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バイオ

次世代型堆肥化システムを開発し家畜排せつ物の再資源化・高度利用を進める

福島県

福萬産業株式会社

2020年3月27日更新

プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 熱風利用による有機物高度堆肥化技術及び二次生産物の高度活用技術の開発
基盤技術分野 バイオ
対象となる産業分野 環境・エネルギー
事業化状況 研究中止または停滞中
事業実施年度 平成22年度~平成23年度

プロジェクトの詳細

事業概要

従来の畜産廃棄物の堆肥化は通年処理が困難、品質の低下、コスト面の負担、悪臭・地下水汚濁の環境問題などの課題に直面しており、本研究ではこれらの問題を包括的に解決できるシステムの開発及びメカニズム解明を目指し、そこから派生する技術を用いて次世代型堆肥化技術の確立や潜在的有機物利用への技術応用、有用微生物・有用酵素の生産技術を開発する

開発した技術のポイント

家畜排せつ物の再資源化・高度利用に向け、次世代型堆肥化システム及び高機能堆肥の利用法を開発する
・密封型の発酵槽内で堆肥化するシステムにおいて最適条件を確立
→成分の偏りなし、EC(電気伝導度);2mS/cm以下、処理期間:20日程度、分解率:通年で60%程度

(新技術)
反密封型ハウス密封ハウス内で、熱風を下部から通期させることで加温・水分調整・殺菌・蒸す操作を同時に行う

具体的な成果

・堆肥化システムにおける処理条件の検討
‐様々な条件下で生産された堆肥の含水率や有機物分解率を測定し、その結果を基に最適条件を確立した(最高で有機物分解率60%超も実現)
‐最適条件の確立により、20日程度での堆肥化と高い有機物分解率をもつ高機能性堆肥の生産目標を達成した

・高機能性堆肥の評価と、微生物の解析による堆肥化のメカニズム解明
‐目標のEC(電気伝導度)2mS/cm以下は達成できなかったが、生産堆肥はすべて施肥可能な堆肥の目安である4mS/cm以下であった
‐各季節において微生物の内容が変化する条件(遷移点)を確認しその微生物の分析や挙動を確認したことで、堆肥化メカニズムの解明に成功した
‐堆肥中の微生物を分析し、ナラ枯れの原因「ナラ菌」の活動抑制効果が期待できる結果を得た。また、今後研究を進めていくことで、様々な利用法の開発が期待できる
‐東日本大震災の津波被害を受けた農地の塩害対策にも高い効果を確認した(除塩効果と作物の収量増・高品質化を確認)

・悪臭が及ぼす周辺環境への影響調査
‐熱による脱臭によりアンモニアを除く悪臭成分の低減に成功。臭気指数は目標値の30以下を概ね達成した

知財出願や広報活動等の状況

新聞:福島民報、産経新聞、河北新聞、毎日新聞、読売新聞、日経新聞等10数件(H23.4~H24.9)

実用化・事業化の状況

事業化状況の詳細

・実用化レベルまでの開発に成功。H25年度の事業化を目指す
・生産した高機能性堆肥や二次生産物である微生物資材は、少量サンプルの提供が可能(少量に限り無償)
・堆肥化システムの試作機設置等は可能。設置費用(実費)は依頼者負担

製品・サービスのPRポイント

・量産化、安定供給化→熱風を利用するため、冬季に難しかった堆肥化を安定した品質で生産することが可能となった(有機物の分解が従来型と比べ2倍程度に向上)
・生産期間短縮→従来技術と比べ、堆肥製造期間を最大80%程度短縮(春・秋:60日→20日、冬:90日→20日)
・臭気問題解決→投入時以外は密封する構造に加え、発生する悪臭等の有害成分を熱により無害化するため、汚水や悪臭の排出がない

今後の実用化・事業化の見通し

様々な業種から来ている引き合いに対応し、研究開発、応用技術開発、事業化検討を進める
・サポイン事業で開発した技術をベースに、研究継続、応用技術開発、事業化検討等に取り組む
・システムの中核をなしている燃焼炉を利用し、有害物質の焼却による無害化を目的とした新しいシステムの開発に着手
・微生物資材については、引き続き大学や国内研究機関と共同し、利用法開発や内容物解明等の研究を進める
・地域自治体を含む幅広い川下ニーズへの販路開拓を狙う。様々な業種から引き合いが来ており、事業化準備を進めながら、H25年度中の販売を目指す

プロジェクトの実施体制

主たる研究等実施機関 福萬産業株式会社
事業管理機関 公益財団法人福島県産業振興センター
福萬産業株式会社
研究等実施機関 福萬産業株式会社
学校法人日本大学 工学部生命往応用化学科

主たる研究等実施機関 企業情報

企業名 福萬産業株式会社
事業内容 環境問題をテーマに、廃油燃焼炉や堆肥化システム、高機能性堆肥、高機能性微生物資材等を販売
本社所在地 〒962-0814 福島県須賀川市前田川字後上ノ台83
ホームページ http://www.fukuman.co.jp