研究開発された技術紹介

情報機器においては、小型携帯無線通信機器、医療分野においては、高度な施術機器の需要増大から、小型複雑形状に対応し、高強度・高耐磨耗性・磁性材料による高機能マイクロ部品のニーズが高まっている。本研究開発の試作ターゲットとして「マイクロギア」「高周波スイッチ」を選定し、小型高機能化に対応し省資源に資する製造技術として「マイクロパウダーデジタルプロセッシング」の研究開発を行う

高精度原料粒子の機能性を持ち、粒径・粒度を最適化するMPDP技術の開発
・高精度原料粒子：Fe基、Ni基原料で真球度3%未満、粒径50～500μm
→高強度・耐摩耗性・軟磁性を持った原料が必要なため
・制御粒子充填：高精度マイクロ金型の試作、制御粒子充填装置の開発
→高精度原料粒子の搬送・充填・制御を行うため
・マイクロホットプレス：高精度焼結・成形条件の把握と展開
→マイクロ部品作成に伴う焼結・成形実現のため
(新技術)
MPDP技術の確立
・単分散粒子+配列+粉末治金技術による小型マイクロ部品の製造技術
‐高精度原料粒子
・真球度3%未満、粒径50～500μm部品サイズ1mm3以下にも対応
‐シンプルな工程
・少量多品種にも適正
‐環境配慮型技術
原料ロスと後加工を必要としないネットシェイプ化

・MPDP技術の確立STEP1：高精度原料粒子の開発
‐軟磁性/高強度・耐摩擦性・軟磁性を有する高精度原料粒子部材として、Fe基・Ni基を含む金属・合金6種を選定
‐高精度原料粒子の開発において、粒径50～500μm、粒径精度±5%、真球度1.79(Fe基金属ガラス)を達成
・MPDP技術の確立STEP2：制御粒子充填とマイクロホットプレス機構の確立
‐スライドプレート方式の制御粒子充填装置による搬送・充填の最適化の達成
‐急速加熱・冷却機能を持つマイクロホットプレス機構で高精度焼結・成形条件を把握
・高精度マイクロ部品の完成‐粘膜流動を利用し、Fe系金属ガラスマイクロ部品の製作に成功
‐硬度(マイクロビッカーズ硬度)Hv＝1,125、引張強度換算で目標とする2,000MPa以上を達成
‐寸法精度±8μm程度で、後加工なしのネットシェイプ成形に成功

特許出願：精密ホットプレス用金型とその製造方法(特願2010-010774)

次世代携帯電話・計測器等の情報機器、腹腔手術用機器・内視鏡及びその他施術機器等の医療機器に組み込む高強度・高摩擦性・軟磁性材料高機能マイクロ部品

実用化および量産化を実現し、医療機器・通信機器産業への浸透を図る
・マイクロ金型加工技術で共同研究可能な金型メーカーを選定する
・量産化技術の確立に向けた研究を進める
・早期の実用化を目指し、医療機器・通信機器メーカーへの販路拡大を狙う