表面処理
大流量吐出高圧炭酸塗装機とそれに適合した塗料を開発し、VOCの大幅削減に寄与!
宮城県
加美電子工業株式会社
2022年1月28日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 大流量吐出高圧炭酸塗装機の開発 |
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基盤技術分野 | 表面処理 |
対象となる産業分野 | 環境・エネルギー、自動車、産業機械、建築物・構造物、工作機械、エレクトロニクス、物流・流通 |
産業分野でのニーズ対応 | 高機能化(新たな機能の付与・追加)、環境配慮、低コスト化 |
キーワード | 揮発性有機化合物(VOC) |
事業化状況 | 実用化に成功し事業化に向けて取り組み中 |
事業実施年度 | 平成28年度~平成30年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
塗装業界では噴霧しやすいように塗料に希釈溶剤(シンナー等)を混ぜて塗布するため、揮発性有機化合物(以下VOCという)発生の問題が未だ残る。特に大型製品(建機・船舶等)では具体的な解決方法がなく、VOC削減のニーズが極めて高い。そこで、高圧炭酸が持つ塗料の流動性を向上させる性質を利用した(希釈溶剤の代替に高圧炭酸を使用)大流量吐出高圧炭酸塗装機とそれに適合した塗料を開発し、VOCの大幅削減に寄与する。
開発した技術のポイント
・大流量向け塗装装置の開発
‐大流量での安定吐出、瞬時混合、噴霧ノズルのテイルレス形状、塗着効率向上、適合塗料レシピの完成
・噴霧・塗膜面形成評価装置の開発
‐噴霧粒子の観察、粒径測定、粒径分布、塗膜面形成過程の観察と定量化及び可視化が可能
・適合塗料開発
‐ウレタン系塗料での50%希釈溶剤削減の実施
‐フタル酸系塗料での75%希釈溶剤削減の実施
具体的な成果
・大流量吐出高圧炭酸塗装機の開発
‐吐出流量最大3L/min、吐出圧力最大20MPaで塗料噴霧を安定的に行える大流量吐出高圧炭酸塗装機を完成させた
・噴霧状態、塗膜面形成状態の可視化システム開発
‐噴霧パターン観察(側面)、粒度分布計測(側面)、塗膜面形成過程観察(裏面)を行える可視化装置を開発し、炭酸塗装プロセスの改良に活用した
・噴霧ガン、噴霧ノズルの開発
‐噴霧ノズル先端の液ダレ防止、洗浄Unitを組込んだ噴霧ガンを独自に開発。噴霧ノズルはテイル・スジムラの出ないノズルを完成させ、少流量から大流量までの対応が可能となった
研究開発成果の利用シーン
今回開発した大流量吐出高圧炭酸塗装機を使用する事により、特に大型製品(建機、造船等)製造時に排出される大量のVOCを削減でき、環境保全活動に寄与できる。
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
・少流量吐出高圧炭酸塗装機のデモ機を整備し、中国へ輸出済。(中国塗料メーカー:1台、中国代理店契約を締結する設備メーカー:1台、加美電子 工業株式会社中国工場:1台)
・造船メーカーでの大流量吐出高圧炭酸塗装機を8月に現場へ設置しデモを実施した。現在、品質確認中であり、導入効果を検証中。
提携可能な製品・サービス内容
設計・製作、加工・組立・処理、素材・部品製造、製品製造、試験・分析・評価、共同研究・共同開発
製品・サービスのPRポイント
・塗料におけるVOCの大幅削減
‐希釈溶剤削減率30%~70%
・塗着効率の向上
‐向上率15~30%
今後の実用化・事業化の見通し
・販売先については、環境規制が最も厳しく、市場規模も大きい中国市場を第1優先としてとらえている
・塗料メーカーや設備メーカー、造船メーカーに加えて鉄骨構造物メーカーへのデモ機設置を計画している
・国内ユーザーは、主に自動車関連メーカーを中心とした試作を継続中である
・装置販売目標として2019年度中に国内1台、中国10台の販売を計画している
・中国での展開を加速させるべく、中国代理店としてビジネス契約締結を進め、契約書を取り交わし中
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 加美電子工業株式会社 |
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事業管理機関 | 公益財団法人みやぎ産業振興機構 |
研究等実施機関 | 国立大学法人群馬大学 宮城県産業技術総合センター |
アドバイザー | 丸和電子化学株式会社、日立建機株式会社、長瀬産業株式会社 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 加美電子工業株式会社(法人番号:2370201002302) |
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事業内容 | プラスチック製品製造業 |
社員数 | 110 名 |
本社所在地 | 〒981-4302 宮城県加美郡加美町字下野目雷北6 |
ホームページ | http://www.kamidenshi.com |
連絡先窓口 | 開発技術部 千葉 雄一 |
メールアドレス | yu-chiba@kamidenshi.com |
電話番号 | 0229-67-3110 |
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