表面処理
複合酸化物及び防錆剤を活用した高強度防錆塗料及び容易かつ短工程で施工可能な工法
福岡県
ダイキ工業株式会社
2021年2月19日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 溶融亜鉛めっきの代替が可能な複合酸化物を活用した高強度防錆塗料と工法の開発 |
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基盤技術分野 | 表面処理 |
対象となる産業分野 | 建築物・構造物 |
産業分野でのニーズ対応 | 高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(耐久性向上)、高効率化(同じ生産量に対するリソースの削減)、高効率化(工程短縮)、環境配慮 |
キーワード | 鋼構造物、防錆効果、セメント、長寿命化、水性塗料 |
事業化状況 | 実用化に成功し事業化間近 |
事業実施年度 | 平成25年度~平成27年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
鋼材の汎用防食工法である溶融亜鉛めっきは、1大型処理設備2高温処理での熱ひずみの発生3亜鉛や空気抜きの事前孔加工4化学物質の大量使用5専門知識が必要6用途によっては外傷由来の白さびによる製品への悪影響等多くの課題がある。本事業では、大型設備の必要がなく、吹付け塗装、温和な加熱処理等容易かつ短工程で施工可能な複合酸化物と防錆材の相乗効果を特徴とする低コストの高強度防錆塗料と工法を開発する
開発した技術のポイント
大型設備の必要がなく、吹付け塗装、温和な加熱処理等容易かつ短工程で施工可能な複合酸化物と防錆材の相乗効果を特徴とする低コストの高強度防錆塗料と工法の開発
(新技術)
容易かつ短工程で施工可能な複合酸化物と防錆材の相乗効果を特徴とする低コストの高強度防錆塗料と工法を開発する
(新技術の特徴)
大型設備の必要がなく、吹付け塗装、温和な加熱処理等容易かつ短工程で施工可能となる
具体的な成果
・高強度防錆塗料の開発
1)塗膜強度:伸び率1%未満→0.86%/破断強度2.0N/以上→3.22N/で目標値を達成
2)付着強度:3層仕様(下塗+中塗+上塗)で平均値2.0N/→目標値2.0N/をほぼ達成
3)密着性試験:ハンマー試験(JISH8641)で、溶融亜鉛めっきと同等を確認
4)防錆性能:3層仕様(下塗+中塗+上塗)での複合サイクル試験(2000時間)後、錆片幅0.5~2.0mmとなり、8箇所中5箇所は1.0mm以下→目標値1.0mm以下をほぼ達成
5)塗装後、刷毛・ローラー塗り共に刷毛目、透け感、ダレなく良好
‐防錆メカニズムの解析:不働態皮膜は2価の鉄(FeⅡ)と3価の鉄(FeⅢ)及び酸素の化合物であり、長期経過サンプルより、さらに上層に薄いFeAl2O4膜の形成と防錆効果が発揮されたものと推察された
‐開発品が現行品と同程度の防食効果を示し、架台部位レベルの評価から各部位の腐食性は同程度と判明・塗装プロセスの開発
1)連続吹付塗装は、作業効率を向上するため、所定時間に材料計量と混練及び塗料タンクへ補充することで、目標である1時間あたり60m2から90m2へ作業効率の向上し、膜厚管理や塗装の許容時間等も確認済み
2)簡易式塗装は、加温養生条件及び加温時間により、自然養生工程4日→1日へ工程を短縮した
知財出願や広報活動等の状況
論文発表:材料と環境2017 講演大会論文(材料と環境Vol.67,No.2)
高炉スラグ混合セメント系防食塗料組成物の挙動と防錆メカニズム
研究開発成果の利用シーン
汎用防食工法である溶融亜鉛めっきの抱える課題を解決できる、複合酸化物と防錆材の相乗効果を特徴とする高強度防錆塗料と工法
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
事業化に向けて、客先にPR活動をしている。
サンプル品を対象物(船舶等)に塗装して好評価も得ているが、まだ実用化には至っていない。
提携可能な製品・サービス内容
製品製造
製品・サービスのPRポイント
・下塗材は水系のため、環境配慮型(溶剤低減)である
・亜硝酸塩を用いた防食メカニズムにより、高い防錆効果を発揮し、鋼構造物の長寿命化を図る
・高度な下地処理は不要のため、下地処理コストの低減を図ることができる
今後の実用化・事業化の見通し
・今後の実用化、事業化に向けて、新たな適用分野として開拓した大型の石炭や岩塩の運搬用船舶分野では、腐食環境面及び機械的な耐久性面で要求が厳しい分野であるが、客先からの強いニーズがある
・既に試験施工により開発品の防錆効果は確認できており、本格的な施工採用に向けて展開していきたい
・他に、腐食環境の厳しい鋼構造物や橋梁等にも適用可能と考えられ、PR活動を継続予定
実用化・事業化にあたっての課題
販路開拓
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | ダイキ工業株式会社 |
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事業管理機関 | 公益財団法人北九州産業学術推進機構 |
研究等実施機関 | エス・エルテック株式会社 国立大学法人九州大学 国立大学法人九州工業大学 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | ダイキ工業株式会社(法人番号:5290801002260) |
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事業内容 | 建設業 |
社員数 | 12 名 |
生産拠点 | 福岡県 |
本社所在地 | 〒802-0032 福岡県北九州市小倉北区赤坂5-6-64 |
ホームページ | http://daiki-kogyo.co.jp/ |
連絡先窓口 | 技術サービス部 |
メールアドレス | info@daiki-kogyo.co.jp |
電話番号 | 093-541-6081 |
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