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機械制御

摩擦による摩耗の無いマグネットクラッチ内蔵減速機を含めたセーフティハイブリッドシステムを開発し、安心・安全な輸送網の構築に貢献!

宮城県

東洋機械株式会社

2020年4月8日更新

プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 大容量非接触式マグネットクラッチを搭載した、ECOセーフティハイブリッド鉄道車両の開発
基盤技術分野 機械制御
対象となる産業分野 産業機械、鉄道
産業分野でのニーズ対応 高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(耐久性向上)、低コスト化
キーワード 非接触、マグネット、クラッチ、セーフティハイブリッド
事業化状況 研究実施中
事業実施年度 平成28年度~平成30年度

プロジェクトの詳細

事業概要

特殊車両が線路上で走行不能に陥ることは客車の運行阻害につながるため、何としても避けなければならない。走行不能の最大の原因は、接触式摩擦クラッチの摩耗故障である。これを解決するため非接触式マグネットクラッチの開発に着手した。本開発は、摩耗故障のない非接触式マグネットクラッチを低コストで製作し、事業化するとともに国外競争力の強化と国内の安心・安全な輸送網の構築に貢献することを目的とする

開発した技術のポイント

円筒型マグネットクラッチ内蔵減速機の耐久試験において、クラッチに使用しているマグネットが熱で溶解するというトラブルが発生したため、マグネット近傍に熱対策を行ったものを設計・製作し、車両に搭載して実際に走行させることに成功し、熱対策後も車両の走行に必要な伝達トルクを有していることが確認できた

具体的な成果

・コスト安のボンドマグネットを使用した円筒型マグネットクラッチの設計を完了した。また、マグネットクラッチを収納する減速機の設計を行い、減速機ケース及び走行試験用駆動装置の組立と走行試験を実施した
・マグネットクラッチのマグネットは、相反する磁極を隣に配置するので、容易に組み込むためマグネットの組立順序を決定した
・導入した「マグネットクラッチ制御・評価装置」で、円筒型マグネットクラッチ内蔵減速機の評価、測定を実施した
・マグネットクラッチの動力側と負荷側を完全嵌合させる制御技術を確立した

走行試験車両
知財出願や広報活動等の状況

1.発明の名称  動力伝達装置  特願2017-232120  出願人 東洋機械㈱、(株)成田鋼業
2.発明の名称  マグネット構造体 特願2017-232121 出願人 東洋機械㈱、(株)成田鋼業

研究開発成果の利用シーン

・特殊車両
・大型産業重機
・船舶等大容量駆動伝達を必要とするあらゆる大型産業機械(数百トンクラス)
・線路上を移動する発電所
・第三セクター方式の鉄道事業者等で使用されているディーゼル客車

実用化・事業化の状況

事業化状況の詳細

海外展開について、新輸出大国コンソーシアムを利用して専門家のアドバイスをいただいた。マグネットで動力を伝達するクラッチを内蔵した減速機のマグネットクラッチ部分のさらなる熱対策と耐久性能の評価を行い、その後実際に車両に搭載して走行試験を行い、車両としての性能を評価する方向で準備を進めている。

提携可能な製品・サービス内容

設計・製作、共同研究・共同開発

製品・サービスのPRポイント

・摩擦による摩耗の無いマグネットクラッチ内蔵減速機を含めたセーフティハイブリッドシステムを特殊車両へ搭載する事により、運行停止トラブルが飛躍的に改善され、社会的使命である乗客の安全に寄与する効果が大きく、地域経済の活性化にも寄与できる
・マグネットクラッチ内蔵減速機を含むセーフティハイブリッドシステムは、大型産業重機や船舶等大容量の動力伝達を必要とする大型産業機械にも適用可能な技術であり、日本国内に限らず海外へも展開可能である

今後の実用化・事業化の見通し

・2019年度に熱対策を実施したマグネットクラッチの設計・製作および耐久性能確認を実施する
・2020年度に車載しての走行性能試験(1年間)
・2020年度下期で生産体制および品質管理体制の整備を行い、同時に事業化を目指す

耐久試験構成図
実用化・事業化にあたっての課題

・クラッチの開閉操作を連続で行うとマグネットの温度上昇が発生することが確認され、クラッチ操作の頻度によってはマグネットの耐熱温度をオーバーする可能性があることがわかった・さらなるマグネットの熱対策の要否についての検証が必要である

事業化に向けた提携や連携の希望

各種産業用機械、自動車、トラック市場等での本技術の活用も可能だと考えています。その場合には、製造権等の販売によって、市場にノウハウを持つ組織との連携や技術提携も検討します。

プロジェクトの実施体制

主たる研究等実施機関 東洋機械株式会社 名取工場 設計開発準備室
株式会社成田鋼業 名取工場 スチール事業部
事業管理機関 株式会社インテリジェント・コスモス研究機構 産学官連携・インキュベーション事業部
研究等実施機関 宮城県産業技術総合センター 機械電子情報技術部
独立行政法人国立高等専門学校機構仙台高等専門学校 名取キャンパス
アドバイザー 1.国立大学法人東北大学 特任教授 飛世 正博  2.新潟トランシス株式会社 取締役 河野 良一

主たる研究等実施機関 企業情報

企業名 東洋機械株式会社(法人番号:6370001009403)
事業内容 鉄道車両製造業
社員数 62 名
生産拠点 名取工場(宮城県名取市)
本社所在地 〒980-0801 宮城県仙台市青葉区木町通一丁目5番30号
ホームページ http://www.toyo-kikai.co.jp/
連絡先窓口 設計開発室 高橋英実
メールアドレス takahashi_h@toyo-kikai.co.jp
電話番号 022-382-3426