製造環境
長期間水質を維持することこができ、生産性の高い養殖方法の確立
新潟県
株式会社カサイ
2023年2月11日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 省人力で安定的な水質管理を可能とする新規スマート陸上養殖システムの開発 |
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基盤技術分野 | 製造環境 |
対象となる産業分野 | 食品 |
産業分野でのニーズ対応 | 高効率化(生産性増加)、デザイン性・意匠性の向上 |
キーワード | 養殖、高効率、地域活性化、陸上養殖、高齢化 |
事業化状況 | 実用化間近 |
事業実施年度 | 令和1年度~令和3年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
陸上養殖において最も重要な水質維持を独自の水質浄化ファイバーと光触媒繊維により達成させ、水質測定をIoT化することで水質変化を感知し、かつ省力化を実現できる陸上養殖システムを開発する。本開発製品はIoT化により収集した水質データをビックデータ化することで最適な飼育環境・ノウハウを確立することができる。また、光触媒繊維と水質浄化ファイバーの組み合わせによる脱窒処理を行える革新的な陸上養殖システムを開発する。
開発した技術のポイント
・水質浄化ファイバー「Oxy-DECO」を陸上養殖システムに組み込むための設置量や設置方法の検討を実施し、魚密度3kg/m3の際Oxy-DECOの設置量が1~4kgの範囲が良く、設置方法は吊り下げ方法が良いと考えられる。
・可視光応答光触媒として、パラジウムに銅を担持し水素添加した条件で脱窒性能60%を達成した。
・水質センサーのデータをリアルタイムで更新し、グラフ出力するソフトウェアを開発。データ取得の実証実験終了。
・新潟(ニジマス)、鹿児島(ウナギ)の2か所で陸上養殖システムを構成。実証試験において収益性のあるシステムであると確認した。
具体的な成果
・水質維持システムの高度化の課題への対応
‐水質維持および陸上養殖システムの検討において、魚密度およびアンモニア数値の目標達成
‐脱窒性能60%達成
・IoT化による管理の高度化の課題への対応
‐個別端末へ送るデータ送信プログラム、測定データをグラフ化して表示するプログラムを開発し、実証において運用を確認
‐両実証において、安定給餌や斃死防止に必要な水質データ範囲を把握
・陸上養殖システムユニット化の課題への対応
‐装置のメンテナンスマニュアルを作成し、ニジマスで0.02人工/槽、ウナギで0.03人工/槽を達成
‐各実証において魚を出荷するまで飼育し、長期的にIoTで水質測定できることを確認
研究開発成果の利用シーン
陸上養殖において、長期間水質を維持しつつ、水質変動の常時観測と水質状態の判断が可能となる水質管理システムである。
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
川下企業から問い合わせや取引希望を多く受ける状況に至った。
提携可能な製品・サービス内容
設計・製作
製品・サービスのPRポイント
・水質センサーのデータをリアルタイムで更新し、グラフ出力するソフトウェアを開発。データ取得の実証実験終了。
・陸上養殖システムの実証装置において、高い収益が得られることが証明された。
・実証装置で飼育した魚は市販品と比較して味に大きな差は見られず、そん色ないものが得られた。
今後の実用化・事業化の見通し
・各養殖システムのパーツごとに製造会社と連絡を取り合い、オーダーメイドのような設計要望に応えられるような体制を整えている。
・現在は養鰻業者と養鱒業者向けの提案となっているが、今後魚種の拡大や海水飼育など幅広い条件の飼育にも展開していく。
実用化・事業化にあたっての課題
・光触媒において銅は鯉など魚により魚毒性を示すこと、水素添加が魚への影響が未知数という結果となり、光触媒以外のアプローチを検討する必要がある。
・最大60%までの脱窒を達成したが、実目標である80%脱窒を3ヶ月以上維持する目標が未達成となった。
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 株式会社カサイ |
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事業管理機関 | 公益財団法人新潟市産業振興財団 |
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 株式会社カサイ(法人番号:1110001007115) |
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事業内容 | 建築物の衛生設備、空調設備及びプラント設備の設計、製造及び施工 |
社員数 | 49 名 |
本社所在地 | 〒956-0015 新潟県新潟市秋葉区川口578番地23 |
ホームページ | https://www.kasai-corporation.co.jp |
連絡先窓口 | 株式会社カサイ 水環境事業部 高橋勝則 |
メールアドレス | kasai@kasai-corporation.co.jp |
電話番号 | 0250-24-3900 |
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