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製造環境

ファインバブル圧壊による非加熱殺菌技術を活用した賞味期限の大幅延長!

京都府

トスレック株式会社

2022年3月23日更新

プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 超高濃度ウルトラファインバブル(UFB)による牛乳等飲料の非加熱殺菌装置の研究開発
基盤技術分野 製造環境
対象となる産業分野 医療・健康・介護、環境・エネルギー、農業、産業機械、食品、半導体、化学品製造、養殖業
産業分野でのニーズ対応 高機能化(新たな機能の付与・追加)、高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(信頼性・安全性向上)、高効率化(同じ生産量に対するリソースの削減)、高効率化(工程短縮)、高効率化(人件費削減)、高効率化(生産性増加)、環境配慮、低コスト化
キーワード ファインバブル(FB)、ウルトラファインバブル(UFB)、非加熱洗浄殺菌、生体非加熱洗浄殺菌、バブル圧壊
事業化状況 実用化間近
事業実施年度 平成28年度~平成30年度

プロジェクトの詳細

事業概要

牛乳等飲料が本来有するタンパク質、ビタミン類、カルシウム等の変質を最小化し、飲料本来の栄養素や旨み、香り、風味等を引き出すことを目的に、世界初超高濃度ウルトラファインバブルを用いた非加熱殺菌装置を研究開発する。バブル粒径・濃度制御技術を開発し、バブル圧壊時エネルギーによる殺菌効果および誘電分極されたバブル周囲の水分子成分(水酸基/水素基イオン等)やバブル内のガス成分による抗菌効果を創出する。

従来技術と新技術の比較
UFB非加熱殺菌装置外観
超高濃度UFB非加熱殺菌装置の概要
開発した技術のポイント

原乳等飲料に本来含まれているビタミン類やアミノ酸等旨み成分の低減を最少化し、一般生菌の大幅低減と芽胞菌等耐熱性菌や大腸菌群等を滅菌できる。
・ファインバブルの安全性評価技術(飲用適)
・オゾンウルトラファインバブルによる洗浄殺菌法
・二酸化炭素ウルトラファインバブルによる洗浄殺菌法
・窒素ウルトラファインバブル置換による酸化防止と旨み維持 
・超高濃度水素水発生技術
・超高濃度酸素UFB発生技術
・対象物適用バブル粒径濃度制御技術
・ファインバブル+紫外線等併用での生体非加熱洗浄殺菌法
・牛乳等飲料用設備の洗浄殺菌技術(CIP応用)
・オゾン滅菌処理技術
・牛乳等飲料のバクテリア抑制移送技術
・ウルトラファインバブルの計測、輸送、保存技術
・洗浄度評価技術
・牛乳等を発泡させないでUFB化する技術

具体的な成果

・UFB粒径・濃度制御技術の開発
‐UFB粒径:70nm~180nm、脱気性能:0.01ppm
‐バブル濃度:700万個~30億個/ml達成
・UFB化飲料の安全性の確認
‐OECD TG420 ラットを用いた単回経口試験により安全性を確認
・UFB化による殺菌・抗菌原理の解明
‐CO2のFB下での超音波圧壊により、殺菌効果を確認。またNaCl添加により、高い殺菌効果が得られる事を確認
・牛乳等飲料のUFB化による成分比較検査と官能比較検査評価
‐原乳:国際酪農連盟規定による風味検査により達成率60%、(理由:原乳に含まれる大腸菌殺菌が不十分)
‐その他飲料(緑茶、オレンジジュース)では成分変化は殆どなかった。
-オレンジジュースについては新たな飲料としての可能性を見出した。

原乳のUFB化による外観評価
オレンジジュースのUFB化による官能比較
知財出願や広報活動等の状況

・特許案件 日本国特許第6123013号 名称:バブル含有液製造装置およびバブル含有液製造方法
ーPCT出願済み特許 PCT/JP2017/006686の欧州、中国、韓国、米国および台湾の特許権確立
ー特願2017-207744、特願2017-228283、特願2017-244557、特願2018-016901の補正手続き完了
ー特願2018-026893の特許査定 名称:水素水、その製造システムおよび製造方法
・サポイン事業に関連する広報活動の実績
ー日本防菌防黴学会第44回年次大会での発表 :ファインバブルの超音波圧壊場を利用した殺菌技術の開発
ー国際食品工業展アカデミック2018ポスター展示 :ファインバブルの超音波圧壊場を利用した殺菌技術の開発
ー日本防菌防黴学会第45回年次大会での発表 :ファインバブルの超音波圧壊場を利用した殺菌処理に及ぼす塩化ナトリウムの影響

研究開発成果の利用シーン

・牛乳等飲料の殺菌処理において、牛乳等飲料の超高濃度UFB化による非加熱殺菌/抗菌技術で賞味期限の大幅延長を図る。
・食品の洗浄殺菌、食品製造設備の洗浄殺菌、生体を含む非加熱洗浄殺菌応用。
・腔内洗浄殺菌、白癬菌殺菌治療用途。
・飲料用/浴用水素水発生装置。

