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研究開発された技術紹介

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接合・実装

三次元スタック構造の半導体デバイスにおける貫通電極(TSV)内面に、高精度でレジストを成膜する技術を実現

愛知県

旭サナック株式会社

2020年4月9日更新

プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 半導体デバイス製造工程における回転霧化式エアロゾルスプレーによる成膜装置の開発
基盤技術分野 接合・実装
対象となる産業分野 半導体、エレクトロニクス
産業分野でのニーズ対応 高効率化(同じ生産量に対するリソースの削減)、高効率化(工程短縮)、低コスト化
キーワード エアロゾルスプレー、三次元スタック構造、コンフォーマル、脱真空
事業化状況 実用化に成功し事業化間近
事業実施年度 平成22年度~平成27年度

プロジェクトの詳細

事業概要

小型化、高性能化を実現する3次元スタック構造の半導体デバイスにおいて、配線と層間配線を同時に形成するデュアルダマシン法を使った貫通電極形成のニーズがある。デュアルダマシン法では、直径数十μM、深さ数百μMの孔壁面にレジストを成膜する必要があるが、その技術は確立されていない。本事業では、この技術確立ためレジストを微小液滴化し孔壁面に成膜を可能とする回転霧化式エアロゾルスプレー式の成膜装置を開発する

開発した技術のポイント

・レジスト成膜率→100%
・レジスト成膜精度→5μm±5%
・廃棄レジストの再利用を可能にする
(新技術)
<回転霧化式エアロゾルスプレーの利用>
・回転霧化式エアロゾルスプレーによる微小液滴噴霧でTSVのビア内面に良好な成膜が可能
・飛行液滴に荷電を付加させることにより、レジストの塗布効率を70%向上
・廃棄レジストを分離し、再利用可能

図2.研究開発技術とその特徴
具体的な成果

・回転霧化式エアロゾルスプレーを搭載した成膜装置の開発
‐最大70,000min-1で高速回転させるエアタービン技術を確立したうえで、回転霧化式エアロゾルスプレーノズルを開発した
‐ノズルの形状、材質および搬送エア(ガス)方法の検討を実験によって確認し、貫通電極(TSV)の成膜に最適なカップとキャップを開発した
‐スプレーノズルに電荷を付加し、噴霧するレジスト液滴に帯電させることにより、レジストの付着効率を大幅に向上させた
‐装置内メインカップ底面に汚れ防止のため溶剤を張り、メインカップ側面には定期的に溶剤を流して洗浄する構造とし、メンテナンス回数を大幅に減らした
・レジスト成膜のプロセス開発・ナノインプリントを用いたTSV評価
‐レジストの飛行液滴特性と成膜特性の関係、ウェハの加熱温度と成膜特性の関係、塗り重ね回数の影響、レジスト濃度の影響を調査し、最適な成膜条件を見出した
‐成膜条件を最適化することにより、間口径40~100μmの貫通電力(TSV)では、ビア内部の底面、側面、角部、表面ともに必要十分な膜を形成可能とした
‐ビア内面の膜厚・形状等を非破壊で観察評価するため、ナノインプリント(高精細転写)を適用する新しい計測評価法を検討し、±0.2μmと高精度であることを確認した
・TSVウェハの最適成膜条件
―間口40~100μmの貫通電極(TSV)では必要十分な膜を形成。現在川下ユーザが利用する間口60~100μmでは問題なく製造プロセスでの使用が可能―

知財出願や広報活動等の状況

・特許:「スプレーノズルおよびレジスト成膜装置」
(特許出願中)
・特許:「基板の凹部の検査方法および基板のレジスト膜の検査方法」(特許出願中)
・出展:セミコンジャパン2011(H23.12)
・論文:清家善之他”三次元スタック構造の半導体デバイスにおけるコンフォーマル成膜技術に関する研究,精密工学会誌,78,11(2012),969.他6件

研究開発成果の利用シーン

MEMSやセンサーなどの電子部品メーカーを対象とし、サポイン成果で得られた知見をもとに応用展開して、半導体プロセスにおける先端的電子部品製造工程へ、回転霧化式エアロゾルスプレーを搭載した成膜装置を提供できる

実用化・事業化の状況

事業化状況の詳細

・H23年度に実用化に成功
・試作機あり(サポインで試作した装置を社内に常時設置)

図1.研究開発成果の概要
提携可能な製品・サービス内容

設計・製作、製品製造、試験・分析・評価、共同研究・共同開発

製品・サービスのPRポイント

低コスト化→貫通電極を作成するにあたって、フォトリソグラフィを用いることで、低コスト化を図り、三次元スタック構造の半導体デバイスの早期普及を目指す

今後の実用化・事業化の見通し

川下ユーザの行った評価に沿い、実生産機の開発設計を行うとともに、顧客開拓に取り組んでいく
・サポイン事業終了後は、製作した試作機を用いて川下ユーザにて評価を実施する
・今後は、川下ユーザで評価した結果に基づいて、実生産機の開発設計を行っていく
・H27年度の事業化を目指して活動しており、そのために、半導体デバイスメーカへのマーケティングを強化する

プロジェクトの実施体制

主たる研究等実施機関 旭サナック株式会社
事業管理機関 公益財団法人名古屋産業科学研究所
研究等実施機関 国立大学法人九州大学

主たる研究等実施機関 企業情報

企業名 旭サナック株式会社(法人番号:5180001079441)
事業内容 塗装機器及び塗装設備の設計、製造、販売、施工、自動塗装装置および塗装システムの設計、製造、販売、施工、冷間圧造機械及びねじ製造用機械の設計、製造、販売、金型、治具、工具及び各種部品の設計、製造、販売、精密洗浄装置及び各種部品の設計、製造、販売、メカトロニクス応用電子機器及びソフトウェアの設計、製造、販売
社員数 400 名
本社所在地 〒488-8688 愛知県尾張旭市旭前町新田洞5050
ホームページ http://www.sunac.co.jp
連絡先窓口 ニューコンポーネント事業部取締役事業部長 宮地計二
メールアドレス miyachi@sunac.co.jp
電話番号 0561-54-6199