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測定計測

瞬時に高感度でCOD(Mn)およびアンモニウムイオンを測定できる化学発光式小型・他項目水質測定装置の開発!

滋賀県

株式会社日吉

2020年3月21日更新

プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 化学発光式小型・多項目水質測定装置の開発
基盤技術分野 測定計測
対象となる産業分野 環境・エネルギー、農業、食品
産業分野でのニーズ対応 高効率化(同じ生産量に対するリソースの削減)、高効率化(人件費削減)、高効率化(生産性増加)、環境配慮、低コスト化
キーワード COD迅速測定、アンモニア迅速測定、公定法高相関、CODモニタリング、アンモニアモニタリング
事業化状況 実用化間近
事業実施年度 平成28年度~平成30年度

プロジェクトの詳細

事業概要

水質汚濁項目であるCOD(Mn)及びアンモニウムイオンは公定法(JIS規格 JIS K0102)にて、手分析および機器分析で測定されている。本研究開発では、MN(Ⅶ)と有機物の反応と、臭素酸イオンとアンモニウムイオンが反応する際に生じる微弱な化学発光を測定することによって、瞬時かつ高感度でCOD(MN)およびアンモニウムイオンを測定できる化学発光式小型・多項目水質測定装置を開発する。

開発した技術のポイント

・排水処理施設水質モニタリング向けの高感度型では、大きなコスト変更なく検出器をフォトダイオードから小型フォトマルチプライヤーに変更したことにより、フォトダイオードタイプよりも感度を大幅に向上させることができた。
・アンモニウムイオンについては目標とした0.9以上の高い相関係数が得られた。COD(Mn)については試料種別により測定値の傾向が異なったため、試料種別ごとに相関係数を算出したところ、生活排水系で0.9以上の高い相関を得た。

具体的な成果

・発光部への鏡面構造の導入、また光検出器と発光セルの最適距離の検討を行い、COD(Mn)の定量下限値は3mg/L、アンモニウムイオンでは1mg/Lとなった。
・本事業で開発する現場モニタリング装置の必要定量下限値としては5mg/L程度と考えており、これは達成した。
・バッチ式発光セルの導入により、COD(Mn)とアンモニウムイオンを1回当たりの全廃液量合計は、初期の112mLから60mLに削減できた。
・高感度型センサーとしてフォトダイオード(PD)から小型フォトマルチプライヤー(小型PMT)に、超高感度型として高感度フォトマルチプライヤーを搭載したものを製作した。
・感度が不十分であったPD型装置に対し、同等コストの小型PMT搭載装置の感度は90倍以上が得られた。
・送液チューブ口径、加熱反応部及び発光セルをバッチ式にすることで、SS濃度0.01%までの試料に対応可能となった。
・排水種別ごとに測定値を公定法値に変換する換算式の導入が必要であることがわかった。
・COD(Mn)については、排水種別の影響を受ける事は判明し、生活排水と産業排水等の排水種別を分けることによって、公定法との相関係数が0.9以上となった。
・アンモニウムイオンについては、全測定試料について相関係数が0.9以上となった。
・1週間連続運転試験において、COD(Mn)及びアンモニウムイオン共に基準値に対する回収率(連続測定安定性)は20%を超えていたため、ポンプ等構成機器の作動安定性と連動性の向上を現在も改良検討している。
・COD(Cr)化学発光法(海外導入法)の測定条件を検討し、最適測定条件の基本となる部分は決定したが、試料中の塩化物イオンによる測定阻害等の課題が見つかり、現在も検討を進めている。
・有害な六価クロムの無毒化法、廃液からの全クロム除去法を検討した。
・目標事項に加えて、次亜塩素酸イオン測定法の検討を行った。

知財出願や広報活動等の状況

・化学発光式COD測定装置の方式を活用した他物資の濃度測定装置について特許申請を検討している。

研究開発成果の利用シーン

国内外の排水処理施設にて水質汚濁項目であるCOD(Mn)及びアンモニウムイオンの迅速測定と公定法値との相関のある測定値よる適正維持管理の安定継続の実現。COD(Mn)及びアンモニウムイオン環境公定法測定の補助的数値を得ることによる公定法測定の効率化と再検査率低減。

実用化・事業化の状況

事業化状況の詳細

CODMn測定に関しては、測定プロセス及び測定結果は得られているが、装置構成機器動作由来の繰り返し測定値の安定化、各種測定試料に応じた公定法換算式の決定、および構成機器類の低コスト化を開発研究中である。アンモニウムイオン測定に関してはプロトタイプ装置製作に向け開発中である。

提携可能な製品・サービス内容

試験・分析・評価、共同研究・共同開発

製品・サービスのPRポイント

低コスト・迅速・高感度・小型なCOD(Mn)及びアンモニウムイオン成分同時測定化学発光測定装置

今後の実用化・事業化の見通し

株式会社日吉では本年度から令和2年度にかけて、課題を含めた試験とプロトタイプの製作・評価を行う予定をしている。その後、製品化・製作を行い、令和3年度内には国内、令和5年度からは海外での営業販売もしていきたいと考えている
また、アンモニウムイオン測定に関しては公定法との高相関値と全試料に対して安定した測定値を得ていることから優先して製品化を検討することを考えている。

実用化・事業化にあたっての課題

連続測定安定性の向上は、前処理部の各種ポンプの定量安定性や加熱槽の構造・温度制御方式・の改良及び換算式の決定により課題解決する見込みであり、プロトタイプ製作時点で解決する予定である。また、COD(Mn)測定時の化学発光法測定値から公定法値への換算式については、今後はさらに多くの試料を測定・解析し、試料の排水種別ごとに検討を行い、プロトタイプ制作時点で導入検証し、製品化までには確定する予定である。

事業化に向けた提携や連携の希望

環境サービス事業を専業としており装置製作製造に関しては良好な関係での提携連携先を探している。

プロジェクトの実施体制

主たる研究等実施機関 株式会社日吉
事業管理機関 公立大学法人大阪(大阪府立大学)
研究等実施機関 公立大学法人大阪(大阪府立大学)

主たる研究等実施機関 企業情報

企業名 株式会社日吉(法人番号:4160001010945)
事業内容 分析測定、環境インフラ維持管理、工業薬品・医薬品販売、一般及び産業廃棄物処理、土木工事等
社員数 304 名
生産拠点 東京・大阪・横浜に支店があり、グループ会社として神奈川県湘南に「湘南分析センター」とインド国チェンナイ市「日吉インディア」がある。
本社所在地 〒523-8555 滋賀県近江八幡市北之庄町908番地
ホームページ www.hiyoshi-es.co.jp
連絡先窓口 技術部 分析研究課 奥長正基
メールアドレス m.okunaga@hiyoshi-es.co.jp
電話番号 0748-32-5001