立体造形
サイクルタイム、不良率を50%減 IH加熱金型温度制御によるアルミ鋳造法
大阪府
株式会社ナカキン
2020年3月19日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | IH加熱金型技術を用いた次世代アルミ鋳造法の開発 |
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基盤技術分野 | 立体造形 |
対象となる産業分野 | 自動車 |
産業分野でのニーズ対応 | 高性能化(小型化・軽量化)、環境配慮、低コスト化 |
キーワード | IH加熱、アルミ鋳造 |
事業化状況 | 研究中止または停滞中 |
事業実施年度 | 平成22年度~平成23年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
国際競争が激化している自動車業界では、より一層のコスト低減・軽量化・環境対応が課題となっている。本研究開発では、アルミ合金重力鋳造において、業界初の中周波IHを用いた金型温度制御を開発技術の核として、CAE、データ分析による鋳造の最適化も行い、生産性を革新的に向上させると共に、不良率低減を図る次世代鋳造法を開発する。これにより、低コスト軽量で高品質な自動車エンジン及び一般汎用部品の供給を目指す。
開発した技術のポイント
中周波IH金型温度制御技術、CAE・データ分析を用いたアルミ合金重力鋳造法を開発
・IH式金型温度制御によるハイサイクル化と高品質化の確立
・ハイサイクル製品の品質評価、不良原因の特定
・自己組織化マップの研究
(新技術)
<中周波IH金型加熱の温度制御>
(特徴)
・生産性向上→ダイカスト相当の早いサイクルタイム
・温度制御が容易→複雑形状の指向性凝固が可能
・均一な加熱が可能→湯廻り不良低減・薄肉化
・所定温度までの昇温時間が短い
・外部放熱が少ない→エネルギー効率向上によるCO2削減
具体的な成果
・IH加熱とオイル冷却による金型温度制御により、サイクルタイム50%減、肉厚40%減
‐金型の予熱・生産中の金型温度保持にIHを用い、押湯部をオイル冷却して凝固時間を短縮、ハイサイクル化した高品質なグラビティ鋳造を開発
‐オイル冷却による凝固時間の短縮及び機械動作の見直しにより、鋳造サイクルタイム従来比50%減を達成
‐IH加熱による金型温度制御を行い、エアーパイプ鋳造品の薄肉化40%減を達成
・CTスキャナと走査型電子顕微鏡を用いた品質評価法の確立
‐不良率の低減に向けCTスキャナと走査型電子顕微鏡を用い不良箇所を特定した結果、不良率50%減を達成
‐CTスキャナ画像により、断面を計測することなく肉厚を網羅的に観察、3次元的に欠陥の位置と大きさの把握が可能
‐走査型電子顕微鏡によるボイド分析で欠陥部の原因特定が可能
・自己組織化マップの鋳造品への応用
‐自己組織化マップ(SOM)を鋳造品の品質分類に応用
‐どの条件下で不良になるのかを製造要因と品質の属性値から分類し、不良確率が少なくなる製造要因の組み合わせを発見することが可能
知財出願や広報活動等の状況
・特許:「アルミ鋳造装置」(特願2011-204773)
・出展:中小企業総合展 JISMEE 2011(H23.11)、第15回関西機械要素展(M-Tech)2012(H24.10)等
研究開発成果の利用シーン
IH式金型温度制御により、金型を効率よく所定温度に予熱して一定の温度に制御できることで薄肉軽量化製品が得られ、また、ガス加熱からIH加熱への変更によるCO2削減が可能である。
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
・実用化は停滞中
・薄肉、軽量化したアルミ鋳造エアーパイプのサンプルあり
提携可能な製品・サービス内容
共同研究・共同開発
製品・サービスのPRポイント
・鋳造サイクル短縮、アルミ鋳造品薄肉化軽量化により従来よりコストダウン
・環境負荷削減、ガス加熱からIH加熱への変更によりCO2を削減
今後の実用化・事業化の見通し
量産実用化への課題となっているIHヒーターの耐久性について協議検討中
実用化・事業化にあたっての課題
IHヒーターの耐久性について検証が必要
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 株式会社ナカキン 本社工場 |
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事業管理機関 | 一般財団法人素形材センター |
研究等実施機関 | 学校法人甲南学園甲南大学 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 株式会社ナカキン(法人番号:9120001057333) |
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事業内容 | 金型・鋳造技術をベースに、軽合金事業部、金型事業部、産業精機事業部の三事業部を柱として事業展開。軽合金事業部では主に自動車エンジン部品用アルミ鋳造品の鋳造から加工までの一貫生産、金型事業部では自動車エンジン部品の鋳造に使用する金型の設計・製作、産業精機事業部ではサニタリーロータリーポンプを主力商品として、設計から製造、販売まで一貫して実施 |
社員数 | 390 名 |
本社所在地 | 〒573-0137 大阪府枚方市春日北町2-10-5 |
ホームページ | http://www.nakakin.co.jp |
連絡先窓口 | 技術部鋳造技術課課長 寺内健太郎 |
メールアドレス | kentaro.terauchi@nakakin.co.jp |
電話番号 | 072-859-9901 |
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