製造環境
プラスチックフィルムに命をそそぐ~携帯電話を超える超軽量薄型テレビ~
山梨県
株式会社中家製作所
2020年3月16日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | FPD用ガリウム添加酸化亜鉛透明導電膜の低温成膜装置の開発 |
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基盤技術分野 | 製造環境 |
対象となる産業分野 | スマート家電、半導体、エレクトロニクス |
産業分野でのニーズ対応 | 高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(耐久性向上)、高性能化(信頼性・安全性向上)、高効率化(同じ生産量に対するリソースの削減)、高効率化(生産性増加) |
キーワード | レアメタルフリー、低コスト、フレキシブルデバイス対応、ダメージのないソフト成膜 |
事業化状況 | 研究実施中 |
事業実施年度 | 平成18年度~平成20年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
希少金属を用いない次世代透明導電膜であるガリウム添加酸化亜鉛膜の50V大型基板への成膜装置の開発を行う。本装置は低温、低コストでの成膜を可能とし、FPD産業の成長に貢献する。また超軽量薄型テレビや電子ペーパー、透明電磁シールドパネル等、新製品創出を可能にする
開発した技術のポイント
マイクロ波プラズマで生成した酸素ラジカルと亜鉛原子を基板表面で反応させて酸化亜鉛を合成・成膜する技術により50℃程度の低温でも高品質透明導電膜を製造できる装置を製作した。Ga(ガリウム)原子の添加量を調節すれば所望の膜抵抗率が得られる。本装置によりガラス及び各種プラスチックシートにいろいろな抵抗率のGZO透明導電膜を成膜した。
(新技術)
<開発目標>
・高品質GZO透明導電膜の室温付近の低温成膜を実現する
・大面積均一成膜を実現する
具体的な成果
ガラス及び各種プラスチックシートにGZO透明導電膜を成膜できる装置を開発した。本装置は以下の特徴を有する。
・成膜温度:50℃~300℃
・成膜面積:650mm×300mm、300mm方向に移動可
・膜抵抗率:2×10-4Ωcm~5×10-2Ωcm
知財出願や広報活動等の状況
論文数:5件
研究開発成果の利用シーン
開発したガリウム添加酸化亜鉛薄膜のRoll to Roll方式連続成膜技術により、プラスチックフィルムへの透明導電膜のソフトな成膜が可能となり、これから大いなる発展が期待できるフレキシブルデバイスであるフレキシブルディスプレイやフレキシブル太陽電池などへの利用活用が可能である。
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
川下企業へサンプルを提供し評価してもらっている。意見を吸い上げ改善策を開発中
提携可能な製品・サービス内容
設計・製作、加工・組立・処理、共同研究・共同開発、技術ライセンス、技術コンサルティング
製品・サービスのPRポイント
現在最も普及している透明導電膜であるITOと比較し、レアメタルフリーで原料コストが低く、スパッタリングターゲットを要しない新たな成膜技術であるプラズマ支援堆積法はランニングコストも低減できる。本成膜技術は成膜中にイオンの発生がなく、さらに50℃以下の低温での成膜が可能であるため、基板にダメージを与えることがない。したがって将来の量産実用化が期待されている多層デバイスに対して、デバイス上への成膜も可能である。
今後の実用化・事業化の見通し
・事業化に必要な課題等を残しているため現体制のまま補完研究を行う。
・セミコン等への出展を行い、顧客、ライセンシー企業へアピールする。
・事業化に対応するため株式会社中家製作所社内体制を再構築する(2010年度)。
・業界への営業チャンネルを確保している中家製作所営業部を中心に川下業者への営業活動、動向調査を行う(2011年度以降)。
実用化・事業化にあたっての課題
成膜装置の耐久性、メンテナンス性向上、ワークのハンドリング、前処理・後処理を含めた自動運転化をはかるとともに、成膜品質と成膜速度の更なる向上に取り組む。
川下企業の動向を調査しながら本成膜装置による透明導電膜を組み込んだ液晶ディスプレイを試作し、GZO膜の後工程プロセス適合性を向上させる。
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 株式会社中家製作所 本社工場 |
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事業管理機関 | 山梨県中小企業団体中央会 |
研究等実施機関 | 有限会社塚原製作所 国立大学法人山梨大学 山梨県工業技術センター |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 株式会社中家製作所 |
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事業内容 | 製造業・半導体製造装置用金属部品加工、装置設計製作 |
社員数 | 104 名 |
本社所在地 | 〒409-3853 山梨県中巨摩郡昭和町築地新居1641-8 |
ホームページ | http://www.nakayass.co.jp/index.html |
連絡先窓口 | マルチエンジニアリング部 平木 哲 |
メールアドレス | manager@nakayass.co.jp |
電話番号 | 055-275-5533 |
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