複合・新機能材料
用途に合わせて特性を選択でき、高い放熱性自由度等にも優れた、注入、加圧注型及び射出成形ができる高熱伝導性複合材料を開発!
愛知県
株式会社髙木化学研究所
2020年3月21日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 次世代自動車部品用の新規高熱伝導性複合材料分散液の研究開発 |
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基盤技術分野 | 複合・新機能材料 |
対象となる産業分野 | 自動車、エレクトロニクス |
産業分野でのニーズ対応 | 高機能化(新たな機能の付与・追加)、高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(耐久性向上)、高性能化(小型化・軽量化)、高性能化(信頼性・安全性向上)、高性能化(精度向上)、環境配慮、低コスト化 |
キーワード | 高熱伝導性、分散液、熱可塑性、導電性、絶縁性 |
事業化状況 | 実用化に成功し事業化に向けて取り組み中 |
事業実施年度 | 平成28年度~平成30年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
次世代自動車の普及により駆動モータ及びコンバータの小型化・高性能化・軽量化が進み、それに伴うコイル部の放熱の問題が喫緊の課題となっている。自動車に求められる放熱性、電気特性、高強度、耐熱性、耐久性、接着性、低コスト化等の様々な要求を満足するコイル部の発熱を抑えた新規なステータ及びリアクトルの開発を目指し、コイル部への注入成形ができる新規な高熱伝導性複合材料分散液を開発する。
開発した技術のポイント
熱伝導性フィラーおよび添加剤を反応性分散媒に分散・混合し、流動性(粘度特性)、分離安定性、熱伝導性及び電気的特性(絶縁及び導電性)、耐衝撃性、耐熱性及び熱サイクル性に優れた高熱伝導性複合材料分散液を開発
・低粘度化、分離安定化、高熱伝導化等の分散液設計をし易くするための反応性(熱硬化性)分散媒、又は熱可塑性樹脂分散媒と、高熱伝導性フィラーに加え、バインダーとして作用する添加剤を使用
・セラミックスを用いる絶縁性材料分散液や、グラファイトを用いる導電性材料分散液のような異種材料を使用して、界面での熱抵抗の低減及び強度の維持を可能にし、デバイス全体としての放熱性を格段に向上
具体的な成果
・新規高熱伝導性複合材料分散液の開発
‐独自技術による高い熱伝導率と流動性を兼ね備えた分散液の開発
‐熱硬化タイプ、熱可塑タイプ、導電/絶縁など幅広い製品の品揃え
・硬化・成形加工技術の開発
‐フィラーリッチ相とフィラー非リッチ相とが均一に分布し高い物性を発現
‐気泡、亀裂がなく、高性能を発現する硬化・成形加工技術の開発
‐絶縁/導電二色成形により界面が隙間なく密着し熱伝導性に優れる
・電気・電子デバイスへの応用
‐リアクトル及びステータにおいて、高い樹脂モールド効果を確認
‐絶縁(内装)及び導電(外装)の二色成形による効果的な放熱
‐筐体を含めたオール樹脂化、他部品との一体化設計を支援
知財出願や広報活動等の状況
【知財出願】
国内優先権主張を実施し、現在は米国出願の手続きを進めている。
【広報活動】
金属系材料研究センターの支援により、会報誌を用いた技術成果発表を実施。
豊橋技術科学大学の支援により、日本材料科学会へ論文投稿中。
あいち産業科学技術総合センターの支援で地元の展示会に出展並びに、令和2年1月中部経済新聞への掲載を予定。
愛知県の支援により、令和2年東京ビッグサイトでの展示会へ出展を予定。
中小機構の支援により、企業マッチングサイト(JgoodTech)での特集ページに掲載。
研究開発成果の利用シーン
パワーデバイスやLED高輝度ランプ、次世代自動車小型モーター、リアクトルに利用できる発熱の少ない半導体素子材料
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
研究開発成果を、権利化するために国内出願及び国際出願を行った。分散液の品揃えや、技術資料も出揃ってきたので販路開拓に積極的に臨んだ。これらの販路開拓活動により、数件の試作依頼を受け、最優先で取り組んでいる
提携可能な製品・サービス内容
設計・製作、加工・組立・処理、素材・部品製造、試験・分析・評価
製品・サービスのPRポイント
熱硬化タイプ、熱可塑タイプ、絶縁/導電など用途に合わせて特性を選択/幅広い組合せができ、高い放熱性、電気特性、高強度、耐熱性、耐久性、接着性、設計の自由度等に優れ、良好な分離安定性を示し、ポッティング(注入)、加圧注型及び射出成形ができる高熱伝導性複合材料を開発
今後の実用化・事業化の見通し
・本研究開発で得られた材料の基本的な特徴、本材料の有効な使用方法等をPR資料として整理し、学会、工業会、展示会等を通して関連業界への認知を進めると共に、関連企業に対して積極的に訪問し、サンプル評価などの機会を増やし、川下のニーズを取り入れた材料カスタマイズを行う
・高集積電源基板の封止(樹脂モールド)、電池関連導電部材及びパワーデバイス関連絶縁部材といった用途が明確になっている数社との取組については、優先的に進め、早期の開発/実用化を目指す。リアクトル及びステータの樹脂モールド化に関する検討については、外部PRやサンプルワークによって、ユーザーとキャッチボールできる機会を増やし、又は共同開発によって実用化を目指す
・同時に樹脂モールド分野への販路開拓を進め、本研究開発の成果が事業として成り立つよう注力する
実用化・事業化にあたっての課題
製品コンセプト・仕様を決定する前の探索段階で、試作・検討を進めているため、製品製造プロセスの最適化に時間を要する。
事業化に向けた提携や連携の希望
現在、引き合いを受けている川下メーカーとの試作品ビジネスを通じて、提携や連携を具体化させる予定。
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 株式会社髙木化学研究所 |
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事業管理機関 | 一般財団法人金属系材料研究開発センター |
研究等実施機関 | 国立大学法人豊橋技術科学大学 国立大学法人鹿児島大学 あいち産業科学技術総合センター |
アドバイザー | 豊橋技術科学大学 名誉教授 竹市 力、東海エレクトロニクス マーケティング本部 部長 高橋 俊、東海大学 教授 森本 雅之 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 株式会社髙木化学研究所(法人番号:1180301001546) |
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事業内容 | 樹脂成形・加工、プレス板金・表面処理加工、合成繊維製造 |
社員数 | 123 名 |
生産拠点 | 本社工場:岡崎市大幡町字堀田21-1 |
本社所在地 | 〒444-3502 愛知県岡崎市大幡町字堀田21-1 |
ホームページ | http://www.takagi-kagaku.co.jp/ |
連絡先窓口 | 片寄工場 技術開発課 永谷裕介 |
メールアドレス | yuusuke.nagatani@takagi-kagaku.co.jp |
電話番号 | 0564-85-1966 |
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