文字サイズ
標準
色の変更

研究開発された技術紹介

  1. トップ
  2. 研究開発技術検索
  3. 難燃性マグネシウム合金から、従来と同等の製造コストで超高精度な光学部品を製造可能とする技術を確立!

精密加工

難燃性マグネシウム合金から、従来と同等の製造コストで超高精度な光学部品を製造可能とする技術を確立!

滋賀県

株式会社クリスタル光学

2023年2月4日更新

プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 難燃性マグネシウム合金の機械加工による部品製造技術の開発
基盤技術分野 精密加工
対象となる産業分野 医療・健康・介護、航空・宇宙、自動車、半導体、光学機器
産業分野でのニーズ対応 高機能化(新たな機能の付与・追加)、高性能化(小型化・軽量化)
キーワード 難燃性、マグネシウム、鏡面加工、高性能ダイヤモンド工具
事業化状況 事業化に成功
事業実施年度 平成28年度~平成30年度

プロジェクトの詳細

事業概要

軽量かつ比強度が高いなど多数の優れた特性で次世代材料として期待されるマグネシウム合金は、反応性の高さから機械加工が難しい材料であった。近年、難燃性のマグネシウム合金が開発され、機械加工が可能になっているが、この加工技術に関してほとんど実績が無いのが現状である。そこで、代表的な難燃性材料であるKUMADAマグネシウム合金の素材から、高精度な光学部品を機械加工にて製造する技術を開発する

開発した技術のポイント

・クリスタル光学にて、難燃性マグネシウム合金製の超高精度非球面ミラーを製造し、汎用材料であるアルミ合金同等の製造コストで、超高精度な光学部品を加工可能な技術を総合的に確立
・工具開発に関して、トーメイダイヤで多結晶ダイヤモンドPoly Crystal Diamond(PCD)ソリッド多刃エンドミルを開発
・PCDの刃先を熊本大学有明高専で鋭利化することで、マグネシウム合金の加工で市販品工具と同等の切削品質をもつ工具の開発に成功

具体的な成果

・超精密切削・超精密研磨技術の開発
‐エンドミル加工時の切削抵抗や工具摩耗量がアルミ合金同等以下であることを確認した
‐ダイヤモンド工具を用いた超精密切削加工での鏡面化や超音波振動援用加工が有効であることを実証した
‐専用の研磨液を自社開発し、超精密研磨技術を確立した

・高性能PCD工具の開発
‐難燃性マグネシウム合金の加工に最適なダイヤ砥粒を選定し、刃長の長いPCDソリッドエンドミルを開発した
‐試作したPCD工具の刃先部を紫外線照射研磨にて鋭利化し、切削品質を市販品のダイヤモンド工具と同等にまで高めた

知財出願や広報活動等の状況

・本研究開発成果の外部発表として以下の学会発表を行った
(1)Okiharu Kirino, Hiroyuki Nakagawa, “Practical fabrication of freeform optical parts with various materials” European Optical Society Annual meeting (EOSAM) 2018 招待講演
(2)桐野宙治,中川寛之,塩谷圭吾,峠睦,河村能人,“マグネシウム合金を用いた超軽量光学部品の開発” 2018 年砥粒加工学会学術講演会

研究開発成果の利用シーン

難燃性マグネシウム合金から、超高精度な光学部品を製造可能にする

実用化・事業化の状況

事業化状況の詳細

JAXAや大手電気機器メーカーに対して、難燃性マグネシム合金で製造したサンプル品を提供済み

提携可能な製品・サービス内容

素材・部品製造、製品製造

製品・サービスのPRポイント

難燃性マグネシウム合金から、汎用材料であるアルミニウム合金と同等の製造コストで、超高精度な光学部品を製造することを実現

今後の実用化・事業化の見通し

はじめに、難燃性マグネシウム合金の機械加工部品の受託製造で事業化を行う。その後、軽量化ミラーの需要が大きい航空宇宙分野の開発試作品などで受託製造の実績を増やし、汎用部品量産品の受注量を増やしていく計画である。これらが軌道に乗った後に、光学機器や医療・介護用品などで、マグネシウム合金製のオリジナル製品の事業化を目指していく

実用化・事業化にあたっての課題

難燃性マグネシウム合金の耐食性の低さを補うための表面処理技術に関しては開発の余地を残す

プロジェクトの実施体制

主たる研究等実施機関 株式会社クリスタル光学 常務取締役 桐野 宙治
事業管理機関 公益財団法人くまもと産業支援財団 企業支援部 産学連携推進室
研究等実施機関 トーメイダイヤ株式会社 超高圧燒結体事業部 事業部長 藤野 聡
国立大学法人熊本大学 特任教授 峠 睦
独立行政法人国立高等専門学校機構有明工業高等専門学校 創造工学科 メカニクスコース 講師 坂本 武司

主たる研究等実施機関 企業情報

企業名 株式会社クリスタル光学(法人番号:3160001000625)
事業内容 金属、非金属、新素材等の超精密研磨・研削加工、切削加工、精密測定。半導体、液晶装置関連事業。光学関連事業。航空宇宙関連事業。
社員数 100 名
生産拠点 本社工場、大津工場(滋賀県大津市)、京都工場(京都府南丹市)、熊本工場(熊本県西原村)
本社所在地 〒520-0241 滋賀県大津市今堅田3丁目4-25
ホームページ https://www.crystal-opt.co.jp/contents/contact
電話番号 077-573-2288