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表面処理

脆弱化合物層フリー・プラズマ深窒化

富山県

株式会社北熱

2020年3月27日更新

プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 世界初の脆弱化合物層フリー・発光分析フィードバック(ESF)プラズマ窒化による、航空機部品向け高品質・高能率・クリーン深窒化プロセスの開発
基盤技術分野 表面処理
対象となる産業分野 航空・宇宙、自動車、産業機械
産業分野でのニーズ対応 高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(耐久性向上)、高性能化(信頼性・安全性向上)、高性能化(精度向上)、高効率化(同じ生産量に対するリソースの削減)、高効率化(工程短縮)、高効率化(生産性増加)、環境配慮、低コスト化
キーワード プラズマ深窒化、脆弱化合物層フリー、航空機部品、金型
事業化状況 事業化に成功
事業実施年度 平成27年度~平成29年度

プロジェクトの詳細

事業概要

航空機部品の深窒化処理では、深い窒化層の生成と脆弱化合物層の除去が求められる。ガス窒化を主体とした従来プロセスでは、サイクルタイムが長い、除去工程での腐食リスク、化学物質を大量に消費するなどの問題がある。本研究では、独自の発光分析フィードバック機構を備えたESFプラズマ窒化装置を開発し、精密研削技術と非破壊検査技術を取り入れて、高品質・高能率・クリーン深窒化プロセスを確立した。

開発した技術のポイント

独自のESFプラズマ深窒化装置を中心とした、航空機部品向けの新しい高品質・高能率・クリーン深窒化プロセスを開発する

(新技術)
・ESFプラズマ深窒化装置
・窒化層の超音波非破壊検査
・窒化層の精密研削

(新技術のポイント)
・最表層に脆弱化合物層が生成されないため、表面性状の変化がない
・薬品浸漬による変質リスクがない
・サイクルタイムが速い

具体的な成果

・ESFプラズマ深窒化装置の開発
‐独自のフィードバック機構を有するESFプラズマ深窒化装置を開発した

・脆弱化合物フリー高能率プラズマ深窒化条件の最適化
‐サイクルタイムを最大18%短縮できた

・超音波を用いた窒化層の非破壊検査法の開発
‐測定精度±5%を達成できた

・MSE法による深窒化層の微細強度分布の評価
‐能率良く深窒化層の強度評価が可能になった

・精密内面研削によるプラズマ深窒化表面の高精度仕上げ
‐研削取代25μm、表面粗さRa0.2を達成できた

・深窒化層表面のマシニングとレーザーコンディショニング
‐マシニングセンタ研削で取代50μmを達成できた

研究開発成果の利用シーン

・脆弱化合物層フリー深窒化処理

・窒化処理層の非破壊検査
-航空機部品・バルブ部品
-金属加工用金型・プラスチック加工金型
-各種機械部品・各種工具

実用化・事業化の状況

事業化状況の詳細
窒化処理後の試験片表面

2019年10月より金型向け脆弱化合物層フリー・プラズマ深窒化「PRIZE120」の受託加工を開始した。航空機部品については技術課題が残っており、金型や工具を対象として販売している。

提携可能な製品・サービス内容

加工・組立・処理

製品・サービスのPRポイント

・高品質な深窒化処理
‐深い窒化層を形成させた場合でも、最表層に脆弱化合物層が生成されないため、表面性状の変化がなく変寸しない。また、PVDコーティングとの複合処理が可能である
‐脆弱化合物層除去時やマスキング用めっき除去時の薬品浸漬による材料変質リスクがない

今後の実用化・事業化の見通し

・2019年10月より、金型向け脆弱化合物層フリー・プラズマ深窒化「PRIZE120」の受託加工を開始した。
・航空機部品向け深窒化「PRIZE400」の開発を継続し、航空機部品メーカーや重工メーカーへ提案する。

プロジェクトの実施体制

主たる研究等実施機関 株式会社北熱
事業管理機関 公益財団法人富山県新世紀産業機構
研究等実施機関 三晶エムイーシー株式会社
公立大学法人富山県立大学
国立大学法人金沢大学
富山県産業技術研究開発センター

主たる研究等実施機関 企業情報

企業名 株式会社北熱(法人番号:4230001002852 )
事業内容 真空熱処理、窒化処理、コーティング、表面分析
社員数 45 名
本社所在地 〒930-0106 富山県富山市高木西115
ホームページ www.hokunetsu.com/
連絡先窓口 パイロット事業部 嶋村公二
メールアドレス k-shimamura@hokunetsu.com
電話番号 076-471-6001