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複合・新機能材料

使用済食品濾過助剤用珪藻土を原料とした低コストで国内生産可能な金属シリコン製造技術

秋田県

中央シリカ株式会社

2020年4月24日更新

プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 使用済食品濾過助剤用珪藻土を原料とした金属シリコン製造技術の開発
基盤技術分野 複合・新機能材料
対象となる産業分野 環境・エネルギー、化学品製造
産業分野でのニーズ対応 環境配慮、低コスト化
キーワード リサイクル
事業化状況 研究中止または停滞中
事業実施年度 平成21年度~平成22年度

プロジェクトの詳細

事業概要

秋田県の珪藻土製品の出荷額は全国トップである。本計画は食品用濾過助剤として出荷され、使用済みとなった高品質な珪藻土製品を製造企業が自ら回収し、珪藻土の中に豊富に含まれる二酸化珪素から太陽電池原料用の高純度金属シリコンを低還元温度で安価に製造する技術を開発するものである

開発した技術のポイント

使用済珪藻土を原料とし、低コストでの高純度金属シリコンを製造
・低温還元技術の開発
→1,750℃程度の温度での還元(従来より150~250℃低い)
・純度の高い金属シリコンの作製
→還元時点:Si純度90%以上⇒徐冷精製:Si純度99.5%以上
(新技術)
・原料は使用済珪藻土、籾殻
・低還元温度技術の確立
・還元精製の一体化、徐冷精製

具体的な成果

・使用済珪藻土と籾殻燻炭の組合せによる還元時間の短縮を確認
‐目標の温度(1,750℃程度)は測定できないので、代わりに運転時間の短縮を図り、短時間、低消費電力での還元を行ったと見なした
‐使用済珪藻土と籾殻燻炭の組合せで還元した場合、珪藻土原土と黒鉛粒の組み合わせと比較して3分の1の時間で還元(金属シリコンの製造)が可能であることが分かった
・Si純度99.5%の高純度金属シリコン結晶を得る
‐還元時点の金属シリコンはSi純度90%以上であるが、その中に99.5%以上の高純度金属シリコン結晶が析出している。不純物は、Feが最も多い
‐金属シリコン結晶と不純物を徐冷により分離することができた。実験では、一旦融解させた金属シリコンを徐冷すると、Si純度99.5%以上の金属シリコン結晶が偏析することを確認した
・アーク炉の連続運転と金属シリコン融液の抜き出しに成功
‐低コスト化のためには、連続運転が必要で、現在テストを行っている
‐アーク炉に原料を投入し続け、電極の高さを調整することで、長時間の運転が可能になった
‐坩堝に溜まったシリコン融液を抜き出すことに成功し、連続生産のめどを付けた

知財出願や広報活動等の状況

・特許:「微細炭化珪素、微細窒化珪素、金属シリコン、塩化珪素の製造方法」(特開2010-155761(P2010-155761A))
・新聞:讀賣新聞(H22.12.10)、秋田魁新報(H22.11.19およびH24.1.28)等

研究開発成果の利用シーン

原料は、これまで埋立処分されていた使用済珪藻土や、未利用の籾殻を還元剤として使用するため、従来と比較して低コストの製造が可能となる。
製造した金属シリコン(精製前)は冶金グレードに相当し、鉄鋼やアルミの精錬用の製品としての利用が見込まれる。
今後、徐冷や塩素(Cl)の添加による鉄分(Fe)の除去等による精製により,太陽電池やケイ素系高分子材料用の製品へと利用範囲が広がる。

実用化・事業化の状況

事業化状況の詳細

研究を中断している

提携可能な製品・サービス内容

素材・部品製造

製品・サービスのPRポイント

・環境負荷低減:使用済珪藻土のリサイクルと籾殻の有効活用
・量産化、安定供給化:国内製造の技術が確立していれば、国際情勢が変化した場合にも安定的供給が可能

今後の実用化・事業化の見通し

コストダウン、高純度化をめざし、補完研究を実施中
・現在、炉の安定的な運転が可能となり、10kg単位の金属シリコンが作れるようになり、連続製造に向けた実験を行っている
・アーク炉の改良と原料の工夫により、電力価格等の変化に対応可能な技術を確立する

実用化・事業化にあたっての課題

電力等のエネルギー事情,金属シリコンの需要の増減への対応が必要

プロジェクトの実施体制

主たる研究等実施機関 中央シリカ株式会社
事業管理機関 公益財団法人あきた企業活性化センター
研究等実施機関 日本精機株式会社
国立大学法人秋田大学

主たる研究等実施機関 企業情報

企業名 中央シリカ株式会社(法人番号:1410001006359)
事業内容 珪藻土製品(濾過助剤・微粉・乾燥品等)の製造販売
社員数 50 名
生産拠点 本社工場(北秋田市),鷹巣工場(北秋田市)
本社所在地 〒018-4302 秋田県北秋田市浦田字寄延沢家の下44
ホームページ http://www.chuosilika.co.jp
連絡先窓口 工藤正昭
メールアドレス masaaki@chuosilika.co.jp
電話番号 0186-72-3281