立体造形
環境負荷低減とエネルギー効率向上を目指す自硬性プロセスによるワンサンド造形技術の確立
秋田県
秋木製鋼株式会社
2020年3月27日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | エネルギー効率向上を目指した発電用新材質の鋳造技術の開発 |
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基盤技術分野 | 立体造形 |
対象となる産業分野 | 産業機械、工作機械 |
事業化状況 | 実用化に成功し事業化間近 |
事業実施年度 | 平成21年度~平成21年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
地球温暖化の主原因である二炭化炭素の排出量の削減を目的に、電気事業者はエネルギー効率の向上を図っている。その目標値を達成するためには、蒸気タービン入り口における蒸気温度と蒸気圧を向上させる必要があり、その要求仕様に耐え得る新鋳造材料、新鋳造技術の開発が求められている。本開発では、高温・高圧雰囲気で剛性と靱性に優れた新たな鋳物材質の開発と、その鋳造方案及び熱処理技術を含んだ鋳造技術の開発を行う
開発した技術のポイント
エネルギー効率向上を目指すための最適な鋳物材質と鋳造技術の開発
・材質、部品形状、重量、熱処理条件と熱処理品質の追求
→クリープ強度1,073Kにおいて80MPa、1,000時間を満たす材質
・最適粒度調整技術および凝固時の偏析抑制技術の開発
→差込欠陥の防止とデルタフェライト析出の防止
・アルミナ系人工砂を使用したワンサンド造形技術の確立
→造形時間を従来技術による32時間から1/5にまで短縮
(新技術)
自硬性プロセスによるワンサイド鋳型造技術
・アルミナ系人口砂の使用による一段階のプロセス
(特徴)
・造形時間32時間を1/5に短縮
・試作時間3日を1日に短縮
・差し込みがなく焼き付き欠陥がない
・鋳型強度が高く寸法精度が良い
・フェライト析出が少ない
具体的な成果
・材質の強度向上に関わるクリープ特性の向上において十分なレベルを確保
‐クリープ強度1,073Kにおいて80MPa、1,000時間を満たす材料特性には未到達だが、川下企業の条件は十分に満たすレベルを確保
‐熱処理条件のシミュレーション解析において製品全体がマルテンサイトに変態することを確認
・最終熱処理後のデルタフェライト析出量0%を達成
‐クリープ強度と靭性を低下させるデルタフェライトについて、凝固シミュレーション実施により最終熱処理後のデルタフェライト析出量0%を達成
・ワンサンド鋳造技術により品質確保と工程時間短縮を実現
‐アルミナ系人工砂を使用したワンサンドシステム造型法により、鋳造後製品において差込がなく焼き付きの改善を確認
‐従来の三段階鋳型造型法では32時間であったトータル工程時間を1/5の6時間に短縮
‐鋳型強度が従来方法と比べ約4倍になり、高い寸法精度も実現。製品重量も設計重量との差0.5%を達成
研究開発成果の利用シーン
火力発電プラント部品のうちで最も高温・高圧の蒸気を受ける容器に利用され、熱効率を40%から46~48%まで向上させる
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
・H24年度に実用化に成功
・試作品あり(無償)
製品・サービスのPRポイント
・強度:従来比10倍のクリープ強度
・精度向上:寸法精度95%~100%
今後の実用化・事業化の見通し
改善のための研究を継続し、H24年度の実用化と他業界への販路開拓を狙う
・製品の化学成分について、コストダウンのための化学成分範囲の検討を川下企業と協議、継続中
・最適結晶粒において目標の粒径を得るために改善の研究を継続中
・H24年10月の実用化を目指し、実用化後は他の川下企業へも販路開拓を狙う
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 秋木製鋼株式会社 |
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事業管理機関 | 公益財団法人あきた企業活性化センター |
研究等実施機関 | 秋田県産業技術センター |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 秋木製鋼株式会社 |
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事業内容 | 機械器具製造 |
本社所在地 | 〒016-0814 秋田県能代市中川原26 |
ホームページ | http://www.akimoku.co.jp |
連絡先窓口 | 鋳造担当副工場長 小野幸夫 |
メールアドレス | sachi@akimoku.co.jp |
電話番号 | 0185-52-6311 |
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