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立体造形

重電機器産業など大型、複雑形状の模型作製を可能にする樹脂模型造型技術の開発

千葉県

株式会社ブライソンジャパン

2020年3月20日更新

プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 精密鋳造法におけるワックス代替・高強度・軽量樹脂模型材料の開発
基盤技術分野 立体造形
対象となる産業分野 航空・宇宙、農業、産業機械、工作機械
事業化状況 実用化に成功し事業化に向けて取り組み中
事業実施年度 平成22年度~平成24年度

プロジェクトの詳細

事業概要

重電機器産業等では大型・複雑形状化のニーズが高く、複雑形状化や高精度化を可能にし、且つ生産性向上および環境に配慮した精密鋳造技術の開発が求められている。従来から精密鋳造に広く用いられているワックス模型材料では、これらのニーズに対応することは不可であり、発泡樹脂模型材料による新しい造型技術を開発する。この確立により航空宇宙産業等他産業への適応も期待され、世界に先駆ける新たな市場が展開できる

開発した技術のポイント

ワックス模型材料に代替する高強度・軽量発泡樹脂による新たな樹脂模型造型技術、及びその脱樹脂技術を開発する
(新技術)
RIM(Reaction Injection Molding)によりワックス模型と同等以上の表面性状を有し、かつ内部を均一・微細に発泡させた大型・複雑形状の軽量樹脂模型造型技術を開発する
(新技術の特徴)
ワックス模型では困難であったガスタービン翼等の大型化、複雑形状化への対応と環境負荷の低減が共に可能になる

具体的な成果

・複雑形状軽量樹脂模型造型技術の開発
‐脱型性の向上に係る検証を行い、表面性も同様であり模型の形状にあった成型方法を確立した
・樹脂模型の組み立て(ツリーアセンブル)の検証
‐パターンのランナーからの脱落のない組み立て方法を確立した
‐ワックス模型と樹脂模型の接着方法も確立した
・鋳型からの脱樹脂技術の開発
‐パターンのランナーからの脱落のない組み立て方法を大型模型の造型とツリー形状の鋳型を使用した脱樹脂プロセスを検証した
・大型樹脂模型造型と脱樹脂プロセスの検証

研究開発成果の利用シーン

精密鋳造技術を活用した部材(自動車機器のターボ翼車、重電機器用蒸気タービンブレード、航空機のジェットエンジン用タービンブレード、ロケットエンジンなどの難削・超耐熱主要部)

実用化・事業化の状況

事業化状況の詳細

・本事業を通じて、材料の基礎的な特性確認試験は終了し、アドバイザーの下で実際の鋳造品で製作を行い、評価を実施したことにより、実用化の段階はクリアした
・事業終了後は、ユーザーである精密鋳造メーカーへの模型販売開始に向け進めると並行し、ノウハウを付与した樹脂模型に関する装置・プロセスの販売も行う予定である

製品・サービスのPRポイント

・模型作製の環境負荷低減に寄与
‐発泡技術を使用した精密鋳造技術の開発により、大型かつ複雑形状の軽量樹脂模型造型が可能になった
‐よって、従来は環境負荷が大きかった模型作製の環境負荷を低減することが可能になった
・国内メーカーの競争力向上に貢献
‐蒸気タービン及びガスタービンの大型、複雑形状の精密鋳造品は、主として欧米のメーカーにより製造されている
‐大型で複雑形状のガスタービンは製造可能なメーカーが限られるため、需要が高まっており、国内精密鋳造メーカーが受注する大きなチャンスである
‐そのために問題となるのは、模型の軽量化、寸法の安定化、温度精度の向上等であるが、それらの課題解決を可能とする発泡樹脂模型の材料開発によって、国内メーカーの競争力の向上に結びついていくと考えられる

今後の実用化・事業化の見通し

・現時点で注力しているのは、軽量発泡樹脂模型材料である
・将来的には、軽量発泡樹脂模型自体の販売、鋳型から模型材料を取り出す技術及び装置の販売、軽量発泡樹脂模型材料を使用した工程のライセンス契約(製造技術ノウハウのロイヤリティ)を販売することを目指す

プロジェクトの実施体制

主たる研究等実施機関 株式会社ブライソンジャパン
事業管理機関 JFEテクノリサーチ株式会社
研究等実施機関 千葉県産業支援技術研究所

主たる研究等実施機関 企業情報

企業名 株式会社ブライソンジャパン
本社所在地 千葉県東金市丘山台3-8-1