複合・新機能材料
次世代リチウムイオン電池用正極材料が安価に大量製造可能な技術を確立!
福井県
株式会社ナノリサーチ
2020年3月22日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 次世代リチウムイオン電池用正極材料の革新的製造装置開発 |
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基盤技術分野 | 複合・新機能材料 |
対象となる産業分野 | 環境・エネルギー、自動車 |
事業化状況 | 研究中止または停滞中 |
事業実施年度 | 平成22年度~平成24年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
大型リチウムイオン電池の低コスト化及び安全性の確保のために、その正極材料では、リン酸鉄リチウムが期待されているが、工業的に安価で大量供給可能なプロセスは確立されていない。本研究では、導電ネットワークの形成により、リン酸鉄リチウムの充放電性能を実用レベルに向上させると共に、リン酸鉄リチウムを一段階で製造する技術を確立することで、安価で大量供給が可能な正極材料製造装置を実現する
開発した技術のポイント
急速充放電性能の向上と正極材料の製造と炭素複合化をワンステップで行える製造技術の確立により、正極材料の安価大量生産が可能な製造装置を開発する
(新技術)
粉体製造から炭素複合化までのプロセスをワンステップで実施する
(新技術の特徴)
安価で大量生産が可能となる
具体的な成果
・炭素複合リン酸鉄リチウム正極材料の製造技術基盤の確立
-正極材料の電池特性における最適条件を見出した
・炭素複合化技術および粒子ナノサイズ化技術の確立
-ナノサイズの一次粒子および均一な炭素の分散状態を実現し電池特性に最適な焼成条件を見出した
・噴霧速度、原料濃度を高めることで、炭素複合リン酸鉄リチウム正極材料の1t/月の製造速度、98%の回収効率を達成
研究開発成果の利用シーン
・リチウムイオン電池用正極材料
・正極材料製造装置
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
・リン酸鉄リチウム正極材料の安価大量生産可能な製造装置を開発できた
・リン酸鉄リチウム正極材料のユーザー評価により、電池特性において、市場優位性があることを明らかにした
製品・サービスのPRポイント
・優れた電池特性を有し、かつ安価なリン酸鉄リチウム正極材料の提供
<電池特性>
-1Cレート(1時間で満充電あるいは完全放電させる速度)で電極作製時のハンドリングに優れることから、良質な電極の作製が可能
-6Cレート(10分で満充電あるいは完全放電させる速度)で125mAh/gの充放電容量
-3000サイクル後の容量保持率は92%
<価格>
-現在の予定価格:2、000から2、500円/kg
-次段階の目標価格:1、500から1、800円/kg
-最終目標価格:1、200円/kg・電極作製時のハンドリングに優れることから、良質な電極の作製が可能
-粉体としての流動性が高い
-正極中のリン酸鉄リチウムの割合を高くできる160mAh/gの充放電容量(約94Wt%)
-正極の平滑性が高い
今後の実用化・事業化の見通し
・リン酸鉄リチウム正極材料を製品として、事業終了後1年目から2年目にユーザーワークを行い、フィールドテストする
・このユーザーワークで提示された製品改良における課題の解決を行いながら製造装置の完成度を高めて生産装置を開発すると共に製品のさらなる低コスト化を目指す
・電池メーカー、自動車メーカーなどを対象に生産装置開発のための装置改良を事業終了後2年間で行い、3年目から正極材料販売を開始する予定であり、5年目以降は、IT、エレクトロニクス、環境など他の分野における粉体製造に技術展開する予定である
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 株式会社ナノリサーチ |
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事業管理機関 | テクノロジーシードインキュベーション株式会社 |
研究等実施機関 | 国立大学法人福井大学 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 株式会社ナノリサーチ |
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本社所在地 | 福井県福井市定正町1018 |
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