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測定計測

原子スケールの欠陥をその場で評価! ポータブル陽電子寿命測定装置

愛知県

東洋精鋼株式会社

2025年1月27日更新

プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 インフラ保全に資する格子欠陥の短時間オンサイト陽電子寿命測定システムの開発
基盤技術分野 測定計測
対象となる産業分野 建築物・構造物
産業分野でのニーズ対応 高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(小型化・軽量化)、高性能化(信頼性・安全性向上)
キーワード 陽電子寿命,耐候性鋼橋梁,さび診断,インフラ,保全
事業化状況 実用化に成功し事業化に向けて取り組み中
事業実施年度 令和3年度~令和5年度

プロジェクトの詳細

事業概要

本事業では、短時間測定技術の開発とアプリケーション開発の2つを行う。
・短時間測定技術開発
-陽電子検出器の性能向上
-ΔT0法の陽電子寿命解析プログラムへの実装
-データ解析へのAI導入
・アプリケーション開発
-陽電子寿命による耐候性鋼橋梁さび診断の検討
-IoT化
-システム改良点の抽出とフィードバック

開発した技術のポイント

・短時間測定技術開発のポイント
-新規遮光方法としてアルミ蒸着フィルムの採用
-光検出器にMPPCを採用し陽電子検出器を小型化
-シミュレーションと実測により検出器レイアウトを最適化
・アプリケーション開発のポイント
-複合サイクル試験や大気暴露試験によりさび試験片を作製し評価、さびの成長と陽電子寿命に相関があることを確認
-AWS上にIoT化のための環境を構築
-ユーザビリティ向上のためのソフトウェア・ハードウェア開発

小型化した陽電子樹寿命測定装置
さびの成長に伴う陽電子寿命値の変化
具体的な成果

・新規遮光方法と陽電子検出器の小型化により測定時間を1/10に短縮
・ΔT0法の改良により短時間でも測定精度を維持
・さび成長に伴う陽電子寿命値の増加を確認し、さび診断の可能性を示唆
・機械学習を用いたデータ解析により、さらなる短時間測定の可能性を示唆
・IoT化のための環境構築、API整備、アプリケーション開発を実施
・ソフトウェアの大幅な再設計により、ユーザビリティと拡張性を向上

知財出願や広報活動等の状況

【論文発表】
1)Masato Yamawaki, Naoya Uesugi and Yoshinori Kobayashi,"Development of a small and light portable positron annihilation lifetime measurement equipment for on-site measurements", Japanese Journal of Applied Physics
2) N. Uesugi, M. Yamawaki, K. Hattori, Y. Watanabe,"Application of on-site positron annihilation lifetime spectroscopy system as non-destructively shot peening evaluation technique", International Conferences on Shot Peening 14. Pproceedings
【知的財産】
陽電子消滅特性測定装置(特願2022-037494)

研究開発成果の利用シーン

・X 線回折法とは異なった原子レベル損傷評価が可能であり、新たな余寿命診断ツールとしての利用
・インフラを維持管理するための根幹をなす技術としてエネルギー産業、土木・建築といった産業分野での利用

実用化・事業化の状況

事業化状況の詳細

究機関等への拡販を積極的に行い、装置の有効性検証を進める。理化学機器の専門商社と連携し、事業終了後速やかに開発した装置の販売を予定している。また、耐候性鋼のさび診断についてデータ整理や追実験を行い、NETISへの登録を検討する。

提携可能な製品・サービス内容

製品製造

製品・サービスのPRポイント

・新たな遮光技術の開発や解析プログラムの実装により、従来比1/10 の短時間オンサイト測定技術を実現
・検出器の小型化やレイアウトの最適化を行い従来比1/2の小型化を実現

今後の実用化・事業化の見通し

・研究機関への積極的な拡販による有効性の検証
・理化学機器専門商社との連携による販売体制の構築
・NETISへの登録によるインフラ診断分野への展開
・現場利用に応じたユーザーエクスペリエンスの継続的な改善

実用化・事業化にあたっての課題

・より多くのさびサンプルでの評価によるデータベース構築
・機械学習モデルの学習データ拡充とモデルの再検討
・現場での要望に応じたソフトウェアの迅速な改修対応
・NETISへの登録に向けたデータ整理と追実験の実施

事業化に向けた提携や連携の希望

耐候性鋼橋梁のさび診断技術として本技術を実橋梁にて試験運用できる企業・団体を模索中

プロジェクトの実施体制

主たる研究等実施機関 東洋精鋼株式会社 技術開発グループ
事業管理機関 公益財団法人名古屋産業科学研究所
研究等実施機関 国立大学法人東海国立大学機構岐阜大学 工学部 社会基盤工学科防災コース 准教授 木下幸治
国立研究開発法人産業技術総合研究所 計量標準総合センター  分析計測標準研究部門 主任研究員 山脇正人
アドバイザー ヤマダインフラテクノス株式会社

主たる研究等実施機関 企業情報

企業名 東洋精鋼株式会社(法人番号:8180001097390)
社員数 74 名
生産拠点 三重県松阪市に航空機部品のショットピーニング受託加工工場、アメリカ、タイにショットピーニング用投射材の生産工場を保有
本社所在地 〒490-1412 愛知県弥富市馬ヶ地三丁目195番地1
ホームページ https://toyoseiko.co.jp
連絡先窓口 技術開発Gr. 半田
メールアドレス m_handa@toyoseiko.co.jp
電話番号 0567-52-3454