複合・新機能材料
フィット性、耐久性、制動性が高い伸縮織物を用いた軽自動車用布タイヤチェーンを開発
福岡県
東洋ゴム織布株式会社
2020年4月14日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 伸縮織物を用いた装着性が高く安全な布タイヤチェーンの開発 |
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基盤技術分野 | 複合・新機能材料 |
対象となる産業分野 | 医療・健康・介護、自動車 |
産業分野でのニーズ対応 | 高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(耐久性向上)、高性能化(信頼性・安全性向上)、低コスト化 |
キーワード | 防滑、繊維、伸縮 |
事業化状況 | 研究中止または停滞中 |
事業実施年度 | 平成22年度~平成23年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
布チェーンは金属、樹脂チに代わる軽量なタイヤとして期待されているしかし、既存の布チェーンはフィット性、耐久性、制動性に課題があり、これを克服することが求められている。本事業ではポリウレタン伸縮糸を用いた絡(からみ)織を導入した新規な織物技術を活用して、フィット性、耐久性、制動性が高い布タイヤチェーンを開発する
開発した技術のポイント
安全性の高い新素材の布チェーンを開発
・耐摩耗性→摩耗強さ(JISL1069)で伸縮織物部分10,000回以上を目標とする
・伸縮糸の広幅整経→糸ゴムの伸び率5-10%にて、138~280本の均一整経
・タイヤチェーンの形態に一体成織
(新技術)
<伸縮織物を用いた布チェーン>
・従来の布チェーンの特徴(軽量で乗り心地がよく着脱も容易である。また価格が金属チェーンと同程度)を維持
・制動性:金属チェーンと同等の高い制動性能
・タイヤへのフィット性:金属や樹脂チェーンと同等(タイヤハウスへの接触なし)
・耐久性:樹脂チェーンと同等
具体的な成果
・使用する素材について、サンプル試験をもとに選定
‐雪上走行試験及び8の字走行試験を行い、伸縮織物及び伸縮織物の経糸である糸ゴムカバーリング糸の糸ゴムについて検討
‐8の字走行試験では、糸ゴムの結晶化により、連続装着による8の字走行可能回数の減少がみられた
‐荷重低下の低い糸ゴムを更に検討し、伸び率試験の結果から結晶化が生じづらいものを選定
・耐久向上のための加工・縫製方法を検討
‐経糸のカバーリング糸に、熱で融着する機能性糸を導入する場合、導入しない場合の熱セット加工条件を検討
‐高温(120℃以上)で熱セット加工を行うとグリップ力が低下すること、100℃での熱セット加工では、機能性糸を導入せずとも充分な耐久性を得られることが判明
‐生地の段差がある縫製方式では、破断が生じやすくなる結果となり、段差の緩和を行った縫製方式を採用
・自動車チェーンとしての性能を検証
‐既存品より平均動摩擦荷重が高く、タイヤとのグリップ性に優れている
・老化試験の結果、3サンプルのうち2サンプルが、JIS基準における糸ゴムの強度試験に適合
‐軽自動車用タイヤ(155/65R13m、円周167cm)の装着を検討し、開発したサンプルのフィット性が高いことを確認
・老化試験前後の10%伸び強度、摩耗性
~試作したサンプル1、サンプル3は高い性能を示す~
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
・H27年度の実用化に向けて補完研究中であったが断念
・サンプルあり(軽自動車用、普通自動車用の布タイヤチェーン。有償/無償の別は内容による)
製品・サービスのPRポイント
耐久性向上→従来品よりも高い性能(5倍以上の摩耗性、2倍の走行距離向上、タイヤに対するフィット性、制動性の向上など)
今後の実用化・事業化の見通し
性能評価やタイヤサイズ適用範囲の検証を継続するとともに、普通自動車用の布タイヤチェーンについても開発を目指していたが断念
・サポイン事業において積み残した、一体製織の広幅化による性能評価、タイヤサイズ適応範囲の検証を引き続き継続している。また、従来の製造方法によるコストダウンなどの補完研究を継続中
・当初目標としていた軽自動車用に加えて、普通自動車用に向けた布タイヤチェーンを試作し、各種物性を評価する。また、今後、雪質の異なる各地域にての実走試験を行う
・川下企業と販売契約などの整理を行っており、販売を断念
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 東洋ゴム織布株式会社 |
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事業管理機関 | 公益財団法人福岡県産業・科学技術振興財団 |
研究等実施機関 | 福岡県工業技術センター |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 東洋ゴム織布株式会社(法人番号:3290001049245) |
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事業内容 | 甲ゴム、刺繍加工、組ヒモ・デクスマ素材・製品加工、製造販売 |
社員数 | 27 名 |
本社所在地 | 〒830-0047 福岡県久留米市津福本町2320-14 |
ホームページ | http://www.toyogomu.co.jp |
連絡先窓口 | 営業課課長 古田芳久 |
メールアドレス | y-furuta@toyogomu.co.jp |
電話番号 | 0942-32-8162 |
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