複合・新機能材料
超低温(-253℃)~常温の幅広い温度帯で確実に封止できる大口径バタフライバルブの開発
滋賀県
株式会社オーケーエム
2025年1月28日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 液化水素を安定的に封止する革新的構造を備えた水素社会の実現に不可欠な大口径バタフライバルブの研究開発 |
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基盤技術分野 | 複合・新機能材料 |
対象となる産業分野 | 航空・宇宙、産業機械、化学品製造、造船 |
産業分野でのニーズ対応 | 高機能化(新たな機能の付与・追加)、高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(耐久性向上)、高性能化(信頼性・安全性向上)、高性能化(封止性能向上) |
キーワード | 液化水素,バタフライバルブ,大口径,超低温(-253℃) |
事業化状況 | 研究実施中 |
事業実施年度 | 令和3年度~令和5年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
本研究開発は、液化水素の大規模利用を可能にするため、大容量のバルブやその付帯設備の開発を目的としている。液化水素の輸送・貯蔵インフラには、特に低温(-253℃)での技術的課題が多いため、超低温に対応したバタフライバルブの設計が求められている。シートリング素材を樹脂からメタルへ置き換えて、熱収縮の影響を最小限に抑え、バックアップリングで弾性を維持し、超低温流体を確実に封止する「メタルTIGAシート構造」や全閉付近でディスクが回転軌道から直線軌道に切り替わることにより、常温から超低温の幅広い温度帯において、低トルクで高い封止性能が得られる「ハイブリッドバタフライ機構」を採用することで、川下顧客の要求性能を満たす大口径バルブの開発を目指している。
開発した技術のポイント
水素社会の実現に不可欠な大口径バタフライバルブの実現に向けて、要素技術である以下の2点の研究開発を実施した。
(新技術)
①超低温時の影響を抑えたシート構造
-メタルTIGAシート構造により、超低温環境でも漏れ量ゼロを達成し、低トルクで高い封止性能を実現。
-熱収縮の影響を最小限に抑えたシート構造の実現。
②高い封止性能を得られるシール機構
-ハイブリッドバタフライ機構により、回転軌道から直線軌道に変化することで、より低トルクで高い封止面圧を実現。
-超低温でもディスクとシートリングの接触を最小限にし、耐久性と操作性の両立を実現。
(新技術の特徴)
①超低温時の影響を抑えたシート構造と②高い封止性能を得られるシール機構により、液化水素(-253℃)を安定的に封止するための技術を確立した。
具体的な成果
・水素(液・ガス)に使用できる素材に関する研究
-水素(液・ガス)に使用可能な樹脂素材を特定した。
-水素(液・ガス)に使用可能な金属表面処理を特定した。
・水素を封止するために必要な表面粗さと圧縮面圧の研究
-低い圧縮面圧で封止可能な条件を特定し、シート構造設計に反映した。
・メタルTIGAシート構造の開発とハイブリッドバタフライ機構の開発
-操作トルクが目標値以下で漏れ量が「ゼロ」となる構造設計が完了した。
・品質保証体制の確立
-検査流体の違いや、検査時の冷却冷媒の違いによる漏れ量の変化を予測し、その予測した漏れ量が正しいか評価用バルブを使用して妥当性の確認を行った。
-液化窒素による極低温検査の手法を確立し、検査精度の向上を実現した。
知財出願や広報活動等の状況
・出願特許:
特願2024-024234 「バタフライバルブ」
特願2024-024235 「バタフライバルブ」
研究開発成果の利用シーン
・液化水素の大規模輸送船や貯蔵タンクのバルブとして利用可能。
・液化水素を使用するプラントやインフラ設備において、効率的な封止バルブとして採用。
・超低温環境下での耐久性が求められるエネルギー関連設備で利用。
・水素エネルギー関連のサプライチェーンにおける輸送・貯蔵技術として活用。
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
液化水素の商用化プラントや運搬船の大型化が予想されている。岩谷産業などのパートナー企業と連携し、開発されたバタフライバルブを実用化し、大型プラントや運搬船への導入を目指している。さらに、今後の市場ニーズに対応し、国内外での事業展開が期待されている。
提携可能な製品・サービス内容
設計・製作、製品製造、共同研究・共同開発
製品・サービスのPRポイント
・超低温(-253℃)に対応した大口径バルブ。
・LNGバルブの1.5倍以下の操作トルクで漏れ量ゼロを実現。
・耐低温・耐水素脆性に優れた素材を使用。
・検査工程の自動化により高い生産効率と品質保証を提供。
・水素エネルギーの輸送・貯蔵における最適解を提供する技術。
今後の実用化・事業化の見通し
・液化水素の商業利用が加速する中で、2030年以降に液化水素運搬船やプラント向けのバルブ需要が増加する。
・国内外の水素関連市場で競争優位を確立し、バルブの普及が見込まれる。
・液化水素関連のプロジェクトが進行中で、研究成果を活かした製品の導入が予定されている。
・川下顧客との連携により、大口径バルブの商業化が進む。
実用化・事業化にあたっての課題
・常温から超低温の幅広い温度帯において、両流れ対応。
・容易にメンテナンス可能な構造の確立。
・大型プラントや商用船での信頼性向上に向けた技術的検証の継続が必要。
・海外市場での競争力強化に向けた技術改善とコスト削減が課題。
事業化に向けた提携や連携の希望
・実液(液化水素環境)を使用した陸上試験や船上試験の実施。
・液化水素に対応した真空二重配管メーカとの連携。
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 株式会社オーケーエム |
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事業管理機関 | 公益財団法人滋賀県産業支援プラザ 連携推進部 プロジェクト管理室 |
研究等実施機関 | 滋賀県工業技術総合センター |
アドバイザー | 岩谷産業株式会社 作新工業株式会社 公立大学法人滋賀県立大学 |
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 株式会社オーケーエム(法人番号:5160001009813) |
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事業内容 | 工業用、建築用、船舶用等各種バルブの開発・製造・販売 |
社員数 | 252 名 |
生産拠点 | 日野工場【滋賀県】、東近江工場【滋賀県】、奥村閥門(江蘇)有限公司【中国】、OKM VALVE (M) SDN. BHD【マレーシア】 |
本社所在地 | 〒520-2362 滋賀県野洲市市三宅446-1 |
ホームページ | https://www.okm-net.jp/ |
連絡先窓口 | 株式会社オーケーエム |
メールアドレス | n-senba@okm-net.co.jp |
電話番号 | 077-518-1261 |
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