立体造形
リサイクル品も高純度化!繊維分散強化耐火物を用いたアルミニウム溶湯供給装置
神奈川県
有明セラコ株式会社
2020年3月18日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 繊維分散強化複合耐火物を用いた高純度アルミニウム溶湯供給装置の開発 |
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基盤技術分野 | 立体造形 |
対象となる産業分野 | 自動車、農業、産業機械、スマート家電、工作機械 |
事業化状況 | 事業化に成功 |
事業実施年度 | 平成21年度~平成21年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
自動車等のアルミニウム鋳造部材においては、アルミ溶解保持炉で発生する酸化物、ハードスポット等の溶湯中の不純物が鋳造品の品質低下および不良発生の原因になっている。本開発では独自開発した繊維分散強化複合耐火物を用いて新たな設計思想に基づいたアルミニウム溶解・溶湯供給装置を製作することにより、不純物を大幅に減らした高純度アルミニウム溶湯を供給し、鋳造品の品質向上を図ると共に不良率を低減させる
開発した技術のポイント
リサイクル原料から不純物を除去する高純度アルミニウム溶湯供給装置の開発
・アルミ溶湯中の不純物K値:0.1以下(現状:0.5)
・アルミ溶湯中のガス濃度:減圧凝固法1級(現状5級)
・アルミ鋳造製品の不良率の低減(現状の1/2以下)
・アルミロスの低減:1%以下(現状の5%)
(新技術)
高純度アルミニウム溶湯供給装置
・アルミ溶湯撹拌による急速溶解及びニカセラコを用いた熱交換器による溶湯酸化の防止
・ニカセラコを用い溶湯フィルター及び回転式脱ガス装置による不純物の除去
・電気ヒーター加熱の密閉式溶湯保持炉による酸化物生成の防止
・溶湯中不純物低減による鍛造品の品質向上、不良率低減
具体的な成果
・急速溶解炉、溶湯清浄化装置を設計・製作
‐溶湯攪拌装置とニカセラコ(熱損傷抵抗に優れた繊維分散強化複合耐火物)のラジアントチューブバーナーを組み合わせた急速溶解炉を設計・製作
‐溶湯清浄化装置を有する温度保持炉を設計・製作
・高純度アルミニウム溶湯供給装置を開発
‐ニカセラコで大型複雑形状のラジアントチューブ、一体成形溶湯バスを製作
‐ニカセラコでアルミ溶湯清浄装置用インペラーシャフト、蓋付きラドルを製作
‐高純度アルミニウム溶湯供給装置を組立て製作、ダイカストマシンに組み合わせ設置
・K値<0.1、ガス量は1~2級を達成
‐ダイカストマシンを同時稼働させた溶解試験の結果、時間当たり約200kgの熔解・汲出し運転に成功
‐リターン材50%を入れた溶解実験では、汲出し室の溶湯のK値は<0.1、ガス量は1~2級を達成
‐ニカセラコ製ラジアントチューブと溶湯攪拌装置を使用した溶解炉の熱効率は溶解時に47%(一般溶解炉20%)を達成
知財出願や広報活動等の状況
特許:「アルミニウム溶解炉」(特願2010-291718)
研究開発成果の利用シーン
・アルミニウム合金鋳造部材の原料となるアルミニウム溶湯を高純度で供給
・自動車のエンジン部品、アルミホイール、家電機器、産業機械の各種アルミ部品に用いられる
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
・H23年度に事業化に成功
・試作機または事業化機の実地見学・説明が可能(無償)
製品・サービスのPRポイント
・歩留まり向上:アルミ溶湯中の不純物が低減し、アルミ鋳造品の不良率が従来の1/2に
・ロス削減:アルミニウムのロスを5%から1%に低減
・省エネルギー化、環境負荷低減:エネルギー効率25%→50%、CO2排出量40%削減
今後の実用化・事業化の見通し
アルミダイカストメーカー3社から受注
・サポイン事業での試作機の問題点を改良した2号機を製作し、川下企業に提供。性能評価・耐久試験を実施し、好評を得ている
・H23年度から本格的に宣伝営業活動を開始し、アルミダイカストメーカー3社から受注・製作納入
・大手ガスメーカーと共同研究開発活動を実施中
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 有明セラコ株式会社 |
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事業管理機関 | 有明セラコ株式会社 |
研究等実施機関 | 株式会社秋葉ダイカスト工業所 地方独立行政法人神奈川県立産業技術総合研究所 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 有明セラコ株式会社 |
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事業内容 | 各種工業窯炉の設計施工およびメンテナンス、築炉工事、アルミ溶湯関連機器の製造販売 |
本社所在地 | 〒243-0815 神奈川県厚木市妻田西3-11-2 |
ホームページ | http://www.ceraco.co.jp |
連絡先窓口 | 本社営業部課長 塩崎溪蔵 |
メールアドレス | shiozaki@ceraco.co.jp |
電話番号 | 046-221-6049 |
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