複合・新機能材料
プレス式水冷システムを用いた双晶組織形成制御による高音質なシンバル用高錫濃度ブロンズ合金の開発
福井県
株式会社大阪合金工業所
2020年3月19日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | プレス式水冷システムを用いた双晶組織形成制御による高音質なシンバル用高錫濃度ブロンズ合金の開発 |
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基盤技術分野 | 複合・新機能材料 |
対象となる産業分野 | 楽器 |
産業分野でのニーズ対応 | 高機能化(新たな機能の付与・追加)、高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(耐久性向上)、高効率化(同じ生産量に対するリソースの削減)、高効率化(工程短縮)、デザイン性・意匠性の向上 |
キーワード | シンバル |
事業化状況 | 事業化に成功し継続的な取引が続いている |
事業実施年度 | 平成27年度~平成29年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
シンバルの音は複雑でスズ濃度が増えるほど高音質なシンバルになるが、硬く、組織も不均質になりやすいため割れやすくなる。シンバル原板を割れにくくするために結晶粒微細化、原板自体にひずみが無く、音を調整できる双晶組織を形成するための熱処理技術を開発する必要がある。本研究では、高音質で割れないシンバル原板を開発し海外への輸出を視野に入れたドラム用シンバルへ販路を拡大する
開発した技術のポイント
Zr添加でシンバル素材の結晶粒を微細化させることで、割れにくいシンバル素材を作製し、さらにtiやPを添加してすることで、音を変化させることが可能とする
(新技術)
・Cu-23Sn-0.3ti-0.03Zr組成安定して製造することが可能(23Zt)は、華やかな音
・Cu-21Sn-0.1Zr-0.03Fe組成安定であった(21ZF)は、静かな(ダークな)音
(新技術のポイント)
・ジャンル別・寸法別での品種も選定することが可能となった
・プレス式水冷システムを用いて薄い円盤状のシンバル原板にひずみなく焼き入れできる技術を確立
具体的な成果
Pに変わりFeを添加することになったが、Cu-23Sn-0.3ti-0.03Zr(以下23Zt)およびCu-21Sn-0.1Zr-0.03Fe(以下21ZF)の組成が決定し、華やかな音の23Zt、静かな(ダークな)音の21ZFと住み分けできた結果、ジャンル別・寸法別での品種も選定することが可能となった
・シンバル音の音質評価物理量(ラウドネス:人間が感じる音の大きさ、シャープネス:金属的な甲高さ・鋭さ)の解析を実施した
・23Ztでは結晶粒度の300μmと華やかさを保つため、Zr添加量を0.03%とした
・21ZFではシンバルの音を保ちつつ減衰が早いダークな音質が求められているため、Zr添加量を0.1%とした
知財出願や広報活動等の状況
令和元年近畿地方発明表彰「中小企業庁長官賞」を受賞した
研究開発成果の利用シーン
・ドラム用シンバル
・シンバル原板
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
市場を拡大する目的で、2019年の7月、海外進出のためこの開発した2種類のシンバルをSUMMER NAMMというアメリカの楽器展示会に出品した。他社とは違う響きの音のため好評で、ニューヨークの楽器店から小出シンバルを扱いたい旨の連絡があった。2020年の10月にはハリウッドドラムショーに出展する予定で、11月にPASICという打楽器の展示会にも出展申し込みをしてある。これらの展示会などで市場を拡大していく予定。
提携可能な製品・サービス内容
素材・部品製造、試験・分析・評価、共同研究・共同開発
製品・サービスのPRポイント
・高音質で割れないシンバル原板
・海外への輸出を視野に入れたドラム用シンバルへ販路
今後の実用化・事業化の見通し
・国内や欧米企業にサンプル出荷。シンバルの世界市場は150~200億円、国内市場は10億円であると想定しており、加工性を上げるため、錫の濃度を低くするメーカーが多い中、音質を上げた高錫濃度シンバルの音の特徴を生かして販売
・今後は、Zrと減衰との関係を明らかにすることで、顧客ニーズに合わせたシンバル素材の提供も可能である
実用化・事業化にあたっての課題
アメリカへの輸出を現在行い始めているが、展示会等の出展などしているが、まだまだ認知度が低い
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 株式会社大阪合金工業所 |
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事業管理機関 | 公益財団法人ふくい産業支援センター |
研究等実施機関 | 福井県工業技術センター |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 株式会社大阪合金工業所(法人番号:7210001000599) |
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事業内容 | 中間合金地金・銅及び銅合金鋳造品/加工品 |
社員数 | 53 名 |
本社所在地 | 〒910-3138 福井県福井市白方町第45号5番地9 |
ホームページ | http://www.osakagokin.co.jp/ |
連絡先窓口 | 株式会社大阪合金工業所研究開発部 小川渉 |
メールアドレス | ogawa@osakagokin.co.jp |
電話番号 | 0776-85-1811 |
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