文字サイズ
標準
色の変更

研究開発された技術紹介

  1. トップ
  2. 研究開発技術検索
  3. 非材料依存性の化学結合による新接合方法により、実装技術を向上

接合・実装

非材料依存性の化学結合による新接合方法により、実装技術を向上

岩手県

株式会社いおう化学研究所

2020年3月20日更新

プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 分子接着技術等を用いた表面平滑銅配線基板等の次世代実装技術の開発
基盤技術分野 接合・実装
対象となる産業分野 自動車、情報通信、スマート家電
事業化状況 事業化に成功
事業実施年度 平成21年度~平成23年度

プロジェクトの詳細

事業概要

プリント配線基盤は自動車関連電子機器の信頼性(安全性・快適性の向上)の確保に関する課題を有しており、これらは配線の平滑化、細線化及び矩形化、基盤との密着性、及び耐振動性など、線形状、接着特性及び材料特性の改善により達成できる。本研究では、エントロピー弾性体、トリアジン系分子接着剤を用いることで上記改善を達成した、次世代実装技術の開発を行う

開発した技術のポイント

成形~加熱~冷却のプロセスを一工程で実施し、製品の性能を維持・向上させコストを低減
・高強度化:従来の接着強度0.6~1.2kN/m→2.0kN/mに(従来比1.6倍)
・矩形化率:従来0.8→1に(25%向上)
・減衰率:従来0.1以下→0.3に(従来比3倍以上)
(新技術)
・表面の平滑性
→大電流を通しても抵抗値があまり増加せず、低発熱
・分子接合
→化学的結合であり、熱や振動に強い。また材料を選ばずに適用可能
・接着工程
→化学反応であり、低温・短時間で可能

具体的な成果

・分子接着要素技術の開発により、プリント配線基板を高強度化
‐金属、樹脂やセラミックス等の基板材料表面にコロナ放電処理を特定の条件にて行うことで、安定なOH基が生成されることが判明
‐OH基とTESの結合材は、シリコーンゴムとペルオキシド架橋中に架橋接着し、高い接着強度を示す
‐得られた接合物は、耐熱試験や耐水試験、ヒートショック試験にも充分に耐えることを確認
・新しいエントロピー弾性体を開発
‐シリコーンゴムに酸化アルミニウムを配合させることにより、熱伝導率2.5W/m・kを達成し、目標を25%上回ることに成功
‐このエントロピー弾性体と、Al、Cu、エポキシ樹脂の接合物を作製し、260℃のリフロー試験においても膨れがない積層体を作製
・エントロピー弾性体を用いた実装技術の研究
‐既存品および新規開発を行ったエントロピー弾性体を用いた素子内臓基板の作製のため、実装技術を研究
‐分子接合技術を用いることで、回路基板/エントロピー弾性体/ヒートシンクの積層体作製が可能
‐初期および260℃後のリフロー試験においても目標値をクリアし、接着界面の膨れも生じず、高い信頼性を確保

知財出願や広報活動等の状況

出展:nanotech2012(H24.2)

実用化・事業化の状況

事業化状況の詳細

・H24年度に事業化に成功
・無償サンプルあり(小型イメージ接合サンプル)
・有償サンプルあり(表面処理技術、表面処理剤、接合サンプル)

製品・サービスのPRポイント

・新接合方法の実現→化学結合による新接合方法で材料種に依存せず、強固な接合を達成。接着剤を全く使用しないため、意匠面、環境面、設計の観点からも優位性を確保
・軽量化→接着剤、リベット等を使用しないため、複合体の厚み、重量を低減
・微細化→プリント基板の平滑面での接合により、微細化を達成

今後の実用化・事業化の見通し

H25年度より複数の案件が量産化予定。並行して顧客からのニーズを逐次ヒアリングしており、各種要望に対応すべき補完研究も継続
・川中企業とタイアップしてサンプルを作製し、川下企業へ試作品を提供後、性能評価・耐久試験を実施中
・顧客からのニーズを逐次ヒアリングしており、各種要望に対応するべく開発を補完研究にて継続している。また、新規案件を含む、水平展開も進めており、幅広い用途に展開できる技術へのブラッシュアップを行っている
・H25年度より量産化が始まる案件が複数決まっている。その他の量産時期が短期、中期計画に入っている他企業についても、随時フォローを行い、その後に追随する量産案件して対応していく予定

プロジェクトの実施体制

主たる研究等実施機関 株式会社いおう化学研究所
事業管理機関 公益財団法人いわて産業振興センター
研究等実施機関 三協化成株式会社
株式会社東亜エレクトロニクス
国立大学法人岩手大学

主たる研究等実施機関 企業情報

企業名 株式会社いおう化学研究所
事業内容 分子接合技術、分子接合剤の開発、接合技術による有償試作、技術指導、アライアンス事業等
本社所在地 岩手県盛岡市上田4-3-5
ホームページ http://www.sci-inc.co.jp
連絡先窓口 研究開発部研究開発マネージャー 松野祐亮
メールアドレス info@sci-inc.co.jp
電話番号 019-601-2610