バイオ
麩製造過程副産物のデンプンを原料に、低コスト、高純度、安全な機能性環状オリゴ糖(CI)の製造・精製技術を確立
沖縄県
株式会社トロピカルテクノセンター
2020年3月19日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 製麩副産物からの機能性環状オリゴ糖製造技術の開発 |
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基盤技術分野 | バイオ |
対象となる産業分野 | 食品、化学品製造 |
事業化状況 | 実用化間近 |
事業実施年度 | 平成22年度~平成24年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
抗う蝕作用の特徴をもつ機能性環状オリゴ糖(CI)は、精製グラニュー糖を原料に製造されているが、原料コストが高い上、副生成物が多いため分離精製にコストを要し、CIの純度が低くなる課題があった。そこで、安価な製麩副産を原料として用い、これまでと全く異なる製造方法で、高品質・高純度・低価格だけでなく、抗う蝕作用に加えて高純度CIに特徴的な新たな「包接機能」にも優れたCI含有素材の製造技術開発を目指す。
開発した技術のポイント
精製グラニュー糖の替わりに、原料コストが安価である麩を精製する際の副生成物デンプンを用いた高純度C(I純度≧50%)の製造・精製工程に係る技術を開発する
(新技術)
・安価なデンプンを原料にCIを製造する
・酵素力価の高い菌株の選抜及び保存方法と品質安定化ノウハウを構築する
・包接機能を有す高純度CIが提供可能である
(新技術の特徴)
・高純度CI製造の低コスト化を実現する
・酵素の生産・保存の安定化を可能にする
・食味改善効果、退色遅延効果、安全性を確立ができる
具体的な成果
・デンプンを用いたCIの生産技術を確立
‐選抜菌株由来酵素を用い、デンプン原料CI生産の最適化条件を確立し、ショ糖原料の製法と比較し効率的にCIを生産可能となった
‐樹脂による精製が不要なため、高純度CIを低コストで生産可能となった
・高効率なCI生産技術を確立
‐酵素力価の高い菌株を選抜、最適な培養方法や酵素の保存法を検討し、酵素生産安定化を確立した
・従来より優位な包接機能を検証
‐既知包接剤と比較し、味のマスキング、風味改善効果、退色遅延効果を検証
研究開発成果の利用シーン
・機能性環状オリゴ糖
・包接機能素材
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
・選抜菌株による実製造水準でのCI生産が可能となった
・高純度CIの量産化には、デンプン残渣除去のための冷却沈殿設備の投資が課題である
製品・サービスのPRポイント
・高純度CIを低コストで提供可能
‐生産コストが安価な麩の製造過程の副生成物デンプンより製造する技術を確立した
‐CI生産転換率を上げることで生産効率が上昇した
‐精製技術の開発で、従来より純度の高いCIの製造が可能となった
・動物試験による安全性の検証
‐小麦由来のデンプンを原料に生産されたCIの安全性の検証を行った
‐具体的には、動物試験による急性毒性・28日間反復投与による試験を実施し、安全性を確認し
・高純度CIの高効率精製が可能
‐樹脂による不純物・灰分処理が不要なため、従来より労力のかからない高効率な精製方法を確立した
今後の実用化・事業化の見通し
・CIの製造技術は株式会社シー・アイ・バイオから株式会社シーアイテクノへ移転し、CIを主にペットケア製品として活用し、事業展開している
・当社は、2012年10月に設立した会社であるため、当面はペットケア製品を主力に事業を進める
・デンプンを原料とした高純度CIの製造販売は、会社が軌道に乗り、事業拡大の際に検討予定としている
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 株式会社トロピカルテクノセンター |
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事業管理機関 | 株式会社トロピカルテクノセンター |
研究等実施機関 | 株式会社シー・アイ・バイオ 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構畜産研究部門 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 株式会社トロピカルテクノセンター |
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事業内容 | 熱帯・亜熱帯地域生物資源高度利用技術開発、熱帯・亜熱帯地域微生物資源高度利用技術開発、エネルギー・環境資源高度利用技術開発、生物遺伝子資源高度利用技術開発 |
本社所在地 | 沖縄県うるま市字州崎12-75沖縄健康バイオテクノロジー研究開発センター内 |
ホームページ | http://www.ttc.co.jp/ |
連絡先窓口 | 事業推進部 渡嘉敷唯章 |
メールアドレス | toka@ttc.co.jp |
電話番号 | 098-982-1100 |
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