複合・新機能材料
高周波誘導加熱装置を開発、TiNi系合金素材の更なる高強度化実現のための熱処理を可能に
大阪府
フルテック株式会社
2020年3月19日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 高度医療用形状記憶ガイドワイヤーの高性能化に適した真空熱処理炉の開発 |
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基盤技術分野 | 複合・新機能材料 |
対象となる産業分野 | 医療・健康・介護、半導体 |
事業化状況 | 実用化に成功し事業化間近 |
事業実施年度 | 平成22年度~平成24年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
金属材料の強度・延性を支配する「焼入れ熱処理性能」の向上と安定化を目指し、1300℃付近の高温・高真空雰囲気からの直接水焼入れ処理を可能とし、かつ材料の酸化を抑えるため、各部にて真空度を制御した加熱/焼入れゾーンの連続一体型高真空熱処理炉を開発する.性能検証に関して、高度医療用TINI合金ガイドワイヤーを用いて、エンドユーザーである医療機器メーカにて実装評価を行い、本開発炉の構造・仕様を適正化する
開発した技術のポイント
現行製品に用いられているTiNi(チタン・ニッケル)系形状記憶合金の内部に、高強度・高剛性を特徴とするカーボンナノチューブ(CNT)あるいは酸化物粒子(TiO2)を強化第2相として均一に分散する。同時に、形状記憶熱処理により超弾性特性を兼ね備えた高度医療デバイス用TiNi系合金素材の更なる高強度化を実現するための新規な真空熱処理炉を開発する
(新技術)
高温・高真空雰囲気からの直接水焼入れ処理技術を開発する
(新技術の特徴)
高速昇温が可能で、水焼入れゾーン内での真空度の安定維持を実現する
具体的な成果
・高効率で廉価な高周波誘導加熱装置の開発
-コスト削減の観点から自主製作し、主体構成部品となる発振回路は既製の電磁調理器に使用されている廉価な装置を改良して使用した
・炉内真空度の低下防止機構及び光センサーとゲートバルブの連動機構による高速開閉式ゲートの開発
-TiNi系形状記憶合金の溶体化熱処理を行う高温真空雰囲気から水焼入れ処理が可能であり、その際に発生する水蒸気による後続の加熱過程での試料の酸化現象を防止する連続式高真空熱処理炉を開発した
研究開発成果の利用シーン
・真空熱処理炉
・超省エネ型電気炉
・高周波誘導加熱電源
・超小型電気炉(3分で1200℃)
・超小型真空雰囲気炉
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
・高周波電源を開発、目標の昇温速度「20分で1200℃」を達成し、電源のパイロット販売を行い3台販売した(平成23年度)
・新型Sic発熱体を開発、目標昇温速度「12分で1300℃」を達成したその技術を応用し、「15分で1700℃」を達成、電気炉を開発した(日刊工業新聞2013年11月8日)
・省エネの研究も同時に行い、従来の1/3の電力で済む省エネ電気炉を開発、パイロット販売で30台販売した
・派生構築技術を改良し、「3分で1200℃」を達成し、「超小型電気炉:手のひら電気炉」を開発した超低価格を実現し、販売した(日刊工業新聞2013年11月8日)
・手のひら電気炉を開発したところ大反響を呼び、1カ月で約100台の販売を達成した(平成25年12月1日)
製品・サービスのPRポイント
・高速加熱が可能な超小型電気炉を低価格で提供可能
-当初の目標である「20分間で1200℃達成」に対して「3分間で1200℃達成」に成功した
-派生技術より生まれた「3分間で1200℃」の超小型電気炉を2013年11月より10万円以下で販売した実績がある(手のひら電気炉)
・従来製品と比較し、汎用性のある設備仕様
-内部雰囲気について、従来のアルゴン、窒素、真空に加えてグリーンガスが使用できる加熱炉構造体を開発し、TiNi合金のみならず、汎用鉄鋼材料やステンレス鋼材などへも適用できる設備仕様とした
・重要課題であった遮蔽音を半分に低減
-重要課題であったゲートバルブの遮蔽音に対して1/2まで低減できた
-また、稼働時における異音は完全に解消でき、製品としての基本性能は全て満足した
今後の実用化・事業化の見通し
・真空熱処理炉の市場調査を行った結果、ニーズとして小型化、低価格のものをエンドユーザーが要望しており、本命の装置は平成26年8月頃を目標に発売する予定である
・高周波誘導加熱電源と新開発のSic(炭化珪素)発熱体の組合せによる超省エネ電気炉は平成25年7月より販売を開始した
・派生技術より生まれた「3分で1200℃」に達する超小型電気炉は、10万円以下で平成25年11月発売し、エンドユーザーから最高の評価を得、1カ月で100台強の売り上げを出し、現在も売れ続けている
・平成26年より、この超小型シリーズの真空炉を低価格で販売すべく計画している
・サポインで開発出来た「クエンチング電気炉」の拡販を行う
・派生技術を応用した各種小型・低価格の電気炉の開発と販売を伸長させる
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | フルテック株式会社 |
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事業管理機関 | 国立大学法人大阪大学 |
研究等実施機関 | 国立大学法人大阪大学 接合科学研究所 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | フルテック株式会社 |
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事業内容 | 精密電気炉・半導体関連装置・各種制御盤の研究開発/設計/製造販売 |
本社所在地 | 大阪府八尾市太田4丁目141番地 |
ホームページ | http://www.full-tech.co.jp |
連絡先窓口 | 営業技術部 |
メールアドレス | sales-head@full-tech.co.jp |
電話番号 | 072-920-3400 |
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