測定計測
プラント設備の予知保全を可能にする自立電源センサモジュールとビッグデータ解析手法の研究開発
宮城県
仙台スマートマシーンズ株式会社
2023年2月12日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 大型プラントメンテナンスに用いる振動センサネットワークノードモジュールの研究開発 |
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基盤技術分野 | 測定計測 |
対象となる産業分野 | 環境・エネルギー、自動車、産業機械、情報通信、建築物・構造物、工作機械 |
産業分野でのニーズ対応 | 高機能化(新たな機能の付与・追加)、高効率化(同じ生産量に対するリソースの削減)、高効率化(人件費削減)、環境配慮 |
キーワード | IoT、エナジーハーベスタ、予知保全、ビッグデータ解析、ヘルスモニタリング |
事業化状況 | 実用化に成功し事業化間近 |
事業実施年度 | 令和1年度~令和3年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
セメント製造業、鉄鋼製造業などでは長大な原材料運搬用ベルトコンベイヤーが設置され運用されている。本研究開発ではこのようなプラントの予防保全システムの構築のためにプラントの振動をモニタするエナジーハーベスタ、振動センサ、電源IC、CPU、無線送受信装置から構成されるセンサネットワークノードを研究開発する。同時に異常状態のデータベース無しで予防保全が可能な新たなビッグデータ処理法を研究開発する。
開発した技術のポイント
・MgHfAl-N薄膜形成の最適化の条件として、Hfの成分比率が45%(x=0.45)の時に最大性能指数120GPaを得られることが分かった。
・本研究開発における測定対象となるプラントモニタリングでの振動状態から、片持ち梁型エナジーハーベスタを用いた自立型センサノードモジュールの開発を実施する事とした。
・エナジーハーベスタ素子のパッケージングにて保護等級IP54の規格認証を取得し、10G下の振動で1200時間以上の連続駆動できる構造を検討した。
・開発したエナジーハーベスタおよびセンサノードシステムによる加速度データの送信実験を行い、十分実用に足る性能と確認した。
・振動周波数、持続時間、不連続性・連続性などのパラメータの組み合わせから異常値を検出・判断するアルゴリズムを決定した。
・参照データのマッピング処理と、経時変化データの読み込み及びマッピングを適宜実施できるプログラムの開発を行った。
具体的な成果
・高出力・高効率エナジーハーベスタ研究開発課題への対応
‐エナジーハーベスタで用いるMgHfAl-N薄膜の形成を達成するため、スパッタリング条件の適性化(MgHf1-xAlx-N圧電薄膜の成分比x)を実施
‐X=0.45の時に最大の性能指数を実現できることを確認
‐振動構造を確立し、最大出力5mW/立方センチメートル以上となるエナジーハーベスタを作製
‐目標振動最大出力エネルギー密度となる発電素子機構を開発
‐エナジーハーベスタのパッケージング方法に関して、エンジニアリングプラスチックを用いた高耐久性のパッケージング法を開発
‐エナジーハーベスタおよびセンサモジュールの耐環境試験でIP54規格に合格
・振動センサネットワークノードモジュールの研究開発およびセンサを用いたプラントモニタリング用のビッグデータ解析手法の研究開発課題への対応
‐センサネットワークノードとして、センサ信号無線送受信距離100m以上、情報送信速度最大1Mbps、設計/製作コスト計30万円以下となるシステム構成を実現
‐周波数領域、強度などの特徴から異常値の検出・判断が可能な解析プログラムを作成
知財出願や広報活動等の状況
知的財産
・特許取得 「圧電体薄膜、圧電素子および圧電発電装置」2018-56263 SSM(6994247)
研究開発成果の利用シーン
連続運転を前提とした巨大インフラにつながるようなベルトコンベアにおける故障の予兆を迅速に捉え、適切なメンテナンス計画を立案し、事故を未然に防ぐことを目的とする。
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
本研究開発結果は実用化レベルに達したと考えるが、作製したセンサノードの実地での動作確認、また作製プログラムの実地での運用は本研究期間中に実施する事は適わなかった。
提携可能な製品・サービス内容
設計・製作、加工・組立・処理、製品製造、試験・分析・評価、共同研究・共同開発
製品・サービスのPRポイント
配線が不要、電池交換不要で、必要な箇所に自由に設置できるエナジーハーベスティングを適用したセンサノードモジュールとする。
12分間隔で加速度データが送信できるセンサノードシステムを開発。
プラントモニタリング用監視システムとして異常値の検知・判断ができるプログラムを開発。
今後の実用化・事業化の見通し
・昨年度取得のフィールドデータの使用とウェブ上での公開でデータ使用を組み合わせてシミュレーション検討をしている。
・振動構造体に関して、振動周期1Hz以下の超低周波振動センサを開発した。本センサは巨大建造物のヘルスモニタリング、屋内位置情報把握用途として期待できる。働き方改革や新型コロナウイルス感染症によりリモートワークが推奨される中で、超高層ビル、建築物のリモート監視システムでの活用も考慮している。
実用化・事業化にあたっての課題
コロナ禍において共創パートナー会社である宇部興産の社内事情が大きく変化しており、本事業の研究開発計画において宇部興産にてフィールド実験が困難な状況が判明した。
事業化に向けた提携や連携の希望
鉄鋼業、セメント業などプラントを展開している事業会社との連携(実地試験、試験導入、プロト機の展開)
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 仙台スマートマシーンズ株式会社 |
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事業管理機関 | 国立大学法人東北大学 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 仙台スマートマシーンズ株式会社(法人番号:7370003003510) |
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事業内容 | 製造業 |
社員数 | 4 名 |
本社所在地 | 〒980-8579 宮城県仙台市青葉区荒巻字青葉6-6-40 |
ホームページ | http://www.ssmcoltd.co.jp/ |
連絡先窓口 | 仙台スマートマシーンズ株式会社 高山洋佑 |
メールアドレス | takayama-y@ssmcoltd.co.jp |
電話番号 | 022-795-5080 |
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