複合・新機能材料
三次元中空構造編物による耐久性・耐火性に優れた環境対応型無機繊維外断熱材
石川県
北陸ファイバーグラス株式会社
2020年3月20日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 三次元中空構造編物を用いた環境対応型無機繊維外断熱材の開発 |
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基盤技術分野 | 複合・新機能材料 |
対象となる産業分野 | 環境・エネルギー、自動車、建築物・構造物 |
事業化状況 | 研究実施中 |
事業実施年度 | 平成21年度~平成21年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
地球温暖化問題による温室効果ガス排出削減の推進により、建物工法として省エネルギー効果や耐久性のある「外断熱工法」が注目されている。現在の外断熱材は、有機繊維が中心であり、建材メーカーなどの川下製造業者から、更に耐火性・耐久性・成形性の高い外断熱基材が求められている。本事業では、ガラス繊維などの無機繊維の製編技術を確立し三次元中空構造編物を用いた環境対応型無機繊維外断熱材の開発を行う
開発した技術のポイント
外断熱材に適した力学的特性、断熱特性をもった複合材料の開発
・曲げ弾性率2GPa、曲げ強度20MPa→市販されている三次元中空織物を用いた複合材料の物性値以上
・最小熱伝導率0.033W/m・K→外断熱部材に適した断熱特性を実現
(新技術)
<無機繊維対応三次元中空構造編物>
・種々の繊維で編物作成が可能
・無機繊維を用いた三次元中空構造繊維が可能
・外壁材や自動車部品に使用可能な高い剛性を持つため、応用用途が広い
・樹脂との合成が容易であり、複合材料としての用途が広い
・成形が極めて容易
具体的な成果
・無機繊維を用いた三次元中空編物が作製可能に
-無機繊維に負担が掛からないようラッセル編機を摩擦が少なくなる部品に変更
-強化材の原糸テンションをより繊細に調節、運動に合わせて張力を最適に調整可能に
-上記により、無機繊維を用いた三次元中空編物が作製可能に
・曲げ弾性率6.4GPa、曲げ強度49.6MPaを達成
-三次元中空編物を用いて複合材料を作製し、力学的特性を評価
-結果、曲げ弾性率6.4GPa、曲げ強度49.6MPaを達成
-技術的目標値である曲げ弾性率2GPa、曲げ強度20MPaを大きく上回る高い値を実現・繊維密度の制御による断熱性能の向上が課題
-断熱性能を評価した結果、最小熱伝導率は0.084W/m・Kであり、目標は未達成
-ただし、繊維密度を制御することにより達成可能であることが示唆された
-力学的特性の向上と熱伝導率の低下という相反する要求性能を満たす最適な編物作製条件を見付け出すことが課題
研究開発成果の利用シーン
無機繊維を用いた三次元中空編物により作製した外断熱材を使用することで、従来より省エネルギー効果が高く、耐火性・耐久性・成形性に優れる建材となる
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
・H26年度の実用化に向け、研究を継続
・三次元中空構造複合材のサンプルあり(無償)
製品・サービスのPRポイント
・省エネルギー化:躯体が室内温度に同調し蓄熱するため、一年を通して室内温度の変化が少なくなり暖冷房コストが半減
・耐久性向上:躯体の外側を断熱材で覆うことにより、コンクリート躯体が外気にさらされず、膨張収縮が少ないため耐久性向上
今後の実用化・事業化の見通し
・補完研究を実施しながら、業種拡大し販路開拓を目指す
・コストダウンと断熱特性の向上を目的とした補完研究を継続中
・事業化に向けては、住宅メーカー、建材メーカーをターゲットに販路開拓を目指したが、現時点で販売には至っていない
・現在、ターゲット業種を拡大し、販路開拓を目指している
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 北陸ファイバーグラス株式会社 |
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事業管理機関 | 関西ティー・エル・オー株式会社 |
研究等実施機関 | ヒロベ産業有限会社 国立大学法人京都工芸繊維大学 |
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 北陸ファイバーグラス株式会社 |
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事業内容 | ガラス繊維製品加工製造 |
本社所在地 | 〒923-0336 石川県小松市那谷町72 |
連絡先窓口 | 代表取締役 北村雅之 |
メールアドレス | mkitamur@eos.ocn.ne.jp |
電話番号 | 0761-65-1665 |
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