形 |
対象となる産業分野 | 医療・健康・介護、自動車、農業、産業機械、半導体、工作機械 |
事業化状況 | 実用化に成功し事業化に向けて取り組み中 |
事業実施年度 | 平成23年度~平成25年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
自動車のスパークプラグ用イリジウム合金や医療機器用ガイドワイヤーやステント用のニチノール等形状記憶合金は高特性にも関わらず、加工性の悪さゆえ製造コストが高く事業化を妨げている。我々はこれら機能性合金のニアネット形状の結晶をマイクロ引下法によりシングルプロセスで作製する技術を開発する。具体的には坩堝用高強度不揮発性セラミックス材料、及び、その加工技術を開発し、機能性合金の形状制御育成技術を確立する
開発した技術のポイント
2,400度もの高温において高強度かつ不揮発性を有するセラミックス材料及びその坩堝を開発するとともに、形状制御用マイクロ引き下げ装置とその装置を用いたイリジウム合金を線形に製造する技術を開発する
(新技術)
高強度不揮発性セラミックス材料及びその坩堝、難加工性合金を線材化可能な装置および製造技術をイリジウム合金線材の生産に用いる
(新技術の特徴)
・坩堝下部の穴形状等に応じた様々な形状の難加工性合金の作製が可能になる
・約2,400度の高温下でのμ-PD法を利用した形状制御結晶の育成が可能になる
・これらの技術により、難加工性イリジウム合金の細径化技術が実現し、イリジウム合金線材の低コスト化が可能になる
具体的な成果
・機能性合金材料の形状制御結晶育成用坩堝材の開発
‐イリジウム合金を安定して溶融することが可能な、新規セラミックス材料の開発に成功した
・機能性合金材料の形状制御結晶育成用坩堝材の加工技術の開発
‐確立した切削加工条件をもとに、イリジウム合金の形状制御結晶が作製可能な坩堝を開発した
・機能性合金材料の形状制御結晶育成技術の開発
・形状制御した機能性合金の特性評価
‐上記技術で作製したイリジウム合金線材が従来品を超える高い結晶特性を発揮することを確認した
研究開発成果の利用シーン
・高温下でも長寿命で不揮発性を有するセラミックス材料とその材料を用いて作製した坩堝
・上記のセラミックス坩堝から、形状制御イリジウム合金線材を低コストで生産・育成できる装置
・上記の装置や材料から生産される、細径イリジウム合金線材
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
・当初の目標である、2,400度近傍において高強度で不揮発性のセラミックス材料、及びそれを用いた形状制御結晶育成が可能な坩堝の開発を達成した
・100個口と数量がまとまった場合、新規セラミックス材料を坩堝1つ分あたり5,000円の価格で販売することが可能になると分かった
製品・サービスのPRポイント
・細径化されたイリジウム合金の、安価かつ高い歩留まりでの生産が実現される
‐2,400度もの高温下で高い強度・不揮発性を示すセラミックス材料を開発した
‐上記のセラミック材料を用いて作製した坩堝によって、難加工性イリジウム合金を細径化させる製造過程における欠品率が低減し、歩留まりの向上につながった
‐上記のセラミックス材料の切削加工条件の最適化を行い、それを用いた形状制御イリジウム合金線材の効率的な作製が可能な坩堝を開発したため、材料費の低下につながった
‐上記の形状制御イリジウム合金線材を、十分な品質を維持したまま大量に生産できるマイクロ引き下げ装置を開発したため、製造コストや人件費の削減に貢献できる可能性がある
・イリジウム合金線材の製造コスト低減によりスパークプラグの着火性向上が実現し、売上増加に寄与する
‐細径化されたイリジウム合金線材が一工程で製造できるようになり、細線化に要するコストの削減が実現した
‐自動車業界で望まれている、着火性の高いスパークプラグ及びその生産に貢献できるイリジウム合金線材を安価かつ大量に提供できるようになるため、売上が増加する
今後の実用化・事業化の見通し
・サポイン事業の中で開発した試作装置にはまだ改善点があるため、今後もアドバイザー等の要求値をクリアするための検討を継続していく予定である
・イリジウム合金線材の製造コストをさらに低減させるため、一工程で育成可能な線材の長尺化および製造速度の更なる高速化を目指す
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 株式会社スター精機 |
---|---|
事業管理機関 | 国立大学法人東北大学未来科学技術共同研究センター |
研究等実施機関 | ティーイーピー株式会社 株式会社東栄科学産業 国立大学法人東北大学 国立大学法人東北大学未来科学技術共同研究センター |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 株式会社スター精機 |
---|---|
本社所在地 | 〒976-0006 福島県相馬市石上字南蛯沢 390 |
研究開発された技術を探す