接合・実装
シリサイド化合物半導体による多層熱電デバイスにより、エンジンの熱効率が向上
宮城県
東北セラミック株式会社
2020年4月7日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 多層高効率熱電デバイスの製造 |
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基盤技術分野 | 接合・実装 |
対象となる産業分野 | 電池、化学品製造 |
事業化状況 | 実用化間近 |
事業実施年度 | 平成22年度~平成24年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
自動車エンジンは熱効率を飛躍的に向上させる技術的発展が渇望されている。本提案では発電効率のよい多層熱電デバイスを開発する。本デバイスを利用すればNOX除去装置から出た400℃~600℃の高熱の排気ガスから15%の効率で10KW程度の回収が期待される。従来構造に比べ電極の大幅な減少、安価な材料の使用、コンパクトな形状という特長があるため、大幅なコストダウン(1/4以下)、高出力密度が可能となる。
開発した技術のポイント
MnSi1.74(マンガンシリサイド)あるいはMg2(Si, Sn)(マグネシウムシリサイド)系のシリサイド化合物半導体をベースにして、多層熱電デバイスを開発する
(新技術)
シリサイド化合物半導体をベースにして、多層熱電デバイスを開発する
(新技術の特徴)
・電気的接続のための電極を大幅に減少させることができる
・コンパクトにできるため、コストダウン、高出力密度が可能になる
具体的な成果
・熱電材料の性能向上
‐ナノ構造の導入により熱伝導率を低減した
‐熱膨張係数の目標値を達成した
・ガラス材料の最適化
‐材料を選定し熱膨張係数とガラス転移温度を調整し、ペースト化を検討した
・多層熱電デバイスの試作と性能評価
‐シート工程と加圧焼結条件の最適化を行った
‐デバイスの試作と性能評価を実施した
研究開発成果の利用シーン
・熱膨張係数を調整し、性能を向上した熱電材料
・絶縁用ガラス材料
・多層熱電デバイスの試作品
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
・デバイスとしての発電動作、出力が得られることを確認したが、目標出力1W/cm2には達しておらず継続して研究開発を実施し、原因究明と出力性能の向上を図る
・川下ユーザーは排ガスだけでなく車のあらゆる場所の排熱からの電力回生を望んでいるので、事業化を見据え、熱電材料の選定とデバイス設計のあらゆる面で再検討が必要である
製品・サービスのPRポイント
・高性能多層熱電デバイスにより、エンジンの熱効率が飛躍的に向上、コスト削減を可能に
‐熱膨張係数を調整した高性能熱電材料と、熱膨張係数とガラス転移温度を調整したガラスペーストによる多層熱伝導デバイスで、エンジンの熱効率の大幅な向上が見込まれる
・耐久性が飛躍的に向上、長寿命化を実現
‐従来π型デバイスの素子電極を無くした多層熱電デバイスで、高信頼性が見込まれる
・省スペース設置により、低コスト化が可能に
‐従来π型デバイスの空隙を無くした多層熱電デバイスで、設置面積を大幅に削減でき、低コスト化が見込まれる
今後の実用化・事業化の見通し
・事業期間内で、発電動作、出力が得られることを確認したが、目標とする1W/cm2に到達しておらず、継続して原因の究明を行い、出力密度の向上を図る
・実用化のため、顧客ニーズを明確化して、材料およびデバイス構造の最適化を図ると共に、システムメーカーと連携して多層型熱電デバイスのユニット設計も進める
・放電プラズマ焼結法(SPS焼結)を用いない容易な製造法を構築し、コストダウンを推進する
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 東北セラミック株式会社 本社工場 |
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事業管理機関 | 株式会社インテリジェント・コスモス研究機構 |
研究等実施機関 | 国立大学法人東北大学 大学院工学研究科 株式会社村田製作所 日本特殊陶業株式会社 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 東北セラミック株式会社 |
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本社所在地 | 宮城県亘理郡亘理町字江下111 |
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