実用化・事業化の状況

事業化状況の詳細

・牛乳等飲料の殺菌処理において、評価段階からの顧客獲得で顧客数が増加しつつある。
・本補助事業終了後、直ちにそれまでの研究開発部からファインバブル事業部に社内体制を強化一新し、事業展開活動を鋭意進めている。
・また、並行して実施していた別の補助事業において、生体非加熱殺菌として牡蠣のノロウイルス浄化の第1段階であるヒトノロウイルス代替ウイルスであるFCV「注1」(ネコカリシウイルス)の完全浄化に成功。
2020年1月広島でのヒトノロウイルス浄化評価を決定し取組中で、魚介類の畜養及び生体非加熱洗浄殺菌装置として製品化を検討中。
食品用CIP「注2」洗浄応用で共同開発を検討中。注1:FCV=米国FDA(アメリカ医薬品食品局)にてヒトノロウイルスの代替ウイルスに認定、注2:CIP=定置洗浄

提携可能な製品・サービス内容

設計・製作、製品製造、試験・分析・評価、共同研究・共同開発、技術ライセンス、技術コンサルティング

製品・サービスのPRポイント

・成分:ビタミンC、D、Eの消失無し。ホエイタンパクの変質やアミノ酸の低減も極小化できる。牛乳等本来の香り維持
・保存技術:耐熱性菌も殺菌でき、抗菌効果付与により比較的長時間の保存が可能
・臭い、香り等:非加熱殺菌のため加熱による焦げ臭や変質なし
・設備価格:安価(当該設備のみ)
・安全性:非加熱殺菌のため発がん性物質生成せず
・ガス置換効果:バッファタンクへの加圧置換と超高濃度UFB化で溶存酸素量を大幅低減

今後の実用化・事業化の見通し

本事業を通じて令和元年度中に日本食品機械研究会、一般社団法人日本食品機械工業会への入会、ホームページのリニューアル等で事業展開のための交流や情報収集を行い、新たな人脈の形成と認知度向上を図る。その後、本事業最終年度の食品加工設備メーカとの実用化検証と並行して食品業界に精通した食品用加工機専任の販売代理店を設定する。併せて性能アピールのため新価値創造展、FOOMA JAPAN(国際食品工業展)、洗浄総合展等の展示会に積極的に出展する。この展示会やホームページ等で興味を持っていただいた顧客に対してデモンストレーションや貸出評価を行い、洗浄殺菌効果を明確にすることで導入を促進する。近畿圏の顧客を中心に事業立ち上げし、その後、国内全域に販売促進を進め本事業終了後5年後)までには米国、EU、東南アジア等にグローバル展開する

補助事業成果をベースに開発した商品機
実用化・事業化にあたっての課題

原乳、牛乳のウルトラファインバブル化については芽胞菌等の殺菌が現状では十分でないため、一旦何らかの加熱殺菌が必要である。

事業化に向けた提携や連携の希望

・飲料等においてはファインバブルと紫外線殺菌等併用法(特許権確立)や低濃度オゾン併用が可能であれば、芽胞菌殺菌も対応可能である。
・生体非加熱洗浄殺菌技術を活用した魚介類の畜養、浄化が可能で養殖事業者や種苗生産者等との連携も展開をして行きたい。
・魚介類の養殖等においてはウイルスやバクテリア、寄生虫等の課題が多いため、当社特許技術を応用し評価頂く共同研究機関を募集中である。

プロジェクトの実施体制

主たる研究等実施機関 トスレック株式会社 本社 ファインバブル事業部
事業管理機関 一般財団法人大阪科学技術センター 技術振興部
研究等実施機関 国立大学法人三重大学 大学院生物資源学研究科 生物圏生命科学専攻 海洋微生物学研究室 教授福崎 智司
国立大学法人北海道大学 大学院農学研究院 食品加工工学研究室 准教授小関 成樹
学校法人同志社同志社女子大学 生活科学部 食物栄養科学科 調理科学研究室教授 真部 真里子
アドバイザー ・一般社団法人ファインバブル産業会 ・一般財団法人日本食品分析センター ・三丸機械工業株式会社 

主たる研究等実施機関 企業情報

企業名 トスレック株式会社(法人番号:9130001011272)
事業内容 業種:その他製造業   事業内容:EMS事業、ファインバブル応用事業
社員数 180 名
生産拠点 上記 本社工場内
本社所在地 〒601-8303 京都府京都市南区吉祥院西ノ庄西中町46番地の2
ホームページ http://www.tosslec.co.jp/
連絡先窓口 ファインバブル事業部
メールアドレス bubble_inquiry@tosslec.co.jp
電話番号 075-314-2418