複合・新機能材料
繊維状有機物を原料にした固体高分子形燃料電池用ガス拡散層を開発、ガス拡散層の薄型化と紙厚の均一化を実現
岐阜県
明智セラミックス株式会社
2020年3月24日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 炭化紙を利用した固体高分子形燃料電池用ガス拡散層の開発 |
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基盤技術分野 | 複合・新機能材料 |
対象となる産業分野 | 環境・エネルギー、自動車、電池 |
事業化状況 | 実用化間近 |
事業実施年度 | 平成23年度~平成25年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
美濃和紙の機械抄紙技術の厚さ制御・重量制御・生産性を活用し、炭素繊維でなく繊維状有機物を原料に紙を抄紙後、炭素化する方法を用い、その抄紙工程と炭素化工程を高度化する。これにより固体高分子形燃料電池用ガス拡散層に要求される基本性能(導電性、ガス透過性、排水性)を維持しつつ、燃料電池の軽量化・コンパクト化・低コスト化に対応した、薄い、厚さのバラツキの少ない、軽い、生産性の高いガス拡散層を開発する
開発した技術のポイント
多様・高度な電気特性等を簡便に付与するための織染技術を開発し、燃料電池の軽量化・コンパクト化・低コスト化に対応した、薄く、厚さのバラツキが少なく、軽く、生産性の高いガス拡散層を開発する
(新技術)
・和紙を炭素化して炭化紙を製造する新技術を、安定度と高
生産性に裏付けられた低コスト化が可能な製造技術へと発展させる
(新技術の特徴)
ガス拡散層に要求される導電性、ガス透過性、排水性等を考慮した原料の選択等ユーザーの要求に対する対応が容易になる
具体的な成果
・ガス拡散層の薄型化および厚さのバラツキの低減、軽量化への対応
‐紙の設計および試作を実施し、紙厚の均一化技術を確立した
‐炭化処理の最適化技術、黒鉛化処理の最適化技術を確立した
‐製造工程における分析・評価とともに、固体高分子形燃料電池の発電評価を実施した
・ガス拡散層の生産性の向上への対応
‐高生産性処理方法を開発した
‐高生産性炭化処理装置を開発した
研究開発成果の利用シーン
・繊維状有機物を原料にしたガス拡散層
・抄紙
・有機物系シート材料の炭化処理サービス
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
・サポイン事業を通じて実用化に向けた開発を実施する段階に到達した
・試作したユーザー評価用ガス拡散層はユーザーによるPEFC発電性能評価を実施し、今後、さらなる作り込みを行い、その実用性を確認して事業化につなげる予定である
製品・サービスのPRポイント
ガス拡散層の「薄型化」、「厚さのバラツキの低減」、「軽量化」、及び「生産性」の向上で、利用シーンの拡大に貢献
・炭素繊維ではなく、繊維状有機物を原料に紙を抄紙後、炭素化する高生産性炭化処理装置により、固体高分子形燃料電池用ガス拡散層の軽量化・コンパクト化・低コスト化に対応した、薄く、厚さのバラツキが少なく、軽く、生産性の高いガス拡散層を開発した
今後の実用化・事業化の見通し
燃料電池車市場への導入以降の燃料電池普及拡大期における部材供給を目指し、ユーザーによるPEFC発電性能評価を実施中である
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 株式会社テックオン |
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事業管理機関 | 公益財団法人岐阜県研究開発財団 |
研究等実施機関 | 明智セラミックス株式会社 有限会社エム・イー・ティー 岐阜県産業技術総合センター あいち産業科学技術総合センター |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 明智セラミックス株式会社 |
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事業内容 | 耐火煉瓦、その他耐火物の製造及び販売鋳造用各種機器及び設備の製造及び販売 |
本社所在地 | 〒509-7795 岐阜県恵那市明智町1614 |
ホームページ | http://www.tyk.co.jp/01CompanyInfo/cont05.html |
連絡先窓口 | 炭素材料研究所新素材チーム 松江和人 |
メールアドレス | k.matsue@tyk.jp |
電話番号 | 0573-54-2449 |
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