製造環境
出力可変、低コスト、高効率、小型の国産・工業用電子加速器の実現!
滋賀県
株式会社パルスパワー技術研究所
2022年1月28日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 高電圧半導体スイッチを使用した電子線滅菌用高電圧パルス電源の開発 |
---|---|
基盤技術分野 | 製造環境 |
対象となる産業分野 | 医療・健康・介護、環境・エネルギー、自動車、農業、産業機械、食品、建築物・構造物、化学品製造 |
産業分野でのニーズ対応 | 高性能化(既存機能の性能向上)、低コスト化 |
キーワード | 滅菌、半導体スイッチ、高電圧パルス電源 |
事業化状況 | 事業化に成功 |
事業実施年度 | 平成28年度~平成30年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
従来のサイラトロン(真空管)の代わりに、8KV以上の耐圧を有する半導体スイッチ(SIサイリスタ等)を開発し、このスイッチを使用した長寿命の高電圧パルス電源を開発し、これでマイクロトロンを使用した電子線滅菌装置を駆動可能とする。従来、電子線滅菌装置はベルギーのロードトロンが市場を独占してきたが、ロードトロンに比べ、出力可変、低コスト、高効率、小型の国産・工業用電子加速器を実現を目指す。
開発した技術のポイント
・SIサイリスタの開発は、開発目標の100%達成はできなかったが、耐電圧7.6kV、ピーク電流5kAの単発動作と6kV、600Aで500Hzの繰り返し動作の確認ができた
・高電圧パルス電源の開発については、電源のモジュール化、光ファイバーの活用・油絶縁冷却による小型化、サイリスタを使用した1kHz動作が確認できた
具体的な成果
・チップ試作については平成29年度の試作で問題であった実装時の耐圧不良(電極ショート不良)は解消されるとともに、入力端子の逆電圧を16V増加することに成功した。そして耐電圧7.5kV(at6Hz)で特性オン抵抗132Ωcm2、ターンオン性能は2.65kV,3290Aの条件にて450nsの成果を得た。これらの成果は当初の目標には達しなかったが昨年同様、SiCの理論限界に迫る低損失、高耐圧性能で有り、ターンオン性能においても1チップにて3000A以上で500ns以下の極めて高速性能を達成した。またAlN基板を用い、試作チップに対し100A程度の静的な導通特性を測定した結果、約30mΩの低いオン抵抗が観察され、開発したサイリスタの低損失性能が裏付けられた
・パルス電源の試作については、開発目標である、120kV、100A、10μs、1kHzのそれぞれの目標値を超える性能を達成し、さらには、マイクロトロン設備に対し、既設の電源を本開発の電源と置換え、動作試験、評価・検証を実施し、今回開発した半導体を使用した高電圧パルス電源で、既設電源と同等以上の動作をすることを確認し、実負荷に対して問題なく使用できることを確認した
研究開発成果の利用シーン
医療器具用、食品用(海外)等大部分の滅菌
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
事業化に向けて、電子線加速器と接続してのパルス電源のシステム試験において、現場搬入、据え付け、配線、試験の各段階で金属技研株式会社の現場スタッフに多大なご協力を頂いた。今回開発したパルス電源の有望顧客である金属技研株式会社との友好な協力関係を深め、事業化に向けた一歩を踏み出すことが出来た。平成31年度よりサンプルの出荷・評価、製品等の生産・販売を行う。平成31年度半ばから追加研究、設備投資を開始
提携可能な製品・サービス内容
設計・製作、製品製造、共同研究・共同開発、技術コンサルティング
製品・サービスのPRポイント
・エネルギー、出力が可変
・従来の5分の1のコスト
・装置サイズ小
今後の実用化・事業化の見通し
半導体デバイス(SIサイリスタ)の商品化にはまだ継続開発が必要。MOSゲートサイリスタを使ったシステムは既に完成しており、積極的に拡販に向けて学会、国際会議などでPRを進めていく。
実用化・事業化にあたっての課題
特性のばらつきが大きく、歩留まりが悪い
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 株式会社パルスパワー技術研究所 |
---|---|
事業管理機関 | 公益財団法人滋賀県産業支援プラザ |
研究等実施機関 | 国立大学法人山梨大学 国立大学法人名古屋大学 国立大学法人熊本大学 |
アドバイザー | 金属技研株式会社、高エネルギー加速器研究機構、東京工業大学 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 株式会社パルスパワー技術研究所(法人番号:3160001014633) |
---|---|
事業内容 | 高電圧パルス電源の開発、設計、製造、共同研究、技術コンサルタント |
社員数 | 9 名 |
生産拠点 | 滋賀県草津市 |
本社所在地 | 〒525-0032 滋賀県草津市大路二丁目3番16-103号 |
ホームページ | http://www.myppj.com/ |
連絡先窓口 | 代表取締役 德地 明 |
メールアドレス | tokuchi@myppj.com |
電話番号 | 077-598-1470 |
研究開発された技術を探す