複合・新機能材料
軽量・高強度な炭素繊維複合材料を安価に提供し、製品ラインナップの増強やコスト削減へと貢献!
石川県
テックワン株式会社
2020年4月12日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 車両用部材の多品種中小ロット生産に対応した連続炭素繊維強化熱可塑性樹脂シートの開発 |
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基盤技術分野 | 複合・新機能材料 |
対象となる産業分野 | 医療・健康・介護、環境・エネルギー、自動車、ロボット、産業機械、スマート家電、エレクトロニクス |
産業分野でのニーズ対応 | 高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(耐久性向上)、高性能化(小型化・軽量化)、デザイン性・意匠性の向上 |
キーワード | 軽量化、熱可塑樹脂、耐久性、意匠 |
事業化状況 | 研究実施中 |
事業実施年度 | 平成23年度~平成25年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
部品点数の多い車両部材は、金属よりも軽量で同等の加工時間が可能となる繊維強化複合材料と成形技術が求められている。従来検討されている熱硬化性樹脂は軽量化に貢献するが、成形時間短縮に課題がある。当事業では、織染技術を高度化させ、高強度化、高効率、低コストに繋がり、多品種中小ロット向けのプレス成形が可能となる炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材料(連続炭素繊維スタンパブルシート)の開発を行う
開発した技術のポイント
連続炭素繊維織物と熱可塑性樹脂の組み合わせによる炭素繊維複合材料を開発ターゲットとし、鉄代替材料として、高強度な部材を低コストで生産する技術を確立すると共に、次世代輸送車両への適用を目指し、多品種生産への対応技術を検討し、事業展開を図る
(新技術)
熱可塑性樹脂を連続炭素繊維で強化することで炭素繊維複合材料を生産する
(新技術の特徴)
・軽量な車両部材の開発が可能になる
・強度が高くかつ量産が可能な炭素繊維複合材の生産が可能になる
・炭素繊維の強度と美しい織目を活かした部材の開発が可能になる
具体的な成果
・構造部材用スタンパブルシートの開発
‐炭素繊維織物の織組織と前処理の検討、押出ラミネート法による炭素繊維織物への熱可塑性樹脂含浸性の向上、スタンパブルシートの連続的な成形条件の確立、構造部材用スタンパブルシートとしての評価等を実現した
・低圧プレス成形による技術の確立
‐スタンパブルシートを用いた低圧プレス成形技術の確立、及び成形品が従来品に比べて軽さ・曲げ強度の点で優れていることの確認を行った
研究開発成果の利用シーン
・車両用部材の多品種中小ロット生産に対応したスタンパブルシート(連続炭素繊維強化熱可塑性樹脂シート)上記のスタンパブルシートを用いて生産される様々な部材
・上記のスタンパブルシートを用いて生産される様々な部材
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
・車両部材を熱可塑性CFRP化するだけでなく、中間基材のスタンパブルシート(CF-SS)も販売戦略の中に組み込むことができるようになったので、サンプルを供試し、販路開拓に向けた取り組みを行っている
・加熱積層型ロールプレス成形で連続的に製造したCF-SSを車両用途、産業機械用途等に5企業へ供試し、従来方法であるフィルムスタッキング法のCF-SSとの比較検討を行ってもらっている
・JIS、ISOの規格制定の為にCF-SSの供試を依頼され、デファクトスタンダードにつながる評価を得た
提携可能な製品・サービス内容
素材・部品製造、共同研究・共同開発
製品・サービスのPRポイント
・炭素繊維複合材料の強度向上を通じて、適用用途の拡大へと貢献
‐熱可塑性樹脂を用いた炭素繊維複合材料を部材として適用することで、車両の軽量化と強化の両立を図ることが可能である
‐連続炭素繊維を用いた炭素繊維複合材料を適用することで、高強度の車両部材が開発できるため、従来よりもさらに安全性が求められる用途においても利用が可能である
‐結果、用途が拡大することによって売上の拡大も期待される
・車両部材の低コスト化を実現
‐従来高価であったスタンパブルシートの成形時間が短縮され、低コストで生産できるようになった
‐従来と比較して、スタンパブルシートを用いる車両部材への安価な原材料提供が可能であるとともに、品質を落とさずに製品の提供が可能である
今後の実用化・事業化の見通し
・従来方法のフィルムスタッキング法より、本事業で行った加熱積層型ロールプレス成形法で作製したCF-SSの方がコスト的に安くすることができるため、今後は車両メーカーや産業機械メーカーへも本事業で連続的に製造したCF-SSを供試していく予定である
・サポイン事業を実施している車輛部品関係の会社2社と交流があるため、本事業の成果をこれらの企業で行っているサポイン事業へ波及・フィードバックすることで、お互いにさらなる技術向上を目指す
・コストへ大きく寄与する、ラージトウによるコストダウンと連続成形法によるCF-SSのコストダウンについては、今後の研究・開発を通じて実現を目指す
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 優水化成工業株式会社 石川工場 テックワン株式会社 |
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事業管理機関 | 公益財団法人石川県産業創出支援機構 |
研究等実施機関 | テックワン株式会社 研究センター 惣川 武勇、石田 応輔 優水化成工業株式会社 石川工場 曽原 隆夫、柏崎 雅彦 一村産業株式会社 先端材料開発部 川村 浩隆 石川県工業試験場 次世代技術開発支援室 奥村 航、木水 貢 学校法人金沢工業大学 斉藤 博嗣、 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | テックワン株式会社(法人番号:7220001012817) |
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事業内容 | 合繊織物染色整理加工、高機能フィルムの製造及びラミネート加工 |
社員数 | 170 名 |
生産拠点 | 本社・工場:石川県能美市浜町ヌ161-4研究センター:石川県能美市旭台2-14 |
本社所在地 | 〒929-0124 石川県能美市浜町ヌ161-4 |
ホームページ | http://www.tecone.co.jp/ |
連絡先窓口 | 研究センター 惣川 武勇 |
メールアドレス | t-sogawa@tecone.co.jp |
電話番号 | 0761-48-4225 |
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