複合・新機能材料
過熱蒸気を利用した解体・分離技術により電子基板の貴金属リサイクル資源の有効活用
栃木県
株式会社ツルオカ
2020年3月18日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 自動車解体における貴金属含有物の高度精緻解体・分離技術の開発 |
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基盤技術分野 | 複合・新機能材料 |
対象となる産業分野 | 環境・エネルギー |
産業分野でのニーズ対応 | 環境配慮、低コスト化 |
キーワード | 都市鉱山、E-waste、レアメタル、廃電子基板、過熱蒸気 |
事業化状況 | 研究中止または停滞中 |
事業実施年度 | 平成21年度~平成22年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
自動車解体においては、ガラ、雑品の形までしか解体されていない。スクラップの特性に応じた新たなリサイクル技術を開発する必要がある。静脈産業回収物については、回収のコストを下げ、貴金属の含有量を濃縮することが、国内での資源循環を促すための大きな課題である。本研究開発ではガラ、雑品の電子基板からその形態に関らず、手作業によらず低コストで容易に有価金属部位を解体・分離する熱処理技術を開発する
開発した技術のポイント
過熱蒸気を利用した貴金属含有電子基板の解体・分離技術の開発
・貴金属含有物の高度精緻解体・分離
→作業時間を手作業比10%以内
・貴金属の国内循環利用
→部品毎の貴金属価値分析
(新技術)
過熱蒸気による解体分離
・貴金属リサイクル資源の国内での有効活用
・加熱蒸気利用技術による高度精緻解体
・分離の低コスト化
具体的な成果
・電子基板の特性に応じた分離方法を検討
‐過熱蒸気を利用して、電子基板からICチップ等を解体・分離する技術を確立
‐自動車搭載電子機器部品から回収された電子基板の種類、メーカー、車種、年式によるデータを獲得し、その特性に応じた解体・分離の方法を検討
‐分離程度が悪い電子基板の特徴は、レジスターが多数搭載され、22mm×8mm未満のICチップが複数搭載され、その向きに法則性が無いものであることが判明
・分離時間5分4秒を達成
‐電子基板からのICチップ等素子分離について、全体平均で95.3%の分離を達成
‐分離時間も手作業で分離する作業時間の3.9%となる5分4秒が実現
・本技術の環境優位性を確認
‐本技術により回収される貴金属の国内循環利用に関して検討
‐自動車に使用されるエアバッグおよびエンジン制御の電子基板には、金、銀、銅の貴金属が含有されていることが判明
‐それらを効率的に回収することにより、環境優位性のあることを確認
研究開発成果の利用シーン
電子機器部品の電子基板の解体・分離を過熱蒸気を利用した技術で行うことにより、分離コストが下がり、国内で貴金属リサイクル資源の活用が可能になる
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
・実用化は停滞中
・電子基板からICチップを分離・破砕・粉砕する装置の試作機あり(有償)
提携可能な製品・サービス内容
技術コンサルティング
製品・サービスのPRポイント
環境負荷低減:薬品等の化学反応を利用せず、水資源を用いることで環境に配慮した、手作業に代わる解体・分離技術を実現
今後の実用化・事業化の見通し
事業化を断念
・銅をコレクターとして貴金属を回収している山元において、自溶炉への直接投入に対応した銅精鉱と同程度の粒径への粉砕には成功したが、その後、実用化促進は断念
実用化・事業化にあたっての課題
電子基板から素子を分離し、貴金属含有物を濃縮する技術の確立を図ったが、製錬業者側のリサイクル行程に変更が必要となる。また、電子基板には、銅製錬ではタンタルのように再資源化に不向きなものや、アルミのように不純物となるものが実装されており、分離ニーズは存在しているが、選別コストは大きい。
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 株式会社ツルオカ |
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事業管理機関 | 一般財団法人金属系材料研究開発センター |
研究等実施機関 | 国立大学法人東京大学 一般財団法人金属系材料研究開発センター |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 株式会社ツルオカ(法人番号:050001032584) |
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事業内容 | 鉄鋼・鋳物原料、非鉄金属原料などの加工販売。建設機械、運搬車両などの鋳鉄カウンターウエイト製造・販売。使用済み自動車の解体・中古部品販売 |
社員数 | 145 名 |
本社所在地 | 〒323-0804 栃木県小山市萱橋1085 |
ホームページ | http://tsuruoka.co.jp |
連絡先窓口 | 総務部RECYINT事業企画室室長 堤庸佐 |
メールアドレス | ytutumi@tsuruoka.co.jp |
電話番号 | 0285-49-3330 |
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