立体造形
天然由来の多糖類を粘結剤とした鋳型材料と過熱水蒸気を利用した鋳型造型法により、低環境負荷の鋳型造型を実現!
大阪府
リグナイト株式会社
2021年2月19日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 天然由来物を粘結剤とした環境調和型エコ鋳型とその造型方法の開発 |
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基盤技術分野 | 立体造形 |
対象となる産業分野 | 環境・エネルギー、自動車 |
産業分野でのニーズ対応 | 高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(耐久性向上)、環境配慮、低コスト化 |
キーワード | 新鋳型鋳型造型法、鋳物用糖類鋳型、過熱水蒸気 |
事業化状況 | 実用化に成功し事業化に向けて取り組み中 |
事業実施年度 | 平成22年度~平成24年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
鋳型材料(RCS)の粘結剤として使用されるフェノール樹脂は、鋳型の造型時並びに金属の鋳造時に臭気の強いガスや有害性のガスを多く発生させており、環境の改善が強く求められている。造型時や鋳造時に殆ど有害性のガスが発生しない天然由来物のデキストリンを粘結剤としたRCSを開発する。また、デキストリンの糊化と鋳型の造型を効率的に行うため、過熱水蒸気を利用した新しい鋳型造型法を開発する。
開発した技術のポイント
天然由来物を粘結剤とした鋳型材料の開発と鋳型造型法を開発する
(新技術)
天然由来物である多糖類を粘結剤に使用した新しい粘結剤と鋳型造型法の組み合わせによる新技術を開発する
(新技術の特徴)
「低コスト」、「高品質」、「環境改・善」実現が可能になる
具体的な成果
・多糖類を粘結剤としたRCSの開発
-多糖類の特徴に適した骨材の砂温を見極めることで流動性の高いRCSを調製した
・造型鋳型の不溶・不融化
-粘結剤への疎水化付与や架橋構造の取り込みによる不溶化を行った
・鋳型の造型法の理論構築と造型方法の確立
-多糖類を粘結剤として調製したRCSを使用して鋳型を得るため、過熱水蒸気を使用する研究を実施した
・鋳造試験の実施と検証
知財出願や広報活動等の状況
特許出願数 5件
学会発表件数 19件
専門誌発表件数 2件
研究開発成果の利用シーン
・繰り返し生産が可能な天然由来の多糖類をベースとした粘結剤と鋳型材料
・過熱水蒸気を搭載した鋳型造型機(垂直割、水平割)の高効率な造型サイクルの総合プロデュース
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
3年間のサポイン事業への取り組みにより、「天然由来物である多糖類を使用したRCSの開発」と「過熱水蒸気による鋳型造型法の開発」は要素技術を確立するまでに至った
提携可能な製品・サービス内容
共同研究・共同開発、技術ライセンス
製品・サービスのPRポイント
・輸送や管理が楽で、造型時の充填不良を抑制
-多糖類が均一に被覆された流動性の高い乾態状態のRCSの製造に成功した
・注湯時の変形等を抑制でき、低圧鋳造にも期待可
-粘結剤の糊化作用により、鋳型内部まで完全固化および硬化した鋳型を造型可能である
・工場内及び工場周辺への環境対策活用可能
-鋳型造型時のみならず、金属の注湯時にもアンモニアをはじめとする臭気性ガスの発生がほとんどなく、替わりに糖類特有の甘い香りがほのかにする
今後の実用化・事業化の見通し
・天然由来物である多糖類を使用した鋳型は、シェル鋳型等に比べて臭気が少なく、しかも有害性ガスを発生させないことや、また、易崩壊性の鋳型であることをアピールする必要がある
・川下製造業者へ積極的に売り込むため、本鋳型造型機での造型試験のパフォーマンスを行い、直に臭気の違いを実感して貰う予定である
・鋳型の崩壊性の良さを強調し、鋳物の砂落とし工程の短縮・簡略化などトータルなメリットを提案する予定であるとともに、鋳型の造型から鋳物の最終製品に至るまでのトータルな長所を全面に出して強調し、早期の事業化への実現に向け普及を図っていくことを想定している
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | リグナイト株式会社 |
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事業管理機関 | 公立大学法人大阪市立大学 |
研究等実施機関 | 公立大学法人大阪市立大学 大学院工学研究科 |
アドバイザー | 関西大学 ㈱大阪シェル 野村技巧㈱ 日澱化學㈱ アイシン高丘㈱ |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | リグナイト株式会社(法人番号:8120001168494) |
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事業内容 | 自動車部品などシェルモールド鋳造用の粘結剤およびレジンコーテッドサンド(RCS)の製造、ギヤーやローラーなど樹脂加工品、「LPS」「GPS」などの特殊樹脂や複合材料等、フェノール樹脂を中心とした商品の開発・製造 |
社員数 | 66 名 |
本社所在地 | 〒592-8331 大阪府堺市西区築港新町2-5 |
ホームページ | http://www.lignyte.co.jp |
連絡先窓口 | 開発部部長 井出勇、開発部課長 西田 |
メールアドレス | i.ide@lignyte.co.jp |
電話番号 | 072-243-1524 |
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