文字サイズ
標準
色の変更

研究開発された技術紹介

  1. トップ
  2. 研究開発技術検索
  3. 高圧水素配管の自動溶接

接合・実装

高圧水素配管の自動溶接

山梨県

藤精機株式会社

2021年2月16日更新

プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 水素社会実現に向けた、高品質かつ合理的な高圧水素溶接一体構造部品製造技術の研究開発
基盤技術分野 接合・実装
対象となる産業分野 環境・エネルギー
産業分野でのニーズ対応 高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(耐久性向上)、高性能化(信頼性・安全性向上)、高効率化(同じ生産量に対するリソースの削減)、高効率化(使用機器削減)、環境配慮、低コスト化
キーワード 高圧水素配管溶接、円周溶接
事業化状況 研究実施中
事業実施年度 平成29年度~令和1年度

プロジェクトの詳細

事業概要

現在普及が期待されている水素ステーションは、肉厚のステンレス管を機械式継手により締結する構造であり、70MPa以上の高圧で水素を供給している、しかし、本構造は信頼性やコスト面で課題を有する。本研究開発では、厚肉パイプ用自動溶接装置を開発し、溶接構造を採用した部品のサブモジュール化を進める。これにより、水素ステーションの設置費用を低減可能とし、水素社会を実現するためのインフラ整備を加速する。

開発した技術のポイント

・独自開発の自動溶接機のハードおよびソフトの改修により、熟練者が行う手溶接とほぼ同等な動作が可能となり、溶接時間の短縮、品質の高い溶接が可能となった。
・引張強度800MPa以上となる溶接条件で裏波の完全溶け込みを実現出来た。

開発した自動溶接装置(全体)
開発した自動溶接装置(溶接部)
具体的な成果

・溶接加工の高品質自動化
-独自開発の自動溶接機のハードおよびソフトの改修により、熟練者が行う手溶接とほぼ同等な動作が可能となり、溶接時間の短縮、品質の高い溶接が可能となった。
-引張強度800MPa以上となる溶接条件で裏波の完全溶け込みを実現出来た。
-今後の事業化に向けてモータ追加による電動化向上、ラインセンサによるビード形状の測定、バックシールドガス管理の精密化、急冷機能の追加等、HAWSによる自動溶接の優位性を確認した。
・高圧水素配管溶接一体構造化
-川下製造業者独自で建設した水素ステーション見学による3Dモデル化、一体構造配管溶接に対するニーズ調査等により高圧水素配管の施工価格および溶接での高圧水素配管認定に関する要望などを調査した。
-実際に高強度材HRX19で溶接構造を採用した商用水素ステーションを見学し、継手も内製し、具体的な高圧配管一体構造のサンプルを試作。
-事業化に向けて、標準的な溶接一体配管構造を標準仕様で事前に用意し、在庫管理する事で将来の少量短納期対応も検討した。
・溶接品質管理システム構築
-溶接条件と溶接品質との相関を確認し、事業化に向けたデータ集積を行った。
-検査仕様書の整備、作業手順書の作成とその過程における各種試験の実施により、品質保証体制の検討が完了した。
-高圧ガス保安法に対応した品質保証プロセスも明確化し、事業化に向けた準備を整えた。
-市場調査の結果、国内外での水素ステーションおよび高圧水素製造装置の数の増加が予測され、今後、高圧水素配管技術へのニーズが高まる事を確認した。

HRX19管材を用いた試作モジュール
知財出願や広報活動等の状況

今後、追加試験の実施や論文発表の過程で問題解決手法の新規性・独自性に関して知財戦略を展開する。まずは、HAWS開発の過程で生まれる新技術・新機構に関するアイデアの特許性を専門家を交えて検討し、将来の販路拡大に必要な特許申請を検討する。

研究開発成果の利用シーン

大型の水素ステーション、更に各応用分野の展開に対応できる小型、専用の水素供給装置、その後展開される各分野での水素供給設備のおける高圧水素配管接続箇所。

実用化・事業化の状況

事業化状況の詳細

基本的な技術開発は完了。事業化にあたって必要となる申請データ、および提出スべき試験データで取得が終わっていないものがあり、継続する。

提携可能な製品・サービス内容

加工・組立・処理、製品製造、共同研究・共同開発

製品・サービスのPRポイント

本事業にて開発した改良HAWSにより、厚肉パイプ用自動溶接が可能となり、溶接構造を採用した部品のサブモジュール化が推進できる。これにより、水素ステーションの設置費用を低減可能とし、水素社会を実現するためのインフラ整備に貢献できる。

今後の実用化・事業化の見通し

先ずは、事業化に向けて残っている業務である溶接健全性の最終確認試験として、SSRT(低ひずみ速度引張試験)および疲労強度試験を実施し、水素脆化特性の評価を行い、KHK(高圧ガス保安協会)の承認も受けて事業化をスタートする。同時並行で一体構造の更なる展開として曲げ構造の採用、量産性、コスト低減等の課題を克服し、更なる技術の高度化を進め、客先への提案を行っていく。

実用化・事業化にあたっての課題

・未実施である低ひずみ速度引張試験および疲労強度試験の実施、評価。
・水素脆化特性の評価
・高圧ガス保安協会の受認
・量産性、コスト低減活動

事業化に向けた提携や連携の希望

ST事業者から受注するエンジニアリング会社との連携を模索中、高圧水素配管溶接の健全性を求め大手企業研究所と補完研究を模索中

プロジェクトの実施体制

主たる研究等実施機関 藤精機株式会社
山梨県産業技術センター
事業管理機関 公益財団法人やまなし産業支援機構
研究等実施機関 ENEOS株式会社
東京ガス株式会社
株式会社本田技術研究所
国立研究開発法人産業技術総合研究所

主たる研究等実施機関 企業情報

企業名 藤精機株式会社(法人番号:9090001003159)
事業内容 精密板金加工(抜き、曲げ、溶接)、開発設計、プレス加工・プレス金型設計制作、組立加工(大型装置組立)、切削加工、治工具制作
社員数 87 名
生産拠点 本社工場(山梨県)、海外(アメリカ)にも展開
本社所在地 〒409-3853 山梨県中巨摩郡昭和町築地新居1648-7
ホームページ http://www.fuji-seiki.com
連絡先窓口 藤精機株式会社 常務執行役員 込山匡
メールアドレス tkomi@fuji-seiki.com
電話番号 055-275-6